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身動きできない福田内閣の惨状安倍前首相の突然の辞任と福田政権の登場以後、憲法改悪に向けた動きは、いったんは頓挫している。「衆参ねじれ国会」の中で、政府・自民党の国政運営機能はマヒ状況にあり、一月に始まった通常国会でも「あたご事故」「道路特定財源」「年金」「後継日銀総裁」などの問題で福田政権は対応能力を失い、政権支持率は三〇%を割るところまで低下し、不支持率は五〇%に達している。福田首相は施政方針演説で「憲法審査会」での論議の開始と、「派兵恒久法」の制定に言及したが、それが思うようにならないのだ。これは、ブッシュのアフガニスタンやイラクでの「対テロ」戦争路線の完全な破綻、底の見えないサブプライムローン破綻危機が引き起こした世界的な金融恐慌の現実化など、アメリカ帝国主義のヘゲモニーが政治・経済・軍事などすべての面で急速に没落していることと相関関係にある。 新自由主義的な「構造改革」路線と「グローバルな日米同盟」というキャッチフレーズですすめられてきた改憲・「戦争国家」化政策の基盤、すなわち小泉・安倍政権の政策展開の前提としてきたものが、今や音を立てて崩壊している。福田政権の政策展開能力の完全な喪失と、自民党の分散化を、まさしく新自由主義的グローバル化の矛盾と、ブッシュの攻撃的な戦争戦略の自滅という、国際的構図の中で捉えなければならない。 改憲「大連立」への新たな模索このような状況の中で改憲派のフラストレーションは爆発寸前にあり、いったんは頓挫した自民・民主の「大連立」による「改憲三分の二多数派」の形成をも射程に入れながら、新しい動きが始まっている。その一つの現れが三月四日に開かれた「新憲法制定議員同盟」の総会だった。二〇〇七年三月に改憲派の重鎮・中曾根康弘が会長に就任して以後、同議員同盟の活動は再編された。今年の総会では新たに民主党の幹部が役員に就任し、改憲派の「超党派」的結集の軸としての役割を果たそうとしている。会長・中曾根康弘、会長代理・中山太郎という体制の下で、顧問に鳩山由紀夫・民主党幹事長、副会長に前原誠司・前民主党代表が就任したのである。その他に顧問には新しく安倍晋三・前首相をはじめ伊吹文明・自民党幹事長、谷垣禎一・自民党政調会長などが就任した。まさに自民・民主の執行部・実力者が雁首を並べたという体裁である。 この総会で活動方針の説明に立った愛知和男・議員同盟幹事長は「われわれとは反対の勢力、『九条の会』と称する勢力が、全国に細かく組織作りができておりまして、それに対抗していくにはよほどこちらも地方に拠点を作っていかねばなりません」と危機感を露にした。中曾根会長は「あいさつ」の中で、「超党派で最大公約数を求めながら国家像を決めていく大事業だ」と強調した。また総会には内閣から町村官房長官も出席し、「中曾根会長から内閣を代表して出てこい、というご命令をいただき、これは天の声だとして私は喜んで参加した」と発言した。 議員同盟は、当面する活動方針として@「衆参両院の憲法審査会始動へ働きかけをさらに強める」A「民主・公明両党の議員を中心に会員の増強を進める」B 「『九条の会』に対抗していくための地方の拠点づくりを進める」ことを確認している。すでに議員同盟は、憲法審査会の早期始動を求める議員署名を三百五十三人分集め、衆参両院議長に提出している。三百五十三人の内訳は、自民党二百八十二人、公明党三十五人、民主党二十六人、無所属十人。 憲法審査会を始動させるな三月五日の読売新聞社説はこの議員同盟総会を受けて「当面、急ぐべきは、衆参の憲法審査会の始動だ。民主党はこれまで、『冷静に憲法を論議する環境にない』として消極姿勢に終始してきた。これは疑問だ。国民投票法に規定されている審査会を動かさないというのは、政治の怠慢だ。国会で成立した法律を無視するようなことは許されない」と述べた。同社説は、憲法審査会が取り上げるべき議論として「国際平和活動のための派兵恒久法」、「選挙権年齢の一八歳への引き下げ」問題を上げている。鳩山民主党幹事長は、彼自身の「新憲法制定議員同盟」顧問就任を機会に「通常国会中に憲法審査会の立ち上げが動きだす可能性がある」と述べたという。当面する国会審議の行き詰まりと福田政権の立ち往生の中で、次期政権や総選挙、そして「大連立」をにらんだ改憲派のうごめきに改めて注意を払う必要がある。 この「議員同盟」はあくまでも「憲法改正」ではなく「新憲法制定」を掲げている。つまり自民党の「新憲法」制定路線に立った議員同盟なのである。民主党幹部がこの議員同盟に役員として参加し、「九条の会」への対抗意識をむきだしにした「国民運動」作りに乗り出そうとしている。 前原誠司・民主党前代表・新憲法制定議員同盟副会長は、イージス艦「あたご」が漁船を・清徳丸を沈めた事件で、「テロリストの船が近づくのにも気づかないとしたら大変なことだ」と海上自衛隊の「危機対処態勢の弛緩」を論じる国会質問を行った。いかにも前原らしいと言ったらそれまでだが、われわれはこの彼らの焦りを過小評価してはならない。 彼らのねらう「憲法審査会」始動に対する反撃の運動を掘り起こそう。 (純) |
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