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原田武夫 「アナタのブログ、監視されてますよ」という話
http://www.asyura2.com/08/senkyo48/msg/945.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 4 月 03 日 14:16:38: uj2zhYZWUUp16
 

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/79caff2f5cab9de6846ab483ab202691

「アナタのブログ、監視されてますよ」という話  BREAKING NEWSコラム / 2008-03-26 16:51:21

「恵比寿・七福神」にて思ったこと

昨晩は東京港区の白金に出没することにした。正直、あまり行き付けないエリアなのだが、「4週間ぶりに南の島から帰ってきた」という昨晩の同行の士が“ここがおススメですよ”というお店があるのだという。スポーツ愛好家とあって相変わらずスリムな同氏だが、彼が奨めてくれた店で外れだったことはない。そこで早速行ってみることにした。

連れて行かれたのは「恵比寿・七福神」。

店を一人で仕切るのはMASUMI氏。大体、↓↓こんな感じ↓↓です。

(画像クリックで「恵比寿・七福神」HPにジャンプします)

そこはかとなく“ユルい感じ”に酒と肴が進む、進む。
同行の士いわく、「南の島ではとにかくビールであってもマズかった」とのこと。MASUMI氏が次々に出してくれる小料理にパクつきながら、次々と話題の花が咲いた。

肩肘の張らない親友と、肩肘の張らない店で時間を忘れて話すことほど楽しいことはない。
「やっぱり、今度もまた外さなかったね、彼は」
そう思いながら、宵はどんどん更けていく・・・・


島国・ニッポンが持つ「情報の非対称性」

同行の士が4週間も「幽閉」されていた南の島は、米国のいわゆる自治領と呼ばれる島だ。聞くと、日本から3時間あまりだというが、思わぬところで日本とは全く違い、戸惑う日本人も多いのだという。芋焼酎ロックをあおりながら、その話を聞いていて、ついつい思ってしまった。

「米国から見れば、島国・日本も同じなんだろうな。一体どこで誰が何をしでかしているのか、島の外側からはなかなか分からない・・・・」

“AはBのことを良く知っているが、BはAについてあまり知らない”という状況を「情報の非対称性がある」という。そもそも江戸時代には「鎖国」を国是とすらしていた島国・日本である。幕末から現在に至るまでの日本史は、日本が持つ「情報の非対称性」を米欧各国がよってたかって解消していくプロセスであったといっても良いだろう。

このように「情報の非対称性」を解消していく時、もっとも大きな障壁となるのがターゲットとなっている人物が今何を考え、何を欲し、そして何をしようとしているのか、その「思考」そのものである。なぜなら、生身の人間の頭を開けてその中身を引っ張り出すわけにはいかないからだ。
「拷問でもして自白させれば良い」というかもしれないが、“自白”ですら本当に思っていることだという保証はどこにもないのである。しかも、仕方なく吐露したものが自白である以上、そこにはどうしても拷問する側が納得するよう都合よくストーリーを変えてしまおうというインセンティブが働くものだ。

そこで「情報の非対称性」を解消するためには、ターゲットとなる人物が自らの意思で自分の考えを好んで記すように仕向ける必要がある。そしてそのように自然な形で記された内容を丹念に読み解くことで、完全ではないにせよ、ターゲットが今何を考え、欲し、そして何をしようとしているのかが分かってくるのである。


米軍“統合特殊作戦大学“の文書を見つけた

このコラムでは前回と前々回にわたってIT2.0時代における“スモール・アンド・リッチ・ビジネス”の必然性と将来性について書いてきた。どうやら同じことを直感的に感じていた方は大勢いたらしく、このコラムにしてはなかなかの人数の方々よりポジティブなコメントをいただいた。

もっともこのようにIT2.0時代における必然ともいえる展開を記し、そしてその中で我が研究所(IISIA)として採るべき針路を示したことは、インテリジェンスという観点からインターネットというツールに対して警戒しなくて良いと考えるようになったわけではない。
むしろその正反対なのであって、不可逆的な流れとして仕込まれたインターネットだからこそ、その利便性の影で常に付きまとう「黒い闇」を見据えておくことが必要なのである。

「インターネットとインテリジェンス?二つに関係があるわけないだろう。また仰々しくそんなことを言って・・・・」

そう思われるかもしれない。
そう思われた方には、ぜひ↓↓この文書↓↓を一読されるようおススメしたい。

(クリックすると入手先にジャンプします)

「ブログと軍事情報戦略(Blogs and Military Information Strategy)」と題されたこの文書が刊行されたのは2006年6月。著者はジェームズ・キニバーグ米空軍少将とドロシー・デニング米海軍大学院教授の二人である。
そして発行元は米軍統合特殊作戦大学(Joint Special Operations University)だ。

タイトルが示すとおり、インターネット上で入手が可能であるものの、一般に広く流布しているわけではないこの文書(こうした文書をgrey literatureと呼ぶ。公開情報インテリジェンス(OSINT)では報道機関による記事分析のみならず、こうしたやや閉鎖的な人的サークルだけで流布している文書の入手が決定的な役割を果たすことがままある)は米軍のインテリジェンス活動にとってブログが一体どんな役割を果たすのかを示したものである。つまり、米軍はブログを情報工作活動にあたって真正面からターゲットにしているのだ。

それではどんなことが書いてあるのか?
カギとなる言及をいくつか挙げてみることにしよう:

“Recently, analysts at the Open Source Center (OSC) under the auspices of the Director of National Intelligence (DNI) have been monitoring and following significant foreign blogs and bloggers with the primary goal of exploiting them as sources of intelligence. A February 2006 posting on the organization’s “Blog on Blogs” about Iranian expatriate blogger Hossein Derakhshan (“Hoder”), described him as “one of the most influential Iranian bloggers.” OSC analysts used Traffic (based on Reach and Page Views) from Alexa; Authority (Inbound Blog Links) from Technocrati; and frequency of postings from Blog-Pulse. All three sources share the advantage of ready availability,…”
⇒米国政府のインテリジェンス機関は要するに世界中のブログとそれを書いている人物たち(ブロガー)を監視しているのだ。つまり、「アナタのブログ、監視されてますよ」というわけなのである。

“Information strategists can consider clandestinely recruiting or hiring prominent bloggers or other persons of prominence already within the target nation, group, or community to pass the U. S. message. In this way, the U. S. can overleap the entrenched inequalities and make use of preexisting intellectual and social capital. Sometimes numbers can be effective; hiring a block of bloggers to verbally attack a specific person or promote a specific message may be worth considering.”
⇒もっともブログが情報工作機関にとって有効なのは、ブログの監視を通じて意味ある情報を収集できるという意味においてだけではない。ターゲットに対して自己に有利なメッセージを浸透させるべく、米国がブロガーを雇っていたりもするのである。しかも上記のとおり“大勢は有効”とある。ある時、一斉に同じ事を言い出すブロガーたちは、たとえそれが日本であっても米国インテリジェンス機関の影を感じるべきなのだ。

“An alternative strategy is to “make” a blog and blogger. The process of boosting the blog to a position of influence could take some time, however, and depending on the person running the blog, may impose a significant educational burden, in terms of cultural and linguistic training before the blog could be put online to any useful effect. Still, there are people in the military today who like to blog. In some cases, their talents might be redirected toward operating blogs as part of an information campaign. If a military blog offers valuable information that is not available from other sources, it could rise in rank fairly rapidly.”
⇒IISIAのようなprivate intelligence agencyという業界では半ば”常識“なのであるが、米軍関係者(OBを含む)の中には実に仔細な軍事情報を記してブログ展開している人が大勢いる。その結果、世界中からアクセスが集まっているのだが、それがまたプロパガンダのためのツールであることに気づかない危険性があるというわけである。さらにいえば、「私は米軍関係者です。米軍関係のブログです」などと真正面から唱えて展開しているブログだけでもないだろうし、日本でも実際には多くのブログがこうした”手先ブログ“である可能性すらある。そこで流される重要情報とプロパガンダとを見分けるのが、OSINT(公開情報インテリジェンス)では腕の見せ所となる。

“There are certain to be cases where some blog, outside the control of the U. S. government, promotes a message that is antithetical to U. S. interests, or actively supports the informational, recruiting and logistical activities of our enemies. The initial reaction may be to take down the site, but this is problematic in that doing so does not guarantee that the site will remain down. As has been the case with many such sites, the offending site will likely move to a different host server, often in a third country. Moreover, such action will likely produce even more interest in the site and its contents. Also, taking down a site that is known to pass enemy EEIs (essential elements of information) and that gives us their key messages denies us a valuable information source.”
⇒ターゲットが逆に巧みなブログ展開をしていた場合、米国にとっては当然、不都合な情報も流されることだろう。そこで「そんなブログはダウンさせてしまえばよい」というオペレーションが試されている可能性が十二分にあることを、この記述は物語っている。もっともそれが逆効果な場合もあるのであって、いわゆる「祭り」がかえってアクセス数をあげてしまうことなどに注目すべきだというのである。

しかし、話はこれでは終わらない:
“Hacking the site and subtly changing the messages and data --- merely a few words or phrases --- may be sufficient to begin destroying the blogger’s credibility with the audience.”
⇒要するに「都合が悪かったらハッキングし、そこにある文言を多少なりとも変えてしまえば良い」というのだ。何とも乱暴な話ではあるが、そもそもこうした言及が米軍研究文書にあること(しかもかなりのハイランクな研究者の手による研究文書)から、私たちは今すぐ自分のブログをあらためて点検するべきなのだろう。――――「あれ?こんなこと書いたっけか?」と思ったら、それは怪しい。

そして最後にまとめとして、米軍がブログ情報戦略を展開していく際に“必ず考えるべき点”として以下が列挙されているのである:
-How large is the blogging community?
-Who are the bloggers? And what are their positions and status within their communities and within the country as a whole (their general public roles and reputations)?
-Who is the target community or audience for each blog?
-Do the blogs address issues of social and political importance to the community they serve?
-What biases are observed in each blog? Do they reinforce or challenge the biases of their audiences?
-Do any bloggers invite and engage in free and open interaction with their audience?

「ブロガーである人物を特定せよ。その社会的な地位はどれほどのものなのか?」
「そのブログは社会的・政治的に意味のある題材を取り上げているのか?」
「ブロガーたちは自由で開かれた形によるコミュニケーションを読者との関係で行っているのか?」
・・・・つまり、「アナタのブログ、監視されてますよ」ということなのだ。


IT2.0時代の光と陰

以上をお読みいただければ、やれ「ブログの女王」だ何だかんだと言ってブログを日本で流行させ、さらにはフツーの日本人たちにまで日常の“ため息”をブログに書かせるように仕向けた関係者たちの正体が誰なのかもお分かりいただけるのではないかと思う。ちなみにこの文書では「人はなぜブログを書くのか?」について次のとおり5つの類型を記している:

-Documenting the author’s life and experiences
-Expressing opinions and commentary
-Venting strong emotions
-Working out ideas through writing (In the words of Sherry Turkle, using the blog and computer as “objects to think with.”)
-Forming and/or maintaining virtual communities

「日常の体験をつづり」「考えたこと・思ったことをつづり」「激しい感情を吐露し」「思考する補助道具として使い」そして「人と群れるために使う」・・・・ブログを通じて、私たちの生活はまさに丸裸となっている。そしてそれを米軍は“監視している”というわけなのだ。

以上を考えると、残念ながら、次のような“発想”はあまりにもナイーブなものといわざるを得ないだろう(梅田望夫「ウェブ時代をゆく −いかに働き、いかに学ぶか」ちくま新書より抜粋):

(1)「しらべ、読み、考え」る対象となる素材が、ウェブ上に無償でほぼ無限とも言えるほどに溢れ、それが今後さらに充実していく。
(2)「知的生産の道具」(整理する道具、書く道具)が飛躍的に進化したとともに、クラウド・コンピューティング(中略)の進展により「手ぶらの知的環境」が私たちにもたらされ、誰にも知的生産の可能性が広がろうとしている。
(3)「知的生産の成果」(書いたもの)を、誰もが自由に世界中に向けて公開(発表)し、その成果を多くの人と共有できるようになった。
(4)「知的生産の成果」の公開と共有をきっかけに、知の志向性を同じくする人々と知り合い、知をめぐる自由な対話が行える新しい環境が生まれ、それを通して個が成長する可能性も同時に開かれた。
(5)「知的生産の成果」をウェブ上に公開する道具(その初期がブログ)を得たことで、それが個人にとっての信用創造装置としても機能し、個人が組織に頼らずとも「知的生産の成果」と「飯を食う」可能性とを結びつける力を得た。

確かにウェブは便利なものだ。
しかし、インテリジェンスという日本人には慣れないプリズムを通して見た時、それには明らかに“光”と“陰”とがある。

圧倒的な覇権をもってウェブを普及させる米国がいる以上、もはや現下の流れは不可逆的である。つまり、もう後戻りはしない。

だとすれば、その中で少しでもたくみに、そして賢く生き抜いていくしか、私たち日本人に残された道はないのである。
そして、そのためにはいかなるタブーを恐れることなく語り合い、真理を追求する場が必要であるのと共に、「書いたことを読む人間の側の心理と戦略的な行動」にまで思いを馳せるという意味での“情報リテラシー”がますます必要となっているというべきなのだろう。

ウェブ上に流れる公開情報をやたら丹念に調べて、そこに出てくる人物名を書き連ねることで「世界の人脈を把握した」と自己陶酔するのではなく(本当に“動かしている人物”は自らの名をウェブ上から消すのがしきたりだ)、
あるいはウェブとは一線を置き、あたかもラッダイト運動の信奉者であるかのような原始的な毎日を送るのでもない。
―――この「光と陰」の両方を、いかにしてバランスよく描き出し、かつその先に“あるべき日本人像”をイメージしていくのか。

それが2008年の私にとっての課題なのだと思う。

2008年3月26日
原田武夫記す

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