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2008.5.12(その1)
森田実の言わねばならぬ【322】
平和・自立・調和の日本をつくるために[317]
未来志向の日中新時代を評価する――福田首相と胡錦濤中国国家主席と日中両国関係者および警備にあたった警察側の日中友好のための真面目な努力に敬意を表する
「たのしみは国内家内の事もなく無病息災しづかなる時」(橘曙覧)
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今回の日中首脳会談と日中交流は大きな成果を上げたと思う。私は前向きに評価したい。福田首相はよくやったと思う。
胡錦濤中国国家主席は、この4日間 、日中友好のために真剣に努力されたと思う。深い敬意を表したい。 胡錦濤主席は、5月10日、離日に際し「訪日は円満に成功した」と語った。無事に終わったことを喜びたい。
本当に「円満」が一番よい。胡錦濤主席の来日前には、チベット問題、毒入り餃子問題、東シナ海開発問題、地球温暖化問題など日中間にはトゲトゲしい問題がいくつもあった。これらの問題がすべてすっきり解決したわけではない。多くの問題が先送りされた。この点、日本側にはいくつかの不満が残った。だが、このマイナスを上回るプラスがあった。
マイナスを十分カバーするだけのプラスを日中両国の未来に残したと私は思う。
第一は、平和友好の空気を強めたこと。この点で福田首相と胡錦濤主席はよくやったと私は思う。小泉元首相の喧嘩腰の対応や安倍前首相の幼稚な右翼的対応をとることなく、落ち着いたオトナの対応をしたことを高く評価する。平和・友好が一番大事である。
第二に、青少年の交流を強める方向を示したこと。日中両国の未来にわたる平和・友好のためには、青少年間の交流は不可欠である。
第三に、科学技術協力を強めることにしたこと。中国がわが国の環境技術を生かしてくれれば地球環境に多大なプラスの影響を及ぼす。わが国の環境産業にとってもよい。
第四に、胡錦濤主席の洞爺湖サミット招聘に成功したこと。中国を地球温暖化防止の枠組みに入らせたことは福田外交の大きな成果といえよう。
第五に、東シナ海開発問題について合意したこと。
第六に、文化交流を重視したこと。胡錦濤主席が日本訪問の最後に奈良の法隆寺と唐招提寺を訪ねてくれたことは本当によかったと思う。二つとも日中交流の原点である。
法隆寺を興した聖徳太子は、自ら起草した十七条憲法の第一条に「和を以て貴しと為す」と記した。この「和」はすべての意味を含んでいる。日本国内の和だけではなく、日本と外国との和であり、日本文化と外国文化の和でもある。宗教対宗教の和でもある。
唐招提寺を興した鑑真は中国仏教のみならず学問、文化、医学、薬学を日本に伝えた日中交流の先駆者であり、最大の功労者である。中国で仏戒の師として高い尊敬を受けていた高僧だった。この高僧の鑑真は日本の要請を受けて来日してくれたのだ。
鑑真は「東遊」(日本行き)を躊躇(ためらって)いる弟子に向かってこう言った――「日本への渡航は仏法を伝えるためである。どんな危険が待ちうけようとも身命を惜しむべきではない。君たちが行かないのなら私が行こう」。
鑑真は漂流、海難などさまざまな辛苦をなめながら初志を貫いて来日し、唐招提寺を建立した。鑑真は5回目の来日渡航の時に、海南島に漂着した。私は、鑑真が流れ着いた海南島の最南端の海岸を訪ねたことがある。しばらくその海岸に立って鑑真の偉大さを思った。鑑真の来日こそ日中交流の原点である。
今回、胡錦濤主席が法隆寺と唐招提寺を参拝し、日中両国の歴史的に深い結びつきを両国民に思い起こさせてくれた意義は非常に大きい。日中両国民の心からの友好・交流という意味で、私は、今回の胡錦濤中国国家主席の日本訪問はよかったと心底から思っている。
われわれ日本人は、中国との関係を真面目に真剣に考えるべきだと思う。胡錦濤主席の来日を〈パンダ・ピンポン・古都めぐり〉と茶化すようなテレビ・キャスターの発言を耳にしたが、悪ふざけは慎むべきだと思う。日中両国は仲良く共生しなければならないのである。真面目になろう!!
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