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先週に引き続き、最近の裁判について考えたい。先週は、光市母子殺害事件について死刑判決が出たので、メディアの関心はそちらに集中した。しかし、もう1つ重大な判決が出た。この事件の弁護を務めた安田好弘弁護士が強制執行妨害で起訴された事件について、二審の東京高裁が一審の無罪判決を覆し、罰金刑を言い渡した。この判決も、裁判の独立を疑わせるように思える。 この事件については、魚住昭氏が詳細に調査し、検察がいかに恣意的な起訴を行ったか、明らかにしている。そして、一審判決は、検察の主張を全面的に退けた。これに対して、東京高裁の判決は、有罪によって検察の主張を入れつつ、罰金刑を取ることによって安田弁護士に実害が及ばないようになっている。安田氏の弁護士資格は保たれ、勾留日数を換算することで罰金も払わなくてもよい。まさに政治的判決である。 一体裁判官は何を考えて判決を出しているのだろう。特に、先日のイラク派兵に関する名古屋高裁判決を除き、高裁レベルでの権力迎合的な判決が目立つ。権力に逆らわないという行動を取っていれば、そのうちに裁判自体が国民の信頼を失うだろう。 メディアの取り扱いにも不満が残る。『東京新聞』では解説付きの報道があったが、他紙はおしなべて小さな扱いであった。 裁判官もメディアも、権力に対する監視機能という特権を与えられていることを自覚してもらいたい。(東京新聞4月28日) |
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