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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2008042502006409.html
【コラム】
筆洗
2008年4月25日
牛丼やハンバーガーの身近さを考えれば、不思議なくらいだけれど、日本人と牛肉のきずなは、それほど深いものではない▼中古以来のタブー視が、公式に“解禁”となったのは、明治に入って政府が、西洋の風をまねる文明開化の中で、牛肉食を奨励して以降。つきあいは、たかだか百五十年にも満たないのに、われわれは、すっかり牛肉の虜(とりこ)だ▼もはや輸入肉なしでは、その食欲も満たせないわけだが、またしても米国産に問題である。輸入が禁止されている牛海綿状脳症(BSE)の原因物質がたまりやすい危険部位の混入した牛肉が、牛丼大手チェーン・吉野家の工場でみつかった▼前に危険部位が発見され全面禁輸になった後、米国が安全を確約して輸入が再開されたはずだが、二年もしないうちに、これである。混入は単純ミスだとしても、ウィリアムズ米農務省報道官の発言はふるっている。曰(いわ)く、「七百箱中の一箱にすぎず、こうしたことは時々起こる」▼言外に「大騒ぎすることか」のニュアンスが漂う。違和感は否めないが、考えてみれば、BSE問題のみならず、遺伝子組み換え作物に対しても、大変、鷹揚(おうよう)なお国柄である▼こちらが「鈍感だ」と言えば「そちらが過敏だ」と反論しようが、日本と米国に「食の安全」に関して大きな意識の差があるのは確か。対策も、それを踏まえて考えねばなるまい。
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