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2008年03月31日
ガソリン国会を正しく見抜く眼力
ガソリン国会について、テレビも新聞も、うんざりするほど同じような報道を繰り返している。
ガソリン価格が下がる事が、暮らしにあえぐ一般国民にとっていいことであるに決まっているではないか。
その財源減をどうやって穴埋めするかとか、地方に財源をどうまわすかなどは、そして市場の混乱を防ぐなどという事は、正しい政治指導による、正しい政策を行えば、どうとでも解決できるものなのだ。
国民は、少しでも暮らしを楽にしろ、と政治家や官僚組織に訴えるだけでいいのだ。
そう私が書くと、物事が分かっていると自称する識者はからは、ガソリン価格だけに問題を矮小化するなと言う声が聞こえてきそうだ。実際のところ、「ガソリン国会」をどう見るかについて、大手新聞の社説はすべて、「福田首相も発奮したのだから、民主党も譲れ」と書いている。自民党はわが意を得たりと、この社説を引用し、民主党を攻撃する。
そんな中で一つだけ、ガソリン問題の本質を見抜いた記事があった。30日の毎日新聞「風知草」で山田孝男専門編集委員が書いている指摘がそれだ。
山田氏は、片山善博前鳥取知事の発言を引用して、要旨次のように書いていた。
・・・片山善博は(福田)首相の発奮を疑う。首相案の本質は財務省案だからだ・・・首相案がなぜ財務省案か。そもそも、特定財源の一般財源化は財務省の悲願だ。国土交通省の権益を抑え、税金の使い道をあらかじめ決めない仕組みに戻す。これ自体は正論だが、結果として財務省の権益が大きくなる・・・
首相案は「09年度から一般財源化(にする)」と、ここだけやけに具体的だ。これに対し、暫定税率の扱いや、道路整備計画の策定は今後の政治折衝にゆだねるという。日程や数値でシッポをつかませない。予算編成過程で抵抗勢力をなだめるための布石であり、発想が財務省的だ・・・ごまかしへの逆行を阻む歯止めがない・・・
そこで思い出すのが94年の細川首相の真夜中の記者会見だ。あの時細川首相は突然国民福祉税導入を発表した。増税反対の武村官房長官や連立与党・社会党を出し抜くため、緊急会見という手法をとった。
米国の要請で内需拡大のために所得税減税に踏み切る見返りの増税だったのだ。
世論の反発をかって細川首相は一夜で撤回するのだが、このシナリオを書いたのが大蔵次官の斉藤次郎であったというのが定説だ・・・
片山の見事な分析だ。片山の言うとおりであると思う。キャリア官僚であり、今では官僚組織から決別して本音の発言を繰り返す片山ならではの指摘だ。官僚組織を本当に監視できるのは、官僚組織と決別したキャリア官僚でしかできない。
福田首相も、さらにその前に既に一般財源化を唱えている小泉元首相も、所詮は財務官僚のシナリオに踊らされている。それを知ってか、知らずか、福田首相の提案をこぞって持ち上げて、今度は民主党に譲歩を迫る大手新聞もまた、皆、官僚たちのお友達なのだ。
そういえば、民主党副代表の前原誠司は、小沢民主党に反旗を翻すかのように、福田提案は画期的で民主党も評価すべきだと発言した。前原グループの松井孝治も自らのHPで、「福田提案は評価できる」などと見事に歩調をあわせているという(29日毎日新聞、岩見隆夫、近聞遠見)。
この前原グループこそ、官僚を批判する振りをしながら、官僚と共存していく民主党の抵抗勢力なのだ。
一般国民は気づかなくてはいけない。ガソリン国会を巡る与野党の攻防の本質は、ただ一点。官僚支配を突き崩せるかどうかだ。戦後の政治を貫いてきた、自民党・官僚支配勢力と、その支配勢力に支配されてきた一般国民の、最終的なせめぎ合いなのである。
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