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死刑の執行に抗議します。
本日、死刑確定者の中元勝義さん(大阪拘置所)、中村正春さん(大阪拘置所)、坂本正人さん(東京拘置所)、秋永香さん(東京拘置所)に対して死刑が執行されました。
従来と同様に今回の執行についても、本人や家族を含め誰にも事前の予告はなく、突然の執行となりました。今回の執行でも執行後に12月の執行以来3回目となる死刑囚の氏名および罪状が公開されました。しかしそれ以外の情報は一切公開されませんでした。死刑確定のプロセスや、確定後の再審請求、恩赦請求の棄却時期などの死刑囚の基本的人権の尊重において極めて重要な情報が開示されていません。
中元さんは無罪を主張しており、過去に再審請求もしていました。中村さんは精神障害の疑いが指摘されていました。坂本さんは一審判決が無期懲役で二審で逆転死刑判決を受け、上告せずに確定しました。秋永さんは一審判決が無期懲役で二審で逆転死刑判決を受けました。秋永さんの弁護士は恩赦請求の準備中であり、しかも請求直前であったという情報もあります。
今回の執行は前回の執行から約2カ月後に行われたものであり、鳩山法務大臣の手続きの簡素化を示唆する所謂ベルトコンベヤー発言に見られる、法務省の執行ペースを速め、大量処刑を目指す姿勢を体現するものです。アムネスティ・インターナショナルは強く非難します。
国際社会では既に135カ国が法律上又は事実上の死刑廃止を達成しています。昨年12月には国連加盟国に死刑廃止を念頭に置いた死刑執行停止を求める決議が採択されるに至っています。現在死刑廃止は世界的な潮流となっているなか、日本は正にこの流れに逆行し、その勢いを強めています。
2008 年は国連人権理事会のもとで「普遍的定期審査(UPR:Universal Periodic Review)」という制度が新しく開始されます。これは、すべての国連加盟国(192カ国)の人権関係の義務・公約の履行について国連人権理事会が定期的に審査するという制度です(4年間を一周期とし、192の国連加盟国すべてが審査対象となります)。現時点で、日本はUPRの第2セッション(2008 年5月5日〜16日)で審査されることが決定しています。また、市民的・政治的権利に関する国際規約(自由権規約・ICCPR)に関する第5回政府報告書が2008年10月に自由権規約委員会によって審査される見通しです。これらの審査で日本が死刑を存置し、執行ペースを加速させていることは極めて厳しい追及を受けることになると予想されます。
国連総会決議に従い、死刑制度を廃止する一歩を、日本が近い将来に踏み出すことをアムネスティは期待しています。
2008年4月10日
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
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