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なぜ「死刑判決は全員一致と終身刑創設」なのか = 保坂展人のどこどこ日記
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投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 4 月 02 日 07:46:40: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/2db544540edcdd069652b248e986bcb8

死刑廃止を推進する議員連盟では、2月から「裁判員裁判における『死刑』の全員一致ルール」と仮釈放のない「重無期刑(終身刑)」のセットにした法案提出に向けて議論している。波紋は少しづつ広がっている。3月21日の毎日新聞には永山則夫死刑囚(1997年8月執行)に対して、死刑判決を下した裁判長が「もし、制度があれば終身刑を選択した」と断言している。毎日新聞の1面に掲載されたこの記事を読んで、きわめて重い証言だと感じた。

死刑判決:「人を裁く」とは? 永山事件の裁判官が初告白

79年7月の死刑判決を言い渡した豊吉(とよし)彬弁護士(78)は「死刑と無期では差があり過ぎる。もし制度があれば、終身刑を選択した」と断言する。結果的に死刑を選んだが、死を望んでいたわけではなかった。3人の裁判官による合議では「こんな貧困があっていいのか。行政が何とかできなかったのか」と話し合ったという。高裁で無期に覆された時は「よかったと思った」と明かす。

(08年3月21日毎日新聞)

来年5月までに実施を迎える裁判員制度。ここで、くじで選ばれた裁判員6人と裁判官3人の9人が「死刑か、無期か」を3日間で判断する。無期・懲役が10 数年たつとすぐに釈放されるというのは誤っ風説で、現在は無期・懲役の仮釈放の期間も20年をこえたものとなっていて、30年を超えている受刑者もいる。ただし、それでも「死刑」と「無期・懲役」には落差がありすぎるということを永山則夫死刑囚に死刑判決を下した裁判官が語っていることは注目に値する。

アメリカの陪審制度は多くの州で「有罪」「無罪」の評決は全員一致である「死刑制度」が存置されている国で、参審制・陪審制を取る国で、市民が量刑に関与する国は「日本の裁判員制度」以外にない。しかも、全員一致ではなくて、多数決である。そして、その「評議の秘密」は漏洩を禁止されている。たった3日間の審議で被告の生命を奪う「死刑」が妥当だったのか。「死刑」を選んだ側も、選ばなかった側も、生涯にわたる苦悩を抱えるかもしれない大きな選択である。

裁判官のように「死刑」も含めた刑罰体系が存在していることを承知した上で職を選択している人と、裁判所からの通知でくじで選ばれた裁判員と同じ負担をしろというのが現在の裁判員制度だが、死刑執行後に「冤罪」であることが判明した場合には取り返しのつかない死刑判決については、慎重の上にも慎重であった方がよい。「死刑」と「無期・懲役」の間に「重無期刑(終身刑)」を設けるのと同時に、「死刑」については全員一致をもって成立することを裁判員法改正案に書き込み、評決のルールとする。

これが現在、私たちが温めている法案の骨格である。ここまで読んでいただけば判るように「死刑廃止」でも、「死刑執行停止(モラトリアム)」でもない。あえて言えば、裁判員制度の導入と共に「重無期刑(終身刑)」を導入するとともに、「死刑判決」の評決ルールの厳格化・慎重化をはかるというものである。

死刑は究極の刑罰として維持されるべきであると考えている論者が多いが、これまでの法務省も含めて「死刑執行の迅速化・大量処刑」とは一歩距離を置いて、慎重かつ最低限の執行はやむを得ないという立場がつい最近までの「死刑執行」についての基本姿勢だった。ところが、この数年、死刑判決が激増している。昨年は裁判で確定した死刑囚は23名となった。ここまで増えると100人を大幅に超えていくから執行ペースを「ベルトコンベア」化して大量処刑もやむを得ないと方針転換したのが長勢・鳩山両法相だ。

そして、私たちが手をこまねいていると死刑執行は3〜4年後には30人〜40人という時代を迎えるのは間違いない。「死刑なんてあたりまえだ」という風潮が強まる中で、国連で「死刑執行停止決議」が出ているのに正反対の「大量処刑」に向かうというのではあまりにも国際世論に背を向けた態度ではないか。

今もなお「死刑執行は慎重かつ最小限で」という人たちと「死刑ルール」「重無期刑(終身刑)」の創設を行いたいと考えている。「大量処刑時代」に向かうことにブレーキをかけて、「死刑」と「裁判員制度」について国民的な議論が巻き起こることを心から望んでいる。
 

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