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[暴政]支持率・超低下で「権力と犯罪の境界」が霞みマフィア化する連立与党の闇
<注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080518
【参考画像】Speak Softly Love, Al Martino(映画『ゴッド・ファザー』より)
[http://www.youtube.com/watch?v=NUowLibjdpk:movie]
(マフィアによる、マフィアとは何かについての証言=それは、遍在(ユビキタス)化するマフィア的政治の闇)
第二次世界大戦後のシチリアの独立運動にも参加したことで知られる山賊サルヴァトーレ・ジュリアーノ(1922 - 1950)の義兄にあたるマフィア(La Cosa Nostra)のパスクアーレ・ショルティーノは、イタリア議会の反マフィア委員会で、マフィアとは何かと問われ次のように答えました(出典:竹山博英著『マフィア/シチリアの名誉ある社会』(朝日選書)P4、より部分的に引用・転載)。
『マフィアとは神(神の偏在=ユビキタス)にたとえられるものです。神は存在するから、存在するんです。信仰心からそのことは分かりますが、神は実際はどこにいるか分かりません。ありとあらゆるところにいます。神は目の前の空気中にもいます。神はあらゆる物の中に宿って(ユビキタスして、つまり偏在して)います。それではマフィアはどこにいるのでしょうか。神の場合と同じです。その存在を信ずるところにいるのです・・・・・』[( )内はtoxandoriaの補筆]
(内閣支持率が急降下しても居直る自公連立政権、その傲慢を仕切る二つの“JINGI”)
<JINGI 1>
NHKの調査結果(5月12日発表)によると、福田内閣を「支持する」と答えた人は先月より14ポイント下がって21%となり、政党支持率でも自民と民主の立場が逆転(自民25.6%、民主27.1%)しました。このため、NHKの解説(調査結果についての分析)でも「小泉政権時代の負の遺産」(=極端な格差拡大政策、後期高齢者医療制度や道路特定財源一般化等についての曖昧な方向付け)に苦しみながらも、福田政権は適切な打開策を打てていない」というコメントが出始めています。
これに追い討ちをかけたのが時事通信が5/9〜5/12に実施した世論調査の結果です。それによると『福田内閣の支持率は19.9%で、発足以来最低だった前月より7.7ポイントさらに減少。内閣支持率が2割を切るのは森政権末期の2001年4月以来のこと。一方、不支持は前月比10.4ポイント増の62.8%。後期高齢者医療制度(長寿医療制度) への不満のほか、ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率復活や、道路特定財源を維持する法律の衆院再可決への動きが影響したとみられる。』ということになっています。
このような状況である(明らかに、あの“小泉劇場の無責任なバカ騒ぎ”が現在の“混迷・日本”の元凶である)にもかかわらず、相変わらず一部のメディアでは“小泉前首相カムバック論”を意識的に仕掛けるような情報を流しており、ブログ界の一部でも、“ナンタッテ小泉論”とでもい言うよりほかに表現のしようがない“インサイダー(身内びいき)的な小泉カムバック論”、 あるいは意識的に(おそらく?)女性ライターを起用した“薄気味が悪い小泉チャーミング or ラブラブ論”が横行しているようです。おそらく、このように不自然な蠢きの背後には特定の”仕手筋(小泉利権派)グループ”が控えているはずです。また、それは“小泉劇場が欺瞞的な詐欺劇場”であったことの傍証でもあると思われます。あの『小泉純一郎著/音楽遍歴、真実の“うそ”は感動的だ』(日経プレミアムシリーズ、5/15〜発売)への朝日新聞他の“情緒的なチョウチン記事”も、このような流れの上での出来事と理解すべきかも知れません。
従って、今こそ、現在の「混迷度が高まるばかりの福田連立政権」の<元凶(根本原因)を日本国民の一人ひとりが冷静かつ客観的に自分自身に関わる問題として認識することが肝要>です。そのためのは『小泉劇場の七つの大罪』についての明確な理解が大前提となるので、以下に、その内容を再録しておきます。それは、例えば、目下の福田政権による「後期高齢者見直し論議=首相、保険料の軽減措置を検討開始、http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2008051706474h1」の報道で端的に見られるとおり、この<国民の生存権を脅かす姥捨て山かナチス・ガス室ばりの制度(それも、この4月に強引に発足させたばかりの!)>を、国民の評判が悪いと見るや、今度は小手先の修正で誤魔化そうとする不埒な意思が見え透いているからです。
つまり、この問題の在り処はそんなことにではなく、国民皆保険制度そのものを放棄しようとする連立与党の<暴政の意思>にあると見るべきであり、その中枢に巣食うものこそが、この「小泉、七つの大罪」中の(3)で連立与党が手に入れた、別に言うなら、政治的な意味での危機意識に欠けた過半の国民がウッカリ小泉一派へ授けてしまった<JINGI 1= 2/3超の衆院与党議席>です。
(1)盲目的に「新自由主義(ネオリベ)」に心酔し、隷属的対米関係と悲惨な格差拡大を一層深刻化させた
(2)日本国憲法の平和主義と政教分離の原則を蹂躙し、アナクロ・ナショナリズムの流れを国政の中枢に招き入れた靖国神社への拘り)
(3)日本国憲法の主権在民と授権規範性を蹂躙し、強引な国会解散劇(クーデタ)で政治を暴政化した( → その結果、手中にした衆院2/3超の与党議席を連立与党の「神器<JINGI−1>」としつつ「小泉〜安部〜福田政権」が暴政の限りを尽くしてきた)
(4)「改革の美名」の下で財政赤字を一層拡大した(国債増発、約250兆円)
(5)政治倫理を冒涜し、日本の政治をポルノクラシー化した(芸能・淫猥政治化)
(6)国民主権を無視し「非合理な外交」で世界の中で日本を孤立化させた(米国自身の反省にもかかわらず日本政府だけがイラク戦争の無謬性をいまだに主張)
(7)弱者層蔑視政策で日本の教育・医療・福祉の現場環境を著しく劣化・荒廃させた
<JINGI 2> → 『もう一つの“仁義”、連立政権の背後に巣食う不気味な闇の深淵』
<JINGI 2>とは、例えば『古賀氏、道路特定財源の一般財源化後の使途に関し、“やみくもな分捕り合戦を許すわけにはいかない!”と支出先をめぐる連立与党内の議論をけん制』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008051701000578.html)の報道に端的に現れた“仁義”の異様な空気のことです。つまり、ここでは道路族のドンが、飾りモノの福田首相などはさておいて、有象無象の配下・舎弟やら下っ端の構成員向けに、巨額の上納金(=道路特定財源)をめぐる勝手な抗争は許さぬゾ!と睨みと凄みを効かしたという訳で、むしろ政治の世界というよりも、これは、マフィアを題材にした映画『ゴッド・ファザー』か、あるいは高島礼子主演の映画『極道の妻(おんな)たち、情炎』(参照、下記記事▲)の一場面を連想させます。
▲2005-04-06付toxandoriaの日記/映画『極道の妻(おんな)たち、情炎』に見る“閣議風景”の原点、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050406
また、殆ど忘れかけていたことですが、ここ一、二週間で「防衛利権の闇」についての散発的な報道(NHKほか)が見え隠れし始めています。おそらく、この動きは、冒頭<JINGI 1>で触れた「福田政権の異常なほどの低支持率」の動向と無関係ではないと思われます。元々、民主主義国家を標榜するわが国にとって、とても名誉なこととは言えませんが、連立与党政権の弱体化(=国民の支持離れ)が司法・検察の現場に活力を与えつつあるのかも知れません。詳しくは、注目すべき内容が的確に纏めて報じられている下の記事★を参照ください。ともかくも、残念なことではありますが、このワン・シーンからも、我が日本の中枢政界と『仁義<JINGI 2>に支配された闇の世界』の“生暖かく爛れた同衾関係”(=連立政権の背後に寄生し、かつそれを支える気味な闇の深淵)が想像させられ不気味な思いがこみ上げてきます。
★秋山脱税疑惑は「突破口」…防衛族議員、戦々恐々 、http://www.zakzak.co.jp/top/2008_05/t2008051510_all.html
(マフィアの概要・・・その歴史と現在)
<マフィアの歴史>
イタリア最大の州であるシチリアの歴史は、ギリシア、カルタゴ、ローマ、ヴァンダル、ビザンツ(東ローマ)、アラブ、ノルマン、神聖ローマ帝国、スペイン、フランス・・・と最高支配権力者の交替の歴史が重層的なものとなっていることは周知のとおりです。そして、このシチリアのマフィアの起源については諸説がありますが、既出書によれば、シチリア支配の公権力(スペイン・ブルボン朝)が弱まった18世紀末頃に発生したのが「農業マフィア」(土地貴族から管理を任された農地管理人(ボス)と農場監視人(その舎弟分)がマフィアの始まり)で、同じく公権力の支配力(今度はフランス革命後で、王政復古時代のフランス・ブルボン朝)が弱体化した19世紀前半に彼らはその勢力を急速に拡大したようです。その後のマフィアの勢力圏は農業分野だけに止まらず、砕石場マフィア、塩業マフィア、鉱山マフィア、漁業マフィア、建築・道路マフィア、環境・ゴミマフィアなど、およそ利権が存在するところにはマフィアのネットワークが拡がってきました。
因みに、冒頭で引用した上掲書などを参照しつつ「農業マフィア」の特徴を列記すると以下のようになります。
●農場監視人(マフィア構成員)は、山賊や家畜泥棒から農地や財産を守る代償として一定額の「上納金」を地主や農民に納めさせたが、やがて、この上納金は都市の商店にも課されるようになる。
●この他にも、マフィアには各種「仲介料」がある・・・盗難仲介料(家畜の盗難などで、盗難物が戻る時に支払わされる)、土地争いの仲介料、借金返済トラブル仲介料、ショバ抗争の仲介料、公的許可証等の発行仲介料など。
●「シチリア人の『名誉ある生き方』=公的機関への訴えを「不名誉」とする価値観」をマフィアが利用してきた・・・特に、19世紀前半のフランス・ブルボン朝時代の役人(司法・警察)の腐敗・劣化と賄賂等の横行が甚だしかったため、シチリアの住民はマフィアのボスの仲介に一定の価値を認める習慣を身に着けてきた。
●土地貴族のマフィア利用・・・一般的な意味での脅迫と暴力のための道具、選挙の組織的な集票マシン(選挙妨害、資金援助、現ナマ・ばら撒き、強請り・脅迫などによる投票強制)ほか。
●マフィアのボスである農地管理人は、少なくとも表向きは犯罪者でなかったが、その本質は「支配階級=権力層」と「被支配階級=非権力層」の中間に位置しつつ、この両者から甘い汁を搾取する「寄生虫的存在」であった。
●マフィアの本質は、社会体制を変更せず、現状維持を図りながら「公権力の弱点」を突いて勢力を伸ばして利益拡大を図るという点にある・・・この意味で、マフィアは「保守権力との親和力」が強い。また、マフィアは庶民感情(=猜疑心、妬み、恨み、依存心(強者への)、恐怖心など)を操る機微をよく心得ている。
<マフィアの現在>
このような歴史を背負った故か、近・現代のイタリアでもマフィア・企業経営者・政治家の三者が組んだ利益追求型の活動が目立っています。つまり、これら三者はお互いに保護と便宜を提供し合う双務関係で結びついている訳です。マフィアと政治家の関係を具体的に見ると、例えばマフィアによる選挙での支持票調達と引き換えに、恩を受けた政治家が司法・検察・警察当局などへ圧力をかけたり、公共事業関係予算の配分に配慮するというような関係を想定することができます。
特に、建設工事・道路工事等の配分にかかわる談合・調整の仕事でマフィアの出番が多いようです。そして、これら三者による双務契約的な関係が履行されなかった時に、マフィアは暴力的な手段(殺人・誘拐・威嚇・脅迫など)を実行に移します。マフィアは、このような活動のネットワークを形成しており、多くの場合、個々の地域のボスは地域社会における名士(企業経営者など)または有力な政治家として衆目の尊敬を集めることになります。
イタリアでマフィアの実像解明が本格的に進んだのは1980年代のパレルモ(シチリア島)におけるファルコーネ判事らの調査活動からですが、これは有力なマフィア側からの密告があったために可能となったようです。1986-87には世界が注目した「マフィア大裁判」が行われ、中央と地方の政治家・経営者とマフィアの関係が暴かれ多くのマフィアが有罪宣告を受けました。しかし、このことはマフィア側からの復讐を呼び、1992年にファルコーネ判事など司法関係者らが暗殺されます。
この一連の騒動と惨劇の結末によって、ようやく近年になってイタリア市民の間にも反マフィア感情が高まるようになります。しかし、その後、マフィアとの繋がりを疑われたキリスト教民主党の実力政治家アンドレオッティ(8年に及ぶ首相経験者)が起訴されたにもかかわらず、彼は1999年に証拠不十分で無罪となっています。また、アンドレオッティが自分とマフィアとの関係を暴いた週刊誌の記者ミーノ・ペケロッリをマフィアに殺させたとされる証拠隠滅目的の殺人教唆事件でも、結局、アンドレオッティは無罪となっています。妖しげな秘密結社やマフィアとの繋がりの噂が絶えないベルルスコーニ政権も含めて、マフィアとイタリア政権(中央及び地方政府)の関係は、今でも、ヴィバルディのチェンバロのような通奏低音を鳴り響かせています。このため、マフィアの問題はイタリア国内に止まらず、EU(欧州連合)が取り上げるべき問題へと変質する兆しがあります(参照、下記記事◆)。
◆ナポリ・ゴミ騒動の影にマフィアの影(エコ・マフィア)?=ナポリの未回収ごみ問題に見るマフィアのごみビジネスの現状、http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2334611/2508658
◆EUの欧州委員会が「ナポリごみ問題」でイタリアを欧州司法裁判所へ提訴、http://www.cnn.co.jp/world/CNN200805110002.html
(マフィアと“日本政界の闇”<JINGI−2>の類縁性)
江戸期以前の「任侠集団の歴史」については省略しますが、明治維新後の日本が近代国家へ向かう動きの一環として見逃せないのが「自由民権運動」です(江戸期以前の「任侠集団の歴史」については、下記記事★を参照乞う)。教科書的説明によれば「自由民権運動」は、藩閥政治に対抗する目的で士族が中心となって行われた民主化運動であり、1874年の「民撰議院設立建白書」が口火となって起こった、とされています。この運動は1889年に「大同団結運動」が分裂することで消滅し、やがて自由党、立憲改進党などの「政党」が成立する時代に入ります。
★2005-04-05付toxandoriaの日記/シリーズ「民主主義のガバナンス」を考える(4/4)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050405
しかし、この「自由民権運動と政党」が成立する過程で「任侠ヤクザ集団」がかなり大きな役割を担っていたと考えられるようになっており、いわゆる「民権博徒的政治結社」の存在が無視できなくなっています。そして、この辺りの事情にこそ、現在の保守本命を自負する「連立与党」と「任侠ヤクザ集団」の類縁性を疑わせる問題のルーツがあるように思われます。今になっても、我が国の「政治結社」や「ある種の政党」には一種独特の胡散臭い妖しげな雰囲気が漂うのは、それ故かも知れません。そして、これは殆ど無意識に近いのですが、我われ日本人の精神構造の奥深いところには、日常の安全な生活を確保するための「寺銭」(テラセン)又は「上納金」としての「政治献金」は、至極当然のことだと受け入れてしまう“ほとんど遺伝的とさえ言えるゴムリ・ゴモットモ型の庶民感覚”が残存しているようです。
いつまで経っても、例えば「防衛利権の闇」のような政治家をめぐる疑獄事件や政治の中枢を舞台とする贈収賄事件が後を絶たない背景には、このような「政党」の発展史上の特殊事情が存在すると考えられます。なお、明治維新期には、このような「任侠ヤクザ集団」との類縁性を窺わせる政党のほかに、立憲帝政党という「政府の御用政党」が創られたこともシッカリ記憶に止める必要があるようです。また、現代ヤクザ(暴力団)のルーツは、国会議員をも兼ねた吉田磯吉(北九州の筑豊炭田を仕切った大親分)だとされており、吉田磯吉の門下から大阪・横浜・神戸・四国などで暴力集団の分派が誕生しています。
更に、神戸の分派の中で大島組を創設した大島秀吉は神戸市議会に介入し、一時期は神戸市政を牛耳ることもあったようです。そして、大島秀吉の子分の一人であった山口春吉が創設したヤクザ組織が、現在、全国にネットワークを張るヤクザ業界で最大規模を誇る山口組です。いずれにせよ、このような近代日本における「任侠集団」の歴史を概観すると、いわゆるヤクザ・任侠集団が、「政治結社」や「ある種の政党」と不可分の関係を維持しながら明治維新以降の「自称・保守本流政治」や各自治体の「地方ボス支配型政治」に深くかかわってきたことが理解できます。
この辺りは、ジュリオ・アンドレオッティ元・イタリア首相の側近を務め、国会議員となったパレルモ出身でマフィアと繋がりがあるサルヴォ・リーマのようなイタリアの政治家を連想させます。後に、サルヴォ・リーマはヨーロッパ議員まで上りつめ、自分の腹心を次々と当選させて、権力基盤を固めたようです。しかし、別件で摘発されたマフィアの大ボスは冷静な計算の下で、絶対にこれら疑わしい政治家の名は口にしません。なぜなら、この<マフィアの沈黙>こそが、イタリア政界の上層部に君臨する大物政治家への最大の威嚇となることを彼らは知っているからです(出典:同、上掲書)。
このように“いささか疑心暗鬼の度が過ぎるとも思われる連想”を積み重ねてくると、特に、ポスト「小泉劇場」から現在までのプロセスで“中央政界を巡る一種独特の妖しげで暗鬱な空気”が流れ続けてきた(大物政治家と各省庁トップを巡る疑獄事件等が次から次へと多発する割には、トカゲのシッポ切りによる「幕引き」が繰り返され、あるいは渦中の政治家らの不可解な自殺・他殺事件等が引き続いた)ことが際立ってきます。また、これは余りにも不自然な流れの連続であり、どのように割り引いて見ても、やはり、それは特異で尋常ならざるプロセスに見えてきます。
これは多分に感覚的な物言いとなるかも知れませんが、我が国でも、日本のファシズム化を狙う得体の知れない「闇」の勢力が、まるでイタリアのマフィアの如く中央政界のみならずメディア界、アカデミズム界、あるいはビジネス界も含む日本社会の隅々のレベルまで浸透し、我々の身辺のいたるところに遍在化しつつあるような雰囲気が、別に言うならば、漆黒の闇の勢力が日本社会の至るところへ浸透し、ユビキタス化しつつあるような不気味な空気が漂い始めています。
このような時にこそ、ナチズム的(あるいスターリニズム的)な「全体主義国家(totalitarian state)」がもたらす「無世界性(worldlessness)」への接近を警戒しつつ「活動的生活(vita activa)」が創造する「世界性(Worldliness)=政教分離の原則に基づく公共空間」の意義(同一の事柄を多様な立場から見る能力は人間世界で公共空間の内部に在り続ける!)を強調したハンナ・アレント(Hannah Arendt/ 1906 - 1975/ドイツ出身、アメリカ合衆国の政治哲学者)の政治学(参照、下記記事▲)を参照しつつ、本物の民主主義国家・日本の「憲法のあり方」、「政党のあり方」、「国会のあり方」、「市民意識のあり方」、「マスメディアのあり方」などを原点(根本)から見直すべきだと思います。なお、『一院制実現目指し自民に議連発足』の報道(参照、下記★)も、このような意味で、つまり<全体主義へ向かう異常な文脈に対する危機感>の中で見据えるべきことだと思われます。しかし、これらの諸問題については、この記事が長くなり過ぎることもあるので、論を改めることとします。
▲2008-05-10付toxandoriaの日記/暴政権力をもて“遊”ぶ小泉前首相らに媚びつつ『大衆の狂気』を煽るマスゴミ、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080510
▲2008-04-05付toxandoriaの日記/【改定版】冷血小泉の狂想が生んだ後期高齢者制度(ナチス・ガス室まがいシステム)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080405
★一院制実現目指し自民に議連発足(自民党の衛藤・元防衛庁長官らが「ねじれ国会」の弊害を解消するため「衆参両院を統合し、1院制の新国民議会を創設する議員連盟」を発足させることが14日に判明した)、http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20080514-360009.html
代わりに、上掲書の中から、マフィアについての記述が残る公文書で最も古いものとされる、1838年にシチリア・トラパニ市のピエトロ・ウッロア検事が司法大臣あてに書いたとされる「報告書の内容」を転記しておきます。おそらく、この記録の内容の殆どが、余りにも現在の日本社会の『尋常ならざる異様な空気』とソックリに似ているので大いに驚かされるはずです。
『多くの村に宗派のような組合や友愛会があり、党(パルテート)と呼ばれておりますが、政治的色彩はなく、集合もせず、ただ一人の頭領への依存関係だけで結ばれております(つまり、“精神的世界における真の移動の自由”が存在しないということ=健全な民主主義に基づく批判力が存在しないということ)。その頭領は地主だったり、司祭長だったりしますが、共有の基金があって、役人を追放したり、擁護したり、被告を保護したり、無実の者に罪を着せるのに用いられます。これは政府の中に小さな政府があるのと同じことです。公権力の不在が犯罪を増やしておりますが、人々は犯罪者とひそかに申し合わせをしております。ですから盗難が起こると、仲介者が出てきて、盗品を取り戻す示談を行います。こうした例は無数にあります。したがって多くの地主は「虐げられる側」(負け組み)よりも、「虐げる側」(勝ち組)に回ろうとして、党に加入するのです。そして多くの政府高官がこれらの党に、捜査を不可能とするような庇護を与えております。・・・・・』(<注> ( )内はtoxandoriaの補筆)
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