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社説
原子力空母配備
2008/05/09
重い「住民投票」への願い
八月に予定されている米原子力空母の横須賀基地配備をめぐり、反対する市民団体がその是非を問う住民投票を望んでいる。そのための条例の制定を蒲谷亮一横須賀市長に求めた。昨年に続く二度目の試みになる。
市議会が近く制定の可否を検討するわけだが、前回のように「外交防衛問題は住民投票のテーマになじまない」と、国の安全保障のあり方を理由に簡単に請求を退けていいものかどうか。
市議会は、署名が前回より大幅に増えたことを重く受け止める必要がある。多くなった署名には空母の安全性に対する住民の不安が込められている気がするからだ。少なくとも、その点を十分踏まえた議論を期待したい。
市民団体が提出した署名は、条例の導入を求めるのに必要な約七倍に当たる四万九千人近くになった。これは前回得た署名数より一万人余り増えた。一度は市議会で否決された請求が、勢いを増す形で再提出された意味は大きい。
安全性に関する情報の公開と説明は十分尽くされたのか。そもそも配備を許していいのか。住民投票が実施されれば、市民のおおかたの実感が示されよう。
ただ条例は、有権者の五十分の一という法律で定められた署名を集めた上で、議会で請求が認められなければ導入できない。市民団体にすれば、市議会での議論が請求の成否の鍵を握るわけだ。
前に請求がなされた時の議論は、空母の配備という外交防衛分野の問題を住民投票に持ち込むことの当否が主に争われた。背景には、蒲谷市長が意見書で「配備は国が判断すべきものであり、市が最終的な決定権を持たない問題は住民投票になじまない」などと記したことがある。
国の専管事項とされる問題に地方議会がどう投票結果の実効性を持たせられるか。議論では、蒲谷市長が強調した「そもそも論」が優勢となり、市民団体の請求は反対多数で退けられた。
その後の市議会の構成に大きな変化がみられないことから、今回もこうした安全保障のあり方と絡められて請求の可否が論じられるようだと、やりとりに広がりが出てこなくなる可能性がある。既に「否決ありき」をうかがわせる意見が聞かれもする。しかし、それでは、署名数が前回を上回る形で条例制定が請求し直された意味が薄れるというものだ。
先の議論ではまた、条例導入を認めた場合に想定される国からの締め付けを懸念し、市政に悪影響を及ぼさないかとの意見もあった。これも現実論に傾くあまり、住民の気持ちを置き去りにした主張に思える。もっと地方の意思を示していいのではないか。
基地を抱えるがゆえの住民の不安。地方議会として、この現実に向き合う姿を見せてほしい。
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