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<一筆不乱201> 何かと話題の後期高齢者医療制度。どうせ浅知恵と悪知恵の官僚・政治家が、「民益」はそっちのけで考えついたのに相違ない。「国益」をタテマエにしながら、頭にあるのは「省益」「党益」「私益」だけ。その結果、本誌今週号で特集したように、「民益」につなげなければならない「国益」を「米国益」に結びつける。まったく、いい加減にしろだ。 「私益」にこりかたまった官僚は、自らの出世を第一に考え、上司の指示には絶対服従の姿勢を変えない。その上司は、「省益」(それが自分の利益につながる)のため、政治家の機嫌を損ねないよう腐心する。政治家は永田町での権益を守るため、派閥のボスに従う。権力を握ったボスの“親分”は米国にほかならない。つまり、最終的には、常に米国の懐に一番の“利”が入る構図なのだ。 「優勝劣敗社会では、お年寄りもフリーターも使い物にならず邪魔だ」と言わんばかりの政策を打ち出した小泉元首相。米国に言われるまま新自由主義を持ち込んだ。ブッシュ大統領の覚え目出度いのは当然だ。次の安倍前首相は、新保守主義を掲げながら、現実には米国の顔色ばかりうかがっていた。福田首相も大差ない。どうみても、みんな「売国」的態度である。 民主党もたいしたことはない。「75歳以上のお年寄りを切り捨てるのか」と叫んだところで、迫力は感じられない。とうの昔に悪法であることはわかっていたのだから、「何を今さら」だ。政局に利用しているだけと言われても仕方ないだろう。仮に政権をとったところで、「党益」の永田町、「省益」の霞ヶ関に革命を起こすだけの意志は感じられない。まして、米国とサシで交渉する度胸があるともみえない。 それにしても、ここまで米国の属国化しながら、文部科学省や自民党右派議員が「道徳教育の充実」を主張するのだからお笑いぐさだ。声を大にして言いたい。 「道徳」が大事ならお年寄りを大切にしろ。弱い者を救え。強国(米国)にごまをするな。税金で遊ぶな――。 |
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