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http://www.news.janjan.jp/living/0805/0805227652/1.php
田中龍作2008/05/23
「後期高齢者医療制度」の廃止法案を、民主党や社民党などが23日、参議院に提出する。「後期高齢者医療制度」は終盤国会最大の焦点となるが、与党や厚労省は「制度の根幹は変えず、運用面を見直す」とする姿勢だ。
老人300人が座り込んだ(いずれも国会前で筆者撮影)
75歳以上の人の年金から健康保険料を天引きする「後期高齢者医療制度」の廃止法案を、民主党や社民党などが23日、参議院に提出する。前日の22日、お年寄り300人が制度の廃止を求めて国会前で座り込みをした。
座り込みをしたのは民間企業や官庁の退職者たちで作る「退職者連盟」。参加者の8割が70歳以上。ゆうに過半数が「後期高齢者医療制度の対象」となる75歳以上だ。この日は全国道府県の県庁所在地で同様の抗議行動が行われた。
「後期高齢者医療制度」は終盤国会最大の焦点となるが、与党や厚労省は「制度の根幹は変えず、運用面を見直す」とする姿勢だ。
政局とも密接に絡むだけに制度の廃止を目指す野党の議員が、審議の合間を縫って入れ替わり、座り込みの場を訪れた。きょうの東京地方は最高気温が26度まで上がる夏日となった。お年寄りの体には堪える暑さだ。
参加者の8割が70歳以上だ。
社民党の福島瑞穂党首は「皆さんたちのパワーが廃止法案提出へとつながった。明日、参院に提出します」と挨拶した。
民主党の古本伸一郎衆院議員は「(政府・与党は運用面で見直すと言っているが)リフォーム詐欺がある位だから騙されかねない。『後期高齢者医療制度』は一回リセットする必要がある。皆さんのためになる医療保険制度に作り変えなければならない」とアピールした。
多摩市在住の男性(80歳)は筆者のインタビューに対し開口一番「許せない」。理由は、掛け金が妻(75歳以上)の分と合わせると、年間8万円も上がったからだ。男性は「8万円だよ」と幾度も繰り返した。
さらに「(政府与党が言っているような)運用の見直しだけではどうにもならない。これだけの怒りが全国で巻き起こっているのだから。早く解散総選挙をやるしかない」とまくし立てた。
千葉県在住の男性(76歳)は「2年間にこの法律を通した時に(国民は)気づくのが遅かった。報道機関の手抜かりだ。自民党も公明党も国民目線に立っておらず信用できない」と話した。
都内在住の男性(65歳)はまだ制度の適用対象年齢ではないが憤りを隠さない―「明日は我が身。制度自体が許せない。『75歳から別だよ』という差別的なのが許せない」。
参加者たちが座り込みを続ける国会前には「目安板」が立てられた。「後期高齢者医療制度」に対する参加者たちの怒りと怨念を綴った100枚余りの紙片が貼られていた。
「感謝なき国家は滅びる」「家族を分断するような制度は廃止」「早く死ねということですか」「この国の復興のために頑張って来た。こんな制度では安心して生きることも、安らかに死ぬこともできないよ」・・・・・・書いた人の分だけ「怒り」があった。これはお年寄りたちの生きながらにしての卒塔婆ではないか。筆者にはそう思えて仕方がなかった。
老人たちの怨念を綴った紙が100枚。生きながらにしての卒塔婆のようだった。
先月27日実施された衆院山口2区補欠選挙は、「後期高齢者医療制度」が有権者の反発を買い自民党候補が惨敗した。
筆者は選挙期間中、現地で出来る限り多くのお年寄り達にインタビューした。怒りも凄まじかったが、それ以上に驚いたのはまだ天引きが始まっていないお年寄りまで新制度に反発していることだった。社会保障行政に対する拭いがたい不信感である。
福田首相は厚労省のトップ官僚から口移しされたように「制度の根幹は変えず運用面で見直す」などと言っている。もし制度がそのままにされたら山口2区で起きたようなことが全国規模で起きるだろう。
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