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白川勝彦:公明党の苦しい事情!? = 永田町徒然草
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投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 4 月 26 日 08:38:09: mY9T/8MdR98ug
 

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永田町徒然草 No.724


ごく恵まれた人は、今日からゴールデン・ウィークという方もおられるかもしれない。私は5月3日まで暦どおり仕事をする。それまでに土日も“昭和の日”もあるが、とても休んでいる訳にはいかない。この4ヶ月間、取り組んできた道路特定財源の暫定税率問題がいよいよ正念場を迎えるからである。今更どうにもならないという雰囲気が国会内外に流れているが、そうはいかない

マージャンをしていると“勝負は下駄を履くまで判らない”とよくいう。政治の世界もそうだ。勝負は最後の最後まで戦わなければならない。その執念が思わぬことを実現するのだ。私が支持率75%を誇る細川護煕首相を退陣に追い込んだのもそうした執念であった。細川首相は私が追及した1億円疑惑で進退窮まってしまったのだ。支持率25%の福田首相を追い詰めることなど必死になればできる筈なのだが・・・。自公“合体”政権が衆議院で3分の2を超える議席をもっていることなど、最初から分かっている。“だから仕方ないのだ”では、最初から勝負を投げているようなものである

衆議院の頭数では、確かに勝負にならない。しかし、国会は言論の府なのだ。言論の戦いは、頭数だけで勝負が決まる訳ではない。言論の質が問題なのだ。だから私はガソリン税が実際に値上げされるその日まで勝負を投げない。この二日間、政府がいっている即日公布・施行の問題を論じてきた。わずか数日の違いかもしれない。だが、その可能性があるならば、最後の最後まではそのために努力しなければならない。

その必死さが、人の心を打ち、政治を動かすのである。施行日の問題だけではない。そもそも今回の再可決は憲法違反の行為である。こういうことを再可決する衆議院の本会議で堂々と論じなければならない。税法として大きな欠陥がある租税特別措置法改正案を再可決することには、河野洋平議長の責任も問わなければならない。それ以外にも、論争すべきテーマはいっぱいあるのである。野党はやれることはなんでもやらなければならないのだ。“モンセキ・モンセキ”と叫ぶだけでは、それは論戦ではない

ところで自公“合体”政権は即日公布・施行になぜ拘(こだわ)るのだろうか。山口2区の選挙結果にかかわらす4月30日に再可決することを決めた時の、伊吹幹事長をはじめとする自民党幹部の言動は、最悪のパフォーマンスだった。血も涙もない冷血鬼という印象を国民に与えるものだった。政治が分かる者ならば、こんな馬鹿なことは絶対にやらないものだ。同じことをするにしてももっと知恵を絞るものだ。国民の政治的雰囲気に敏感だった自民党が、どうしてこんな知恵のない馬鹿なことをするのだろうか。

租税特別措置法改正案を4月30日に成立させ即日公布・施行させないと公明党は困ったことになるのだ。この法律案には、4月30日に期限切れになる自動車重量税の暫定税率を延長するということも含まれている。自動車重量税とは、車検の時に前払いでまとめて払うあの税金である。暫定税率が延長されないと、5月1日から暫定税率が復活する日まで、この暫定税率が取れなくなるのである。その税額はかなり大きいのである。

自動車重量税は、1971年(昭和46年)に施行された自動車重量税法に基づき課せられる国税である。自動車を購入する時や車検の時に印紙を買って納付する。このため「車検代」と誤解されることが多い税だ。暫定税率は、本来の税額(本則)の約2.5倍となっている。ちなみにガソリン税の暫定税率は約2倍である。自動車重量税も道路特定財源のひとつといわれている。自動車重量税は、自動車先進国のドイツ、フランスでは、道路を傷めることが多い大型車には課税されているが、普通車には課税されていない。

この自動車重量税について、公明党は昨年の参議院選挙の際に次のように公約している。すなわち、「自動車関係諸税は、公共事業5ヵ年計画や道路特定財源のあり方の検討にあわせ、見直します。その際、特に自動車重量税については、その財源が本来の道路整備事業に活用されていない現状にかんがみ、例えば、暫定税率の引き下げにより納税者に還元することや、その使途のあり方を検討することなど、見直します。」(2007年6月14日付公明党マニフェスト2007政策集から抜粋)。

ああいえばジョウユウの公明党のことであるから、上記文章の「その際」とは、「公共事業5ヵ年計画や道路特定財源のあり方の検討」の際のことであるいうのだろう。今回は「公共事業5ヵ年計画や道路特定財源のあり方」が検討されている訳ではないから、自動車重量税の「暫定税率の引き下げにより納税者に還元すること」をしなくても公約違反にならないと強弁するのであろう。しかし、各種の道路特定財源の暫定税率が廃止され、これを元の暫定税率に戻すことに国民の3分の2近くが反対し、このことの是非が国会の最大の焦点になっているのだ。これでも「道路特定財源のあり方が検討」されていないというのならば、何をか言わんやである

自動車重量税の暫定税率が廃止された(あるいは期限切れで失効した)場合、自動車重量税の暫定税率がガソリンと同じように大きな問題となる。自動車重量税の暫定税率が国民の関心になる。公明党が“暫定税率の引き下げにより納税者に還元する”という公明党の公約と正反対の行動をした場合、国民は公明党の公約違反を必ず非難するであろう。だから暫定税率がたとえ一時的でも廃止されると公明党は困るのだ。

だが、自動車重量税の暫定税率が引き下げられず元のまま存続することになるのは、公明党が自民党と一緒になって租税特別措置法改正案を再可決するからなのである。自民党だけではできないのだ。その意味で公明党の責任は大きい。しかも公明党の公約に反することなのだ。だから公明党としては、租税特別措置法改正法を即日公布・施行させたいのだ。自民党や官僚たちも<公明党のこうした苦しい事情を察し、そこに悪乗りして即日公布・施行といっていると私は考える。

だがそんなことをしてみても公明党が公約違反のことをすることに変わりはない。公約違反が表沙汰になるか、うまく誤魔化されるかの違いでしかない。だが、国民は賢明である。国民は必ずこのことを見抜くであろう。野党もマスコミもこのことを大きな声で非難しなければならない。もはや公明党の政治行動の欺瞞性を見逃すことは許されない。このことを曖昧にするようでは、野党やマスコミの本性に対しても疑いが生じてしまう。少なくとも5月2日までは、国会の動きから目を逸らしてはならない。とても休んでいる訳にはいかない。

それでは、また。

後記:さっき午前5時のNHKニュースを聴いていたら、5月に暫定税率が復活した場合、ガソリン価格の上昇分と合わせるとレギュラーガソリンは1リットル約30円値上がりし、史上最高の価格になるといっていた。“5月”といっていた。少なくとも4月30日あるいは5月1日とはいっていなかった。私の即日公布・施行についての主張が少しは影響あったのだろうか。そうだとしたら嬉しい。皆んながいえば政治は変わるのだ。他のテレビ局や新聞がどのように報道するのか注目しておいて欲しい。さらに・・・・・。<午前5時33分記す>


 

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