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http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/04/post_62.html
「投資銀行」がもてはやされる時代は終わった?
今、何が起きているのか?
4月に入ってマーケットは徐々に陽転し、ようやく春がやってきたと語られる。そんな中、私たち日本の個人投資家に対して、再び国内外から甘い声が次々にかかってくる。
しかし、前回のこのコラムでも書いたとおり、「状況は全く何も変わっていない」のである。いや、もっとはっきり言おう。「状況はよりひどくなっている」のである。
もっとも、このコラムでも何度か書いているとおり、「下げは上げのため、上げは下げのためにある」というのがマーケットの鉄則だということも忘れてはならないだろう。
2つのリスクの間には、かならず小康状態のひと時が訪れる。そこで生じた暖かさに、ついまどろんでしまうと、目覚めた時、再び火の海の中にいる自分に気づくのである。そうならないためには、「今、何が起きているのか」について絶えず考えをめぐらせ続けること。これしか方法はない。
ただし、このように考え続けるからといって、やれ「米国経済は崩壊する」とか、「米国の覇権が終わり、中国の時代が来る。だから人民元や金(ゴールド)に乗り換えろ」などと扇動するのは全くの誤りだ。私の知る限り、遅くとも3年ほど前より、米国を統治している本当の閥族集団たちは、来るべき「米ドルの低落」に備えて、次の手を打ってきているからである。その鍵となるのが「知的財産権による覇権」なのであるが、このことについて日本で語られることはほとんどない。
その代わり、日本にいるのは上記のようなプロパガンダを流す“専門家”たちばかりなのであって、このままいくと日本の個人投資家たちは、まんまとシナリオどおりの奈落へと落ちかねないのである(「憂国論」を大声で叫びつつ、どういうわけかプロから見ると不可思議で仕方のない個別具体的な金融商品を奨める手合いが、こうしたシナリオを吹聴している)。
むしろ、日本の個人投資家たちが目を向けるべきなのは、歴史的な金融危機という騒然とした状況においてもなお、次のフェーズにおける「勝ち組」を果敢に目指す、欧米勢の姿なのである。「今、何が起きているのか」を仔細に考えると、必ずその姿にたどり着くことだろう。
「ウルトラ・バンク」を目指すドイツ勢
この関連で最近、非常に気になるニュースがあった。ドイツにおいて、顧客数4000万人(!)を抱える大銀行の設立が企図されているというのである(3月30日付「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥング」紙)。ドイツでは銀行セクターで業界第2位、第3位のドレスナー銀行とコメルツ銀行、そして日本でいえば“ゆうちょ銀行”にあたるポスト銀行が合併する可能性があるのだという。戦艦にたとえればまさに“戦艦大和”、メガ・バンクを越えるウルトラ・バンクの誕生である。
しかも、興味深いのはポスト銀行という、民営化されたものの公的色彩が依然として強い銀行が、こうした再編劇の渦中に置かれているということである。ちなみにポスト銀行は、ドイツ・ポストの傘下にある。そしてドイツ・ポストはというと、実質的にドイツ政府の支配下に置かれているのだ。そうである以上、このウルトラ・バンクは何かとドイツ政府から強い影響力を受ける銀行ということになる。
それではなぜ、ドイツ勢はここまでして銀行再編を国家として行おうとしているのだろうか?その答えは「今、起きていること」と大いに関係がある。
「今、起きていること」それは一言でいうと直接金融から間接金融への先祖返りなのである。つまり、企業が株式や債券といった金融商品を通じてマーケットから資金調達を直接行うのではなく、小口の預金者からカネを集めた銀行が不動産などを担保にとって企業へ資金を貸し付けるという、伝統的な銀行業へと「世界の潮目」は立ち戻りつつあるのである。そして、そういった間接金融の世界では預金量がモノをいう。だから、メガ・バンク、いや「ウルトラ・バンク」だというわけなのである。
直接金融それ自体がシステムとして悪いのではない。しかし、そこで一攫千金を覚えたカネの亡者たちが、なかば詐欺まがいの行為までして貪り続けた結果、たどり着いたのがサブプライム問題なのである。そうである以上、根本的に襟を正すべく、金融の基本である間接金融へと立ち返るという発想が出てくるのは何も不思議なことではないだろう。そして現にそちらの方向へと舵が切られつつあるのである。
この記事を読んで、私は就職活動をしている学生からふと聞いた言葉を思い出した。2年ほど前の話であるが、その学生によれば、金融庁に採用面接で行った際、「君、これからは直接金融だよ。間接金融なんて時代遅れだ」とさんざん吹き込まれたのだという。大方、未だにこうした採用面接スタイルは変わっていないに違いない。しかし、地球の裏側では、今や政府自身が先頭を切る形で間接金融への先祖返りにおける「勝ち組」を目指した動きがすでに始まっているのである。
100年に1回の金融システム大転換を乗り切るには?
こうした「直接金融から間接金融への先祖返り」というトレンドについて、私は3月10・11日にさいたま・横浜・東京、5月24・25日に神戸・京都・静岡でそれぞれ開催する無料学習セミナーでじっくりお話できればと考えている。
最近、とある若手インベストメント・バンカー(投資銀行の上級行員)からこんなつぶやきを聞いた。
「企業から見れば同じ金額のファイナンスを受けるだけだというのに、それを直接金融で行うときに手伝う投資銀行の社員たちは唸るほどの給料をもらい、間接金融で行うときに手伝う商業銀行の行員たちはそれほどでもないという状況が、そもそも変だったのですよね」
まったくおっしゃるとおりだろう。マネーを追い求める心は分からないでもないが、それがあまりにぎらつき、かつ実体経済への影響が伴うものとなっている時、そこには何かしらのカラクリがあると考えるべきなのである。賢明に働いた結果、実は首切りの連続となっている直接金融の現場にいる若手の中に、あまりにも単純ではあっても、これまでは見えてこなかったそんな真実が、ようやく認識され始めたのかもしれない。
直接金融から間接金融への回帰が生ずるということは、投資銀行が今ある形では存在しなかった、およそ100年ほど前の世界に立ち戻るということを意味している。システムの大転換は「100年に1回」の規模で生じつつあるのだ。
目先の陽転にとらわれるのではなく、あくまでもそうした歴史の中に私たち日本の個人投資家は生きており、また生きていかなくてはならないのだということを、まずはあらためて認識すること。これこそが今、トレーディングの前に必ず行うべきことに他ならないのである。
[新世紀人コメント]
「知的財産権による覇権」を目指すということは、実体経済への回帰に至ったということを米国の奥の院の者達はよく承知しているという事なのだ。
また、日本は新技術・技術革新を以って世界経済の牽引役を果たさなければ生きてゆけない立場にあるのだから、「日本の知的財産権」は外国に奪われないようにしなければならない。
日本に与えられた優先課題の一つに「知的財産権の防衛」があるのだ。
米軍に居座られる事により、「守ってやるから、知的財産権(特許)は寄こせ」と脅迫されないようにしなければならないと言う事だ。
売国政治家・政党や手先マスコミは日本独自の知的財産権を擁護するシステム整備を妨害し、第二の植草事件のようなでっち上げスキャンダルを引き起こすかもしれないから、多くの人間が「システム整備」の声を上げるようにしなければならない。
多くの声が上がれば権力側は対応しきれなくなるからだ。
植草が5人居れば、それへの同時攻撃は不可能になる。
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