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http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20080410dde012070015000c.html
早い話が:ブッシュ氏に金メダルを=金子秀敏
北京五輪の聖火リレーが行く先々でブーイングを浴びている。メンツ丸つぶれの中国は針のムシロだ。
だが、水面下ではチベット問題に動きが出てきたのではないか。3月31日、北京の天安門広場で聖火歓迎式典が行われた。前日まで、習近平国家副主席が聖火を受け取ることになっていた。習副主席は中国共産党・五輪指導小組の組長である。
ところが、当日登場したのは胡錦濤国家主席だった。重要行事に誰が出るかはポストやランクで決まっている。国家主席クラスの行事予定が突然差し替えになるのは珍事だ。
なにかのサインだとすれば、五輪の成否とかかわるチベット問題に違いない。この2日後、胡主席は訪中したポールソン米財務長官と会談している。
米中間で一番レベルの高い対話は、ポールソン財務長官と王岐山副首相の戦略経済対話である。互いに大統領と国家主席の特別代表という立場だ。
ポールソン氏は、かつて会長をしていた米証券大手、ゴールドマン・サックス社が中国建設銀行の顧問をした関係で、建設銀行行長だった王氏とは旧知の仲。その王氏の紹介で太子党派の中国要人に人脈を持っている。その一人が北京五輪の最高責任者の習氏だ。
チベット問題について中国首脳部がポールソン氏になんと言ったかは明らかでない。だが、この動きを見守っていた人物が2人いる。ダライ・ラマ14世とブッシュ米大統領である。
ダライ・ラマはチベット独立を断念し、かわりに中国政府がチベット人の自治を認めるよう話し合いを求めてきた。昨年10月、ブッシュ大統領はワシントンでダライ・ラマと面会した。チベットと中国政府の対話を仲介する用意があるというサインである。だから大統領は、欧州の首脳と違って「北京五輪に出席する」と言い続けてきたのである。
ダライ・ラマは6日「チベット同胞に告げる書」を発表し、チベット人に五輪を妨害しないよう戒めた。そして10日、訪米。そのころ聖火はサンフランシスコだ。一連の流れの中で、ブッシュ氏がなにを言うか。胡氏がどう答えるか。あるチベット関係者は「中国側に動きが出てきた」と期待する。
ダライ・ラマの亡命からほぼ半世紀。五輪はチベット問題の歴史的和解にまたとないチャンスだ。聖火リレーの背後の説得が実を結べば、ブッシュ氏はノーベル平和賞の金メダルだが。(専門編集委員)
毎日新聞 2008年4月10日 東京夕刊
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