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2008年05月08日
胡錦涛主席の訪日を日中歴史上の大きな転換としたい
これから書くことは私の希望である。外交に多少なりともかかわった者として、ある程度の知見と情報に基づいて書いている。
しかしそれ以上のものではない。あくまでも感想である。それも私の希望的な感想だ。
胡錦涛主席がどうだとか、福田首相がどうだとか言うものではない。中国が好きだとか嫌いだとか、そんな話ではない。ましてやギョーザ問題やチベット問題や東シナ海油田問題などで何の具体的な進展がなかった、などという個別案件的なものではない。
日本は開国して脱亜入欧をはかり、植民地戦争に突入してアジアを植民地化した。その日本が、太平洋戦争に突入し、破れ、米国の占領国となった。
そして戦後は一転して対米従属となり、今日に至るまで戦後62年間、自主、自立外交を失ったまま日本という国を米国に完全に喪失させられてしまった。その結果としての今日の国民の困窮である。
そういう近・現代史の流れを冷静に振り返った時、日中関係を正しいものにしていく事こそ、おそらくはこれからの日本の最大かつ喫緊の外交課題に違いない。
繰り返して言う。好きとか嫌いとかいう話ではない。世界の多くの国、とりわけ開発途上国の歓迎する形で、日中友好関係は構築されなければならない。
それを阻む勢力こそ米国なのだ。だからこそ常に米国は離反政策を画策してきた。
その事を中国も知っている。中国は米国との関係を重視する。しかし決して米国に心を許してはいない。中国こそ、日本の対米自立を誰よりも望んでいるのだ。平和国家日本との互恵関係を望んでいるのだ。
米国に命じられるままに作為的に日本を米国に差し出そうとする者たちや、その手先となって走り回る者たちも、過去から未来に貫かれる悠久の歴史に思いをはせ、自らの考えを改めるべき時である。
外交とは無縁の一般国民であっても、そろそろ気づくべきである。日本と中国がともに力をあわせることが出来れば、それは間違いなくお互いの未来にとってよいことであるということを。
今回の胡錦涛主席の訪日をめぐる報道の中で、私は特に次の二点に注目した。
一つは日中共同声明第4項で、「双方は互いに脅威とならないことを確認した」という文言がある事だ。
今までに出された共同宣言の中でも、あるいはこの言葉は使われていたかもしれない。しかし中国が着実に近代化を進め、世界経済に大きな影響力を持つようになりつつある今日ほど、この声明が重要な意味を持つことはない。
日本と中国がお互いを軍事的脅威ではなく、平和的友好国であると世界に声明したのだ。
この声明が偽りでなければ、日本の安全保障政策は対米従属から、自主、自立の平和外交へ発展していかなければならない。
二つ目は、個人の身勝手な言動で日中関係をぶち壊した小泉元首相が、宮中晩餐会ほかのすべての歓迎行事に、歴代の首相のなかでただ一人、出席できなかったという報道である。
呼ばれなかったのか、自ら辞退したのか、新聞では不明である。おそらく辞退したのだろう。しゃらくさいと思ったのだろう。
歴史の大きな流れに、あだ花であった卑小な政治家小泉純一郎が弾き飛ばされたのである。私は彼が政治の場に再び登場する事はないとかねてから思って来たが、この欠席によってそれが確信となった。
繰りかえしていう。これは私の勝手な感想だ。しかも希望的な感想だ。しかし日中友好関係の圧倒的な重要性の前に、ここ数日間、あらゆる反中的な言説が見事にかき消されてしまった。
具体的成果の何もない訪日であったかかもしれない。成果はパンだの貸与だけだと嘲笑する報道者もいた。
しかし、そんな言説など一蹴する重みが今回の胡錦涛主席訪日にあった。日中友好関係、その事がすべてを凌駕したのだ。
それは胡錦涛主席がえらいわけでも福田首相がえらいわけでも、外務省が偉いわけでも、親中国国会議員がえらいわけでもない。
悠久の日中関係と両国民がそれを求めているのである。
日中友好関係がゆるぎないものになった時、ギョーザ問題も東シナ海問題も、チベット問題も、そして歴史問題さえも、すべてが解決する。私はそう思って今回の訪中を眺めていた。
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