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http://www.amakiblog.com/archives/2008/04/24/#000839
2008年04月24日
動き出した政界再編と護憲勢力の沈黙
名古屋高裁が下した自衛隊イラク派遣に対する違憲判断。それをもっとも深刻に受け止めなければならないのは、この国の護憲政党、護憲政治家であると私は思っている。
なぜならば、小泉元首相のふざけた答弁を許し、明らかな違憲行為を防げなかったのは、この国の護憲政治力の弱さにあったからだ。
しかも、この歴史的判決を前にして、その判決を定年する裁判官の世迷いごとだ、と一蹴し、だから改憲だ、集団的自衛権だ、自衛隊の恒久派遣法だ、かんけいねえ、などと叫ぶ保守・右翼的な議員が目立つ一方で、平和、平和と唱えてきた護憲政党、政治家の姿がまったく見えてこない。
ここにこの国の政治の貧困さを見る。平和を唱える政治家が偉いのではない。憲法9条が立派なのだ。その憲法9条の前にひざまずいて護憲勢力が結集できなくて、なんの護憲政党か。護憲政治家か。
私にこのような事を書かせる最大の理由は、最近にわかに動き出した政界再編のドタバタ劇が、すべて改憲と日米軍事同盟を是認する政治家たちの、生き残りをかけた低次元の合従連合であるからだ。
そのようなねじれた動きの中で、私が最悪の一つと考えているものが、超党派の「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」である。その総会が23日、3年ぶりに国会内で開かれたという(24日毎日新聞ほか)。
会員110名のうち約30人が集まったというこの総会では、自民党の中谷元・元防衛庁長官、民主党の前原誠司前代表、公明党の上田勇広報委員長の三人があたらに世話人代表に選ばれ、次のように挨拶したという。
「いかなる政権ができても実行できる共通の基盤をつくりたい」(中谷)、
「どちらが政権をとっても外交安全保障の根本は一致していないといけない」(前原)
自民党から民主党に政権交代がなされても、安全保障政策については何も変わらないことが改めて世間に向けて証明された瞬間だ。平和を売り物にする公明党が、日米軍事同盟を認める正体を隠そうとしない瞬間だ。
その民主党に旧社会党の大部分が吸収された。残った社民党もまた、その民主党にすりよって政党としての生き残りに汲々としている。
天下の護憲政党である共産党は、平和は自分たちだけで守るといわんばかりの傲慢さだ。
これから雪崩をうって始まる政界再編の一つの大きなテーマは、新自由主義(小さな政府)か、市民社会主義(大きな政府)かということであろう。
言い換えれば、競争によって社会を向上させるという強者の政治か、国民生活の不幸を最小にする弱者の政治か、ということだ。
しかしもう一つの大きなテーマ、つまり米国の戦争に加担する国になるのか、平和を最優先する自主外交、憲法9条を世界に掲げる日本外交を取り戻すのか、というテーマについては、誰もそれを正面から唱えようとしない。
それでは、平和を願う国民の行き場がない。この国の政治がいつまでたっても国民の心に届かない理由がそこにある。
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