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雨宮処凛:怒濤のゴールデン・メーデー・ウィーク!! 出会いと別れとデモと戦争。の巻 = マガジン9条
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/236.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 5 月 16 日 00:19:39: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.magazine9.jp/karin/080514/080514.php

 嗚呼、まだ素晴らしい日々の余韻に浸っている。本当に、本当に、ありがとう。本当に、本当に楽しかった。4月29日から5月5日にかけての怒濤の日々だ。私は1人で勝手にインディーズ系メーデー全国ツアー中。そして5月4、5日は幕張メッセで「9条世界会議」!

 さて、なぜ勝手にインディーズ系メーデーの「全国ツアー」をしていたのか。それは「自由と生存のメーデー」の実行委員の人々との会話がきっかけだ。去年まで、インディーズ系メーデーは福岡や松本など、日本でも数カ所しか開催されていなかった。それが横の繋がりを持ち始め、日本各地で同じような人々が同じようなことに怒って「生きさせろ!」とばかりに立ち上がっていることを知った。これはきっと、全国にもっともっと沢山の「怒れる人々」がいるに違いない。もしどこかでそんな人が立ち上がり、声を上げたら、みんなで押し寄せて勝手に応援に行こう、そう誓っていたのだ。普通の「労働者」というくくりではすくいあげられない人々のための、そこからこぼれ落ちてしまう人々のためのメーデー。で、今年のメーデー準備の段階で、全国各地から「自分の地元で新手のメーデーをする」という声が届き始めた。全国14カ所からだ。これは勝手に応援に行くしかない!

 そう決めた私は全国ツアーを決定。同時に「自由と生存のメーデー」の実行委員会でも「全国キャラバン隊」が結成され、全国のメーデーを回ることとなった。この時点で、みんな誰が誰だかさっぱりわからない。ほとんどの人が会ったこともない人たちで、「自由と生存のメーデー」の存在を知り、連絡をくれた人たちだ。こんな形でプレカリアートは「増殖」し「連結」する。そうして私のまるで「出会い系」のようなツアーが始まった。ちなみになんと、ヨーロッパのプレカリアートメーデーとも連携を取り、イタリア・ミラノとドイツ・ベルリンのメーデーにもこの界隈の人々が「派遣」された。世界レベルの「連結」だ(ちなみに派遣された1人はドイツのデモで混乱に巻き込まれ、数日間行方不明になり、帰国後のメーデー開催自体が危ぶまれていたものの無事帰国)。

 そして4月29日、ツアー初日のメーデーは札幌の「自由と生存の連帯メーデー」!
 大通り公園から午後3時、デモ隊が出発!
 北海道初のサウンドデモだ。参加した人々は地元のパンクスさん、障害を持つ当事者の人々、フリーター、派遣社員、正社員など立場も世代も超えて、一見すると何の集まりだかさっぱりわからないが、声を揃えて叫ぶのは「生きさせろ! 」。繁華街をゆくサウンドデモは札幌の人々を驚かせ、デモ隊の人々は踊り、歌う。デモ後は感動的な「世界メーデーのための札幌宣言」が採択され、その後は遅くまで交流会が開かれたのだった。初めて出会う人々と初めての場所でサウンドデモをし、交流する。なぜか全然初対面の感じがしないのが不思議だ

 そして5月1日は福岡「フリーター/貧民メーデー」!
 昼近くに空港に着くと、数日前東京を出発し、名古屋の「LOVE&ビンボー春祭り」、熊本の「KYメーデー」を回ってきた全国キャラバン「黄金の旅団」メンバーが福岡空港で待ってくれていた(しかも全員着ぐるみで・・・)。フリーターユニオン福岡主催のこのメーデーに参加するのは2回目だ。今回は「グローバル資本企業ドラム攻撃ツアー 雑音デモ行進!」。常々プレカリアート運動の最先端を突っ走ってると思っていた福岡だが、今回も凄かった。とにかく衣装が素晴らしいのだ。マクドナルドのドナルド、おなじみ「武装より女装」のドラァグクイーン、お猿やアヒル、ハムスター、ガイコツなどなどの着ぐるみ、柔道着などなど。そしてみんながマクドナルドやスタバのマークの上から「×」を書いたドラムを持ち、会場の公園まで行進する。手に手に太鼓を鳴らしながら、ピアニカの音楽に乗って。「貧民反乱」「惰民礼讃」の旗、「貧民の貧民による貧民のための政治」というプラカード、大きな猫パペット。そして公園で太鼓のリズムに合わせてみんなで叫ぶ。「フリーター万歳! ニート万歳! ヒキコモリ万歳! 非国民上等! 不安定上等! 面接やめろ! こき使うな! お前がお茶汲め! お前が掃除しろ! 時給を上げろ! 無限に上げろ! 路上解放! 路上で踊れ! 」。コールに合わせてみんなが踊り出す。そうしてとうとうデモに出発! と、公園から出ようとしたところで、物陰から100人くらいの警官が飛び出してきて、いきなり包囲された。で、公園から出してくれないのだ! なんで? ヘンなカッコしてるから? つか、それって言論・表現の自由への思いっきりな介入じゃん! メーデーだぞ! 叫んで、訴えて何が悪い!

 公園出口で抗議するも、「道交法違反をするおそれがある」っていうフザけた理由で一向に埒があかない。「道交法違反をするおそれがある」って理由でデモ弾圧って、福岡県警には日本国憲法が通用しないのか?
 こういう「自由」に介入する動きに屈すると、トンデモなく息苦しい世の中になるに決まってる。
 福岡デモが弾圧された翌日には、岐阜に移動。「自由で気ままなメーデー」。地元の若者たちが集まり、鍋をつつきながらまったりと語る楽しいメーデーだった。岐阜青年ユニオンや「GHA(岐阜変態アソシエーション)」メンバーも参加し、それぞれの仕事の話をしては「それってカニコーじゃん! 」と突っ込み合う。ちなみに「それってカニコー」は、「それはまるで蟹工船のような奴隷労働ですね」というような意味だ。流行らそう。

 さて、その翌日、3日は昼に岐阜で講演を終えた後、新幹線で東京に移動。デモ出発ギリギリに大久保区民センターに到着すると、目の前には巨大パペット、旗、のぼり、プラカード、そしてもう最後まで見えないほどの人の山、山、山。デモ前の集会には550人以上が集まって、会場に入り切れなかったと誰かが興奮気味に伝えてくれる。なんだかみんな異様にテンションが高く、私が「よこせ! よこせ! 」と叫び出すと、全員が一斉に声を張り上げる。そうして午後6時、デモ出発!

 一台目のサウンドカーではみんな踊り狂い、2台目の車の後ろで私たちが叫び続ける。ずっと立ち上がれなかった、声をあげることもできなかった、時には「自己責任」と自分を責め、自分を傷つけてきたかもしれない人々が、今、新宿の街を大群になって踊り、喚き、叫ぶ。やたらと反応のいい街頭の人々。出発から2時間後、550人だったデモ隊は、なんと1000人になっていた。解散場所はアルタ前!40年ぶりのアルタ前解散!

 ああ、あの感動をとても言葉では伝えられない。だけど確かにあの日、私たちはあの場所で、「自由と生存」を完全に自分たちのものにしていた。「自由」と「生存」を引き換えにすることなく。この日のデモの模様はこちら - http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/0503.wmv/view とこちら - http://tv.g8medianetwork.org/?q=node/116%E3%81%A8http://tv.g8medianetwork.org/?q=node/107 で。公式サイト - http://freeter-union.org/mayday/ にもいろいろ写真とかがあります。

 ああ、もう書くスペースがなくなってしまったので「9条世界会議」は次回に書こう。ただ、言っておくと、イラク帰還兵の人と話して、「貧困」と「戦争」の関連をつくづく感じさせられた。イラク戦争に行った現在26歳の彼は言った。「一番の徴兵制は貧困だ」と。だからこそ私たちは、「自由と生存のメーデー」でも「反戦」を大きく掲げた。

 さて、そんなメーデーツアーだが、実はまだ終わっていない。5月17、18日には大阪、長居公園にて「大輪祭り - http://binbomayday.hp.infoseek.co.jp/ 」が開催される。私も18日の「P8」に行く予定だ。17日の夜から行ってみんなと交流したいと思っている。どこかで会おう!
 


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