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http://www3.nhk.or.jp/news/t10014790271000.html
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過労やストレスで労災 最悪に
5月23日 18時40分
過労による病気で倒れ、昨年度、労災と認定された人はこれまでで最も多い392人に上ったことがわかりました。仕事が原因でうつ病などになった人の労災認定も過去最悪で、長時間労働による過労や職場でのストレスがいっそう深刻になっている実態がうかがえます。
厚生労働省によりますと、過労による脳や心臓の病気で倒れて労災と認定された人は、昨年度、392人と、過去最悪だった前の年よりさらに37人増えて、これまでで最も多くなりました。年代別では、最も多いのが50代で22人増えて163人、これまであまり見られなかった20代も16人にいて、若い世代への広がりも目立っています。また業種別では運輸業が101人と最も多く、次いで製造業が前の年の2倍近くに増えて74人となっています。1か月の残業が平均で100時間を超えていたケースが半数を超え、長時間労働による過労が深刻です。また、認定された392人のうち142人が亡くなっています。一方、仕事上の強いストレスなどが原因でうつ病など精神疾患になったとして労災認定された人も過去最悪で、前の年より63人、率にしておよそ30%増えて268人に上りました。年代別では30代が100人と最も多く、次いで20代が前の年より28人も増えて66人と、20代と30代で全体の60%を超えていて、若い世代のストレスが深刻です。業種別では、製造業が59人と最も多く、次いで卸売・小売業が41人となっています。認定された268人のうち、自殺にまで追い込まれたのは81人に上り、この4年間で2倍以上に増えています。企業社会論が専門で、サラリーマンの労働時間や過労死などの問題にも詳しい関西大学の森岡孝二教授は「景気回復によって仕事量が増えているのに人手不足は非正社員で補う傾向が強く、正社員は絞り込まれて仕事が過酷になっている。働き方が大きく二極分化し、一方は過労死寸前、一方はワーキングプアという構造的な問題が深刻化しているのが特徴で、日本の職場は好況でも不況でも一貫して厳しい状況になっている」と話しています。また、過労自殺など精神疾患の労災が20代や30代の若い世代に急増している背景について、森岡教授は「正社員が減らされるなかで若くても入社後すぐに重責を担わされるケースが増え、大きなストレスになっている。特に新卒採用の抑制で若手がいない時期が続いたため、すぐに戦力になり実績を上げるよう求められるが、どの職場も成果主義が強まり、個人が競い合って助け合う余裕がないため、精神的に追い詰められる若い人も増えている」と話しています。
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