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2008年04月08日
小泉元首相の再登場を歓迎する
私は小泉元首相をもっとも厳しく批判してきた一人である。しかし彼は高支持率を維持し続けたまま5年半もの首相の任期を全うした。彼は勝ちきったのだ。もって瞑すべしである。
その時点で、彼はきっぱりと政治から身を引くべきであった。事実彼自身もそう言っていた。政治の舞台から離れていた。
そのまま再び政治に色気を示さないようであれば、さすがの私も「まいった」と頭を下げたに違いない。小泉元首相に敬意さえ抱いたことだろう。
ところが、彼はそうしなかった。今頃になってのこのこと出てきた。徐々に政治的発言をするようになった。そして今度の「なんとか風が吹き出した」発言だ。
私の目に狂いはなかった。やはり彼は愚かな男だった。凡庸な人間にありがちな、権力を手放した寂しさに堪えきれない男であった。
そんな小泉元首相の復活を私はこころから歓迎する。また小泉批判が出来るからだ。
私は断言する。いくらメディアが彼を持ち上げようとも、彼が再び政治の主役に返り咲く事はない、と。
それどころか政界再編の目玉になることさえもない。いまでも小泉人気は高いようだが、もはやそれまでだ。かつての小泉フィーバーは二度と起こらない。
何故か。それにはいくつかの決定的な理由がある。
第一は、国民生活があまりにも厳しくなってしまった。そしてその最大の責任が彼にある事を、もはや多くの国民は知っている。
富裕層の中には今でも小泉支持者が少なからずいる。しかし、その一方で小泉偽改革の犠牲となった国民があまりにも増えてしまった。
それでも小泉改革に期待する、などというお人良しは、もはや少ないに違いない。
第二には、小泉元首相には、政策を語れる頭がない。政策をまともに語れないような男に、困窮する国民の期待に応えることなど、決して出来はしない。
彼の言動を注意して見るがいい。政局がらみの与太話ばかりだ。満面の笑みを浮かべて「そろそろ風が吹いてきた」などと話す姿を見るにつけて、この男は苦しむ国民の事などまるで念頭にないことがわかる。あくまでも自分の事ばかりだ。この事に国民は気づかなければならない。
第三に、自民党内部で、小泉元首相に対する強い反発が今でも強く残っているという事だ。彼が、自民党の中で影響力のある立場に置かれ事は二度とないだろう。
第四に、従って、彼が再登場する唯一の局面は、政界再編の時である。しかしその場合でも小泉元首相の出番はない。
もともと人の面倒を見ない小泉元首相に、新党を作る力はない。その党首になる器量はない。今になっても小泉人気にすがるしか能のない小泉チルドレンを相手にするのが関の山だ。
このように考えて見ると、メディアが騒いでいる割には、小泉再登場が奏功する可能性は限りなく小さい事がわかる。
それでも私は小泉元首相が再登場してくる事を心から歓迎する。持ち前の反小泉の血が騒ぐからだ。
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