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http://www.asahi.com/politics/update/0515/TKY200805150082.html
2008年05月15日15時05分
政府は、スーダン南部に展開中の国連平和維持活動(PKO)への自衛隊要員の派遣の可否を探るため、6月にも現地調査団を派遣する方向で調整を始めた。20年以上続いた内戦の終結後、南部は治安が比較的安定。受け入れ国の同意など「PKO参加5原則」を満たしていることを確認後、具体的な計画の検討に入る。
複数の政府関係者が明らかにした。13日の官房長官、外相、防衛相の3閣僚会合で方向性を確認したという。
これまでスーダンPKOについては、外務省が参加に前向きな一方、防衛省内では治安への懸念などから慎重論が強かった。政府内の調整の結果、アフリカ問題も主な議題とする7月の北海道洞爺湖サミットを前に、平和構築に直接関与する姿勢を示す必要があるとして、防衛省も調査団派遣を容認した。
PKOには、米国、英国、中国、ロシア、韓国などを含む計約1万人が展開中。政府内には、中国がアフリカで存在感を増しつつあり、日本も後れをとるべきではないとの意見もある。
関係者によると、調査団には外務、防衛両省や陸上自衛隊、内閣府国際平和協力本部事務局から20人程度が参加する方向。6月初旬にも、首都ハルツームにある国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部と、南部の中心都市ジュバの現地本部や他国の部隊の状況などを視察する。
ただ、政府内には「アフリカに部隊を出すのは難しい」(高官)との指摘もあり、自衛隊の派遣の可否や時期、規模は、調査団の報告を受けて慎重に判断する。外務省内では、20人前後の司令部要員に続き、陸自部隊を数百人派遣する案も検討されているが、政府関係者は「司令部要員だけを出すのと施設部隊を出すのでは全く意味合いが違う。今回の調査団はそのいずれも前提にしていない」と説明する。
スーダン問題担当の国連事務総長特別代表でUNMISのカジ代表は7日、オスロで中山泰秀外務政務官と会談し、「自衛隊派遣を強く要請したい」と述べた。南北統一内閣で第1副大統領を務めるキール南部大統領も9日、ジュバ市内での中山氏との会談で「自衛隊がUNMISに参加するのであれば歓迎したい」と語った。
スーダンでは83年、アラブ人主体の政府が全土にイスラム法を導入しようとしたことをきっかけに、キリスト教徒主体の南部との間で内戦となり、05年1月の南北和平合意(CPA)まで続いた。西部ダルフール地方は現在も不安定な状況が続くが、南部は比較的落ち着いている。UNMISは和平合意を受け、05年3月、国連安保理決議に基づいて設立された。今年3月末現在で、部隊要員8714人、文民警察664人、停戦監視要員574人が参加している。
日本は92年のPKO協力法成立後、約10のPKOに要員を派遣。現在、中東・ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に45人、国連ネパール支援団(UNMIN)に6人の自衛官を派遣している。(南島信也)
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