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http://www.amakiblog.com/archives/2008/04/30/#000852
2008年04月30日
普天間基地は不要であると言う米国ジャーナリスト
連休中のネタ枯れのなかで、週間東洋経済5月3・10日号に注目すべき記事があった。
ピーター・エニスというニューヨーク在住の週間東洋経済誌特約ジャーナリストが、行き詰まっている沖縄の米軍基地問題について、現状打開の提案をしているのだ。
「日米関係は重大な問題を抱えている。日本における米軍基地を将来どうするか、という問題である。とりわけ、在日米軍の大半が駐留する沖縄の基地をどうするのか・・・」
こういう文章で始まるエニス氏の記事は、結論から言えば在日米軍を存続させるための提案である。
すなわち、在日米軍を青森県の三沢基地、神奈川県の横須賀基地、そして沖縄県の嘉手納基地の三箇所に集約・再編し、沖縄の海兵隊は縮小する。
そして、最終的には米軍基地と自衛隊基地を統合・共有化し、日本の主権を尊重し、反米感情を抑えるために、基地には両国の国旗を掲げるが、星条旗を日章旗の下に掲げる、というものである。
日米軍事同盟に反対し、在日米軍の縮小・撤退を主張する私にとっては、このような考えはまったく受け入れられないものである。それよりも、米国政府がこのような考えを現時点で受け入れる事はない。
だからこのエニス氏の提案は私にとっては興味のない提案である。
しかし、この提案の背景にあるエニス氏の次のような指摘に、私は注目した。一人でも多くの国民にそれを知ってもらいたい。そう思ってこのブログを書いている。
エニス氏は沖縄問題に関しては三つのねじれが問題を複雑にしているという。
ねじれの一つは日本政府や国民(東京)が沖縄の思いをまったく無視しているという東京ー沖縄間のねじれである。
日本はもっと沖縄の住民の気持ちを尊重すべきであると、米国人が言っているのである。
もちろんその背景には、米軍基地を存続させるには沖縄の反米感情をこれ以上高めるような政策を日本政府は取るべきではないと言っているのだ。
二つ目のねじれは、米国政府と日本政府との間のねじれである。
そもそも米国は沖縄の基地を手放す気は当初からなかった。確かに72年には沖縄施政は日本に変換された。
しかし、米国は、その時も今も、基地の削減や返還について、日本側と真剣に話し合おうとした事は一度もなかった。
その米国の考えを知ってか知らず課、いたずらに米軍基地撤退の期待を日本政府が沖縄県民や日本国民に持たせることが、問題をこじらせた原因だと言っているのだ。
三つ目のねじれは、米海兵隊と米空軍との間の対立というねじれである。
すなわち、もはや沖縄には今あるような大規模な海兵隊は戦略的に不要であるにもかかわらず、海兵隊は日本から受けている巨額の「思いやり予算」を手放したくないために駐留を続けている。
その米海兵隊と米空軍は対立関係にある。だから基地の合理化は米国に任せていては進まない。 日本のほうから基地の整理・統合化のイニシアテブをとるべきであるにもかかわらず、日本側からは何の動きもない。米側の言う事を聞いているだけでは物事は建設的に進まない、という指摘である。
米国人ジャーナリストに週間誌上でここまで言われているのである。
日本政府の安全保障政策とは一体何なのか。その日本政府の言われるままに、黙って米軍基地を抱え込む大多数の日本国民はいい面の皮である。
その事を知らせてくれたエニス氏の記事であった。
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