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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=475
日本を含む58カ国は、2008年2月2日(現地時間)付けで、世界規模で死刑の執行停止を求める決議について反対の姿勢を示すための口上書(注1)を国連事務総長に提出した。 同決議は、2007年12月18日(現地時間)に国連総会で採択されたものである。4月中旬、本口上書が国連加盟国及び経済社会理事会との協議資格を持つNGOに公開された。本口上書の共同提出国58カ国の中にはアフガニスタン、中国、朝鮮民主主義人民共和国、イラン、イラク、ミャンマー(ビルマ)、パキスタン、スーダンなどの国ぐに(注2)も含まれており、これまで人権状況につき国際的に非難されている国ぐにが含まれている。 口上書では、「現行国際法の規定に反して死刑の適用の一時停止や廃止を導入する試みに、一貫して反対する」としており、国連総会決議を真っ向から否定しようとするものである。また「死刑は廃止されるべきであるという国際的なコンセンサスは存在しない」とも主張し、歴史的な意義を持つ国連総会決議に対し、極めて挑戦的な姿勢を示している。 口上書は特に、市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条(注3)を援用し、「最も重大な犯罪について」死刑を科することが出来ると主張している。しかし、同条6項は「この条約のいかなる規定も、この規約の締約国により死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために援用されてはならない」と規定している。口上書を提出し、死刑廃止の潮流に挑戦することは、この規定の趣旨に明らかに反しており、国際基準をないがしろにしているといえる。 さらに死刑については「死刑はまずもって刑事司法制度の問題であり、最も重大な犯罪に対する重要な抑止力である」として死刑を正当化している。しかし死刑に固有の犯罪抑止効果があるという証明は、近年の国連からの委託による調査によっても確認されていない。 国際社会では死刑廃止に向けた国際的な潮流が力強くなっている。アムネスティ・インターナショナルはそれに逆行しようとする国ぐにに対し、国連総会決議を真摯に受け止め誠実な対応を期待する。 以上 注1:口上書とは外交上、相手国に対し一定の意向を伝える外交文書であり、法的拘束力を持つ文書ではないが、その政治的意味は極めて大きい。 注2:提出国は以下58カ国。アフガニスタン・イスラム共和国、アンティグア・バーブーダ、バハマ国、バーレーン王国、バングラデシュ人民共和国、バルバドス、ボツワナ共和国、ブルネイ・ダルサラーム国、中央アフリカ共和国、中華人民共和国、コモロ連合、朝鮮民主主義人民共和国、ドミニカ国、エジプト・アラブ共和国、赤道ギニア共和国、エリトリア国、エチオピア国、フィジー諸島共和国、グレナダ、ギニア共和国、ガイアナ共和国、インドネシア共和国、イラン・イスラム共和国、イラク共和国、ジャマイカ、日本国、ヨルダン・ハシェミット王国、クウェート国、ラオス人民民主共和国、リビア・アラブ・ジャマーヒリーヤ国、マレーシア、モルディブ共和国、モーリタニア・イスラム共和国、モンゴル国、ミャンマー連邦、ナイジェリア連邦共和国、オマーン国、パキスタン・イスラム共和国、パプアニューギニア独立国、カタール国、セントクリストファー・ネーヴィス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、サウジアラビア王国、シンガポール共和国、ソロモン諸島、ソマリア民主共和国、スーダン共和国、スリナム共和国、スワジランド王国、シリア・アラブ共和国、タイ王国、トンガ王国、トリニダード・トバゴ共和国、ウガンダ共和国、アラブ首長国連邦、イエメン共和国、ジンバブエ共和国 注3: 全文は下記ページで参照可能 -------------------- |
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