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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000006-gen-ent
“平成の姥捨山”と悪評高い後期高齢者医療制度。厚労省の役人は「医療費の削減」を制度導入の大義名分に掲げているが、冗談じゃない。巨額の医療費をむさぼる天下り先はノータッチのまま。新制度導入で、さらに肥え太らせる仕組みまで張り巡らせていた。
このフザケタ組織は、「社会保険診療報酬支払基金」(本部=東京・新橋)。各健保組合と医療機関の間に入って、レセプト(明細書)の審査と医療費の決済を行い、企業健保分については業務を独占している。1948年の設立以来、理事長に就任した14人全員が厚労省OBという絵に描いたような天下り団体である。
「小泉政権時代に、特殊法人から『特別な法律により設立される民間法人』と意味不明な組織に衣替えしたが、現在も常勤理事5人のうち、4人は厚労省OBのまま。現理事長の中西明典氏を含め、過去20年間の歴代理事長は社保庁長官経験者がズラリ(別表)です。年金台帳の破棄を命じた“消えた年金のA級戦犯” 正木馨氏も、ご多分に漏れず、天下っていました」(厚労省事情通)
基金は47都道府県に支部があり、職員5600人を抱える巨大組織だ。年間880億円の業務費の大半は人件費、理事長の年間報酬は約1840万円にも上る。これらを支えているのは、各健保組合がレセプト1枚あたり114.2円(調剤分は56.2円)を負担する手数料。元手は我々の毎月の健康保険料である。
ところが、肝心のレセプト審査がアテにならないのだ。
「年間8億枚を超えるレセプトをチェックする『審査委員』は約4500人。1枚に目を通す時間はせいぜい数十秒程度で、右から左に受け流しているのが実態です。ズサンな審査が、医療費の不正受給を繰り返す悪徳医院の横行を許しています」(医療関係者)
さらに、この天下り団体は、後期高齢者医療制度の導入で新たな利権を手にしていた。
「新制度は、これまで家族に扶養され保険料を払わずに済んだ高齢者にも負担を強いています。今年10月まで延期されたとはいえ、その数は180万人に達する。このウラで基金は、被扶養者だった高齢者の特定を一手に担うこととなり、その経費として今年度だけで3.3億円もの税金が流れているのです」(民主党の長妻昭衆院議員)
年金問題で責任も取っていない歴代社保庁長官の天下り先が老人医療費の上前をはねて焼け太り――。こんなデタラメを許していていいのか。
【歴代の理事長一覧】
名前/在任期間・社保庁長官在任期間
◆正木馨/87年8月〜92年8月・85年8月〜86年6月
◆北郷勲夫/92年8月〜96年8月・90年6月〜92年7月
◆末次彬/96年8月〜02年8月・92年7月〜94年9月
◆中西明典/02年9月〜・01年1月〜02年8月
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