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<一筆不乱206> 納豆、味噌汁、漬け物、それに生卵があれば言うことはない。1年中でも構わない。たまにトーストを食べたくなる。だが、3日と続けられない。朝食後、緑茶をすすりながら、日本で生まれた人間なんだなと実感する。ただし、民族や国籍など私にはどうでもいい。あるのは、たまたま白飯と味噌汁の国に育ったという、その実感だけだ。 この世の中で最も許せないのは「差別」だと、心底、思ってきた。叫んでもきた。しかし時折、周囲から「差別主義者」と揶揄される。「関西弁は嫌」「九州はどこに何県があるかわからない」。これらは許容範囲らしい。だが「肉ばかり食べるアングロサクソンが嫌い」と口走ったときは、「そんなことを言うべきでない」とまじめに諭されたりする。 関西の言葉は、きついことを柔らかく包み込んでくれる効果がある。九州は、下町っ子の私には極めて心地よい風土だ。べらんめえの世界が肌にあう。つまるところ、どちらも愛着があるからこそ、ちゃかしてみたくなる。 では、アングロサクソンはどうなのか。もともと、いかにも「肉好き」といったタイプの人とは波長があいにくい。何となく好戦的な雰囲気を感じてしまう。「肉ばかり食べるアングロサクソンが嫌い」という発言には、多少の本音が混じっている。だから知人からたしなめられるのだろう。 このような話しを反米右派の人にすると、「まさに愛国心」と握手を求められる。残念ながら、それは違う。政治的に利用される愛国心は、好悪の情とは無関係なのだ。 米国が好きな人も嫌いな人もいる。中国が好きな人も嫌いな人もいる。当然のことだ。例えば、米国とキューバが野球をすれば、私はキューバを応援する。単純に、キューバのほうが米国より好きだから。といって、米国を応援する人を批判する気はない。 |
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