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2008年05月07日
雑誌ジャーナリズムから学ぶ
以前このブログでも触れた事があるが、月刊誌に「紙の爆弾」(鹿砦社)というのがある。
一言でこの雑誌を説明すると、かの「噂の真相」が廃刊された後を継ぐべく、反権力を標榜するスキャンダル誌を目指して三年前に発刊された月刊誌、ということになる。
その最新号(6月号)に、元週刊現代、フライデーの編集長として権力批判の紙面づくりを貫いた元木昌彦氏が、「雑誌ジャーナリズムの原点」というタイトルで、次のような寄稿を書いていた。
元木氏は私が好感を持って見ている数少ないジャーナリストの一人である。
「ここ数年、雑誌ジャーナリズムを萎縮させる出来事が続いている。個人情報保護法成立がその最たるもので・・・出版はメディアではないといわんばかりの露骨な「雑誌規制」が盛り込まれた・・・
権力側は、記者クラブに縛られず、法律で規制することも出来ない雑誌に対して、着々と牙を研いできたのだ。
名誉毀損裁判の賠償額の高額化もその一つである(が)、個人情報保護法によって、出版社の発行する雑誌や、そこを舞台に権力批判するライターたちに網を掛け、取材活動を制限し、この法律を盾に、権力者側による出版差止めを容易にさせてしまった・・・
雑誌はタブーに挑戦すると公言していた時代があったが・・・今ではタブーはなくなるどころか、メディア側の自主規制によって、ますます多くなっている・・・鶴タブーといわれた創価学会批判も細々となり、電通タブーは、景気が悪化する中でますます大きくなっている。
そんな中で、「紙の爆弾」に期待するところ大である・・・もし「紙の爆弾」が休刊してしまえば、多くのタブーは、その存在さえも国民の目から隠され、国民のチェックを受けないまま肥大化してしまうであろう・・・
「紙の爆弾」には、雑誌ジャーナリズムの原点を忘れず、権力と対峙するために、ペンの力をさらに磨いてほしい、と思う・・・」
大変なほめようである。
しかし、私も元木氏の意見に同感である。
私は毎日大手新聞を購読してきたが、そこには決して見つけることの出来ない興味ある情報を、マイナーな雑誌の中に見つける事がある。
やがてその情報が大手メディアの報ずるところとなり、世の中を動かす事もある。
「紙の爆弾」のようなスキャンダル雑誌は、その記事のすべてを評価できなくてもよい。その中に、大手メディアでは決してかかれる事のない情報を見つける事ができれば、それだけで価値があるのだ。
たとえば「紙の爆弾」が執拗に追い続けるテーマにパチンコ業界と警察OBの天下り癒着がある。私は、かつて官僚として同じ釜の飯を食った経験から、この癒着の実態を知っている。だから「紙の爆弾」の記事の凄さがわかる。
およそ天下りはどの官庁のそれも醜悪なのであるが、警察官僚の天下りは、国家権力の悪用と直結しているだけに最も醜悪である。
それを正面から追及したばかりに、鹿砦社の松岡利康社長は名誉毀損で逮捕され、懲役1年2ヶ月、執行猶予4年の刑を受けた。
マスコミ人が名誉毀損で逮捕され、192日間も拘留されるなどということは前代未聞であるのに、大手マスコミは、松岡社長が「暴露本」出版社の社長であるといわんばかりに、松岡社長逮捕を無視した。だから、この事件は世の中に広く知られることはない。
雑誌ジャーナリズムに、「頑張れ」と言うのは簡単である。しかし彼らは採算が取れるかどうかのぎりぎりのところで、体を張って書いている。
「朝すばっ!」の司会者であるみのもんたの一日のギャラが800万円であると、芸能レポーターの梨本勝が話している。
そういう人間に反権力の報道ができるのか。そこに群がる解説者たちが弱者の立場に身を置く事が出来るのか。
雑誌ジャーナリズムが認知され、収入源を増やし、マスコミ志望の若い編集者、記者が高給をもってそこに集まるようになる時こそ、この国のジャーナリズムが復権する時だと、私は思う。
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