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2008年04月30日
また一つ、日米関係の闇が明らかになったー砂川判決に介入した米国
百の凡庸な評論よりも、一つの事実が全てを語ってくれる。これが私のブログの基本姿勢である。
シナリオと振り付けによって、お笑い芸人までもが評論家気取りの借り物の論説を語る時代になった。政治家や学者やメディア関係者が、芸能人と一緒になって評論を繰り返す時代になった。
そんな風潮の昨今において、この基本姿勢はますます重要である。
我々は、少しでも多くの事実を知る努力をすべきだ。嘘と情報操作が氾濫している中で、真実に迫る努力をすべきだ。そこからすべてが始まる。
連休中である。報道関係者も休んでる。チベット問題やガソリン減税は、そんな休みににはもってこいのニュースネタだ。毎日、毎日、同じニュースを繰り返していればいいからだ。
そこから得られるものは何もない。刷り込みが頭の中に固定されるだけだ。意見の対立が増幅されるだけだ。
そのような不毛な報道の中で、今日の毎日新聞と東京新聞の二紙が、日米安保関係の闇を照らす歴史的大事実について報道してくれた。
それは、「米軍駐留は憲法違反」と断じた59年の東京地裁の砂川判決を覆す最高裁判決の影に、米国の露骨な司法介入があったという事実が、米国の機密資料で明らかになったという記事である。
いうまでもなく、戦後の日本を規定してきたのは、「米国の日本占領」であった。そして、その延長線上の、自民党政権の「対米追従政策」であった。
そして、この政策は小泉政権の5年半で完結し、いったんは経済大国に復興したと思い込まされていた日本が、今日のように格差に困窮する日本に様変わりし、長年の温和な日本社会がモラル破綻する日本に終わろうとしている。
毎日新聞や東京新聞が報じているスクープの内容の詳細を書く余裕はない。ここでは次の諸点を強調しておきたい。
それは、まず、この史実が、日本の資料ではなく、例によって機密指定解除された米公文書によって明らかにされたという事だ。新原昭治という研究者が見つけたという。
その発見とは、「米軍駐留は憲法違反」という東京地裁判決(伊達判決)に衝撃を受けたマッカーサー駐日大使(マッカーサー総司令官の甥)が、その判決の破棄を求めて当時の藤山愛一郎外相や田中耕太郎最高裁判所長官に外交圧力をかけていた事であり、その露骨な政治介入を、日本の指導者が唯々諾々と従っていたという新事実である。
それにしても、このような歴史的大発見を、朝日、読売、日経、産経が、まったく取り上げていないという事が興味深い。後追いでこれから書くのか。それとも出し抜かれたからしゃらくさいと思って取り上げないのか。
それとも、自民党政府にはあまりにも都合が悪い事実だから握りつぶそうとするのか。
すべては連休中であるからと思うことにしよう。連休中を狙って行われるガソリン税引き上げ再議決問題が、国民にとって最大の問題であるからだと思うことにしよう。
しかし、連休が終わり、それらがすべて落ち着いた後には、このニュースが、改憲問題や米軍再編問題と絡めて大きく取り上げられ、戦後62年の日米同盟関係が、国民の前で大きく論じられるようになると期待したい。
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