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(回答先: 卍=インドの仏のマーク→ナチスのハーケンクロイツになった過程・意味を教えて下さ... 投稿者 新世紀人 日時 2008 年 5 月 13 日 14:33:37)
【質問】
〔ナチスの〕ハーケンクロイツはチベットの卍から取ったんじゃないの?
南極とチベットと富士山は地球のチャクラだよ.
【回答】
「チベットの卍」っていうけどさあ,その「卍」はインド起源だし,卍自体は世界中にある(ネイティヴ・アメリカンにもある).
で,ナチスのハーケンクロイツは北欧起源だよ.チベットは関係ない.
もともと北欧の雷神のシンボルで,ルーン文字にもある.
北欧各地の貴族の紋章にもなっていたし,第一次世界大戦後にはラトヴィアやフィンランドの空軍がシンボルにしていた.
で,19世紀末〜20世紀はじめにヨーロッパではやっていた「ゲルマン民族北欧起源論」というオカルト人種論と,「スワスティカはセム民族文化にだけ存在しない」という噂(実際は嘘で,メソポタミアの遺物とかたくさんある)の影響で,ゲルマン優越主義・反ユダヤ主義団体が紋章に使った.
イェルク・ランツが1907年に結成した新聖堂騎士団で,紋章に採用されたのが一番早いケースだろう.
同じ頃,グィド・リストが『ルーン文字の秘密』(1908)で,スワスティカをゲルマン民族のシンボルと論じている.
ランツもリストもインドやチベットとは全然関係がない.
こいつらが1912年にゲルマン騎士団を結成し,さらにゼボッテンドルフが加わって1918年トゥーレ協会ができる.
当然その紋章はスワスティカだった.
そのトゥーレ協会の会員の中に,ナチ党の前身であるドイツ労働者党を結成したアントン・ドレクスラーがいた.
ルドルフ・ヘス,アルフレート・ローゼンベルク,ディートリヒ・エッカート,ハンス・フランクなどの,後のナチ党の主要人物たちも,その会員だった.
そのため,1920年に国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)ができると,フリードリヒ・クローンの発案でスワスティカが正式に党の紋章になったのだ.
オカルト本によくあるナチスとチベットを結びつける話は,大半が根拠がない(ソースがいっさい明示されていない).
ハウスホッファーはチベットになど行ったことはない(遺族が否定している).
彼が入会したという日本のチベット密教団体「緑龍会」なんてものは存在しない.
ハウスホッファーがチベットでグルジェフに会ったなんてことも当然ない.
グルジェフがチベットへ行ったりドルジエフに化けたり,なんてのもホラ話.
実際グルジェフの思想にチベットの影響なんか全然ない.
戦時中のベルリンにチベット人などいないし(当時のベルリン市外国人登録簿から明らか),そのリーダーだったという緑色手袋のラマなんてのも嘘.
第一,チベット仏教で緑色手袋が何か意味を持つなんて聞いたことない.
ベルリン陥落時のチベット人兵士の死体なんて,ポーウェルとベルジエの『魔術師の朝』(1960)にはじめて出てくる話で,こいつらがどこから拾ってきた話かいまだにわからない(間違いなく作り話).
だいたい,『魔術師の朝』の長い序文で,著者自身が
「この本では,伝説(噂),事実,憶測,実際の見聞をないまぜにしている」
と書いてるんだから,その内容を鵜呑みにするなんて馬鹿げてる.
ところが日本版『神秘学大全』は,この序文をばっさりカット(笑).
だからまんまと騙された読者が多かった.
http://mltr.ganriki.net/faq18m02.html
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