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http://www.amakiblog.com/archives/2008/04/27/#000847
2008年04月27日
ジュゴンが沖縄を救うかもしれない
メディアは北京五輪とチベット問題で一色だ。これは北京五輪が終わるまで続くだろう。
それは理解できる。
あまりにも多くの問題が絡んでいるからだ。日中の二国間問題だけでも大きい問題であるのに、中国の国際的な影響力の増大に伴って、それはもはや国際政治の一大問題となっているからだ。
あらゆる状況の変化が予想される。それにともなって様々な意見が飛び交うことになる。
しかし皆が騒いでいる時こそ、その裏で重要なニュースが隠されているものだ。
福田自民党政権の根幹を揺さぶるような問題に急浮上してきた後期高齢者医療保険制度は、それが決まった時は殆どメディアは騒がなかった。とんでもない制度だと警鐘をならした議員や識者がいたが、メディアはそれを殆ど取り上げなかった。
当時は何が大騒ぎであったか。それは村上ファンドの疑惑であり、それから利益を得ていた福井日銀総裁の辞任問題であったのだ。
そのニュースばかりが騒がれ、メディアが同じニュースを繰り返したため、後期高齢者医療制度の問題は、国民に知らされることなく決められた。
北京五輪のほかにニュースはないのか。そう思って探したら、27日の日経新聞に、日米環境団体がジュゴンの保護を求めて沖縄・普天間基地移設に反対する訴訟の記事があった。
この訴訟については私もこのブログでかつて書いた記憶がある。その事もあって今日の記事を興味深く読んだ。
今日の記事の概要は以下の通りである。
・・・この訴訟を受けて米国防省は26日までに「ジュゴンへの影響を独自に検討する」という文書を米サンフランシスコ連邦地裁に提出した。
サンフランシスコ地裁は今年の1月、(日米環境保護団体が近海に生息するジュゴンの保護を求めて起こした訴訟に対して)日本の天然記念物ジュゴンが米国の文化財保護法の対象になると認定し、米国防省がジュゴンへの影響を考慮しないことは、米国の文化財保護法に違反すると指摘。「ジュゴンへの影響を評価するため必要な情報を」を示す文書の提出を求めていた。
(これに対し)国防総省は文書で、「日本政府とも協議して、普天間代替施設がジュゴンに及ぼす影響について、地裁の判断に沿うよう独自に検討する」方針を明らかにした。
原告側(日米環境団体)によると、米国防総省による文書提出から45日以内に原告側に反論の機会が与えられ、これを踏まえて米連邦地裁が夏にも改めて判断を示すと見られる・・・
この記事は、というよりもこの訴訟は、きわめて重要な意味を持つ。なぜか。それにはいくつかの理由がある。
まず普天間基地移設問題の重要性がある。この問題は日米軍事同盟の根幹である在日米軍問題の最大の懸案である。
だからこそ、日本政府は米国の要求に対し何があっても応じようとしてきた。沖縄住民の反対を押し切り、情報開示を拒んで、国内の反対論議を封殺してきた。
あらゆる問題がそうであるように、政府と官僚がごり押しする政策を日本国民が変更させることは殆ど不可能に近いのがこれまでの日本の政治の現実であった。その中でも日米安保関係は特にそうだ。
しかしこれは米国の環境団体が原告に加わった訴訟である。米国の連邦地裁が米国防省に命ずる裁判である。その判決には米国防総省は従わざるを得ない。
二つ目に、これは環境問題、文化財保護を全面に押し出した訴訟であるということだ。政治的思惑とは別に科学的立証が大きな影響力を有する。科学的検証次第では普天間基地の移設は変更を迫られることになる。
今日米の関係者はこの問題で頭を痛めているに違いない。「独自の調査」をめぐって作為的な文書が作られてはならない。
国民は、この訴訟の帰趨に注目すべきだ。そのためにはメディアはこの訴訟をもっと取り上げるべきだ。政府の動きを監視すべきだ。
ひょっとしたらジュゴンが沖縄を救うかもしれない。ジュゴンが日本を米国の戦争から解放してくれるかもしれないのだ。
その事を教えてくれた27日の日経新聞に乾杯。
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