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国民を忘れた政治家、官僚、メディア 森田実氏インタビュー(JANJAN)
http://www.asyura2.com/08/senkyo48/msg/791.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 3 月 28 日 19:52:48: twUjz/PjYItws
 

http://www.news.janjan.jp/government/0803/0803183084/1.php

国民を忘れた政治家、官僚、メディア 森田実氏インタビュー

神林毅彦2008/03/28

 日本銀行総裁の人事問題などで政治の混迷が続いていた3月中旬。政治評論家の森田実氏に、福田政権や地方が抱える問題などに関して話を聞いた。「政治家は国民を忘れている」と森田氏は指摘する。

 世界的に金融不安が深刻し、国内問題は山積しているなか、日本銀行総裁の人事問題でも政治の混乱が続く(18日20時の時点)。

 支持率が下落する一方の福田政権や、地方が抱える問題などに関し、政治評論家・森田実氏に話を聞いた(3月中旬、電話インタビュー)。


森田実氏(事務所提供)質問: まず、年金記録の問題に関してですが、安倍晋三前首相は「最後の一人までお支払いする」と約束したにもかかわらず、不明な記録が2025万件に上ることが判明しました。おそらくもっと多いだろうという声もあります。にもかかわらず、3月で年金記録の照合作業を終えたことで、公約を「守った」と、舛添要一厚生労働相は胸を張っています。また、町村信孝官房長官も「照合完了という約束を果たした」発言しています。

森田: 年金に関する閣僚の発言は、カラスをサギというがごとし、黒いカラスを白だ、白だと叫んでいるという状況です。要するに、「もう嘘をつくな」という気持ちで人々は見ています。政治家の信用はほんとうに落ちました。年金に関する閣僚の発言に関しては冗談じゃないと、嘘ばかりついていると見ています。

質問: 11日、衆議院議院運営委員会において次期日本銀行総裁候補であった武藤敏郎副総裁に対する質疑で国民新党の糸川正晃国対策委員長が武藤氏にこの5年間の日本経済に関して聞いたところ、武藤氏は日本経済は「ずいぶんよくなった」と答えました。森田さんが講演で地方を訪れる時、経済がよくなったと感じている人はどのくらいいますか?

森田: 地方には一人もいません。東京のごく上層部と名古屋のほんの一部だけです。名古屋はトヨタの上層部だけでしょう。私たちはそういう人たちには会いません。ものすごく楽観的な人は東京の上層部のそのまた上層部のほんの一部だけです。東京でも圧倒的に日本の経済は極めて深刻、戦後最大の危機だとみんな言うようになりました。地方に行くと、「われわれはここまでひどくなるとは夢にも思っていなかった」と言っています。

質問: 「ここまでひどい」とはどのような状況なのですか?

森田: 最大の問題は希望がないということです。良くなる展望がない。政府が信用できない。地方自治体も信用できない。政治家も信用できない。政治家が何かしてくれる可能性はほとんどない。若者が就職できないことです。これは深刻です。親が苦しくなっているので助けたいのですが働き場所がないのです。結局、みんな東京に出てくるわけです。経済状態は苦しくなっていて、みんな生活水準を下げて暮らしています。

 武藤氏はあのように答えなければ若干の同情はあったと思います。糸川議員に対する答一言で、武藤氏が否定されたことが正しくなってしまいました。

質問: 武藤氏が日本経済が「ずいぶんよくなった」と発言した後も、大新聞はこぞって武藤氏に反対する民主党を批判しました。よくここまで一般の人々の生活とかけ離れることができるという批判もありますが、どうでしょう。

森田: そうです。テレビ、大新聞、官僚、与党政治家、大企業のリーダーのなかでも上層部、彼らだけが武藤氏を擁護しているわけです。彼らは、やはり日本経済はよいと思っているのです。彼らは、人々の生活を把握できていないのです。責任は財務省にあります。財務省がその認識(経済がよくなったという)を持って財務省のすべての行政を合理化しているわけです。財務省は絶対的な影響力があります。マスコミに対しても絶対的な影響力があります。このために起こる異常現象です。人々は政府や中央官庁を信用していません。ただ日本の人々が静かにしているのは、批判するといじめを受けるからです。今の政府、マスコミ、中央官庁は非常に力を持っていますから、彼らににらまれたら大変だということで静かにしているわけですが、まったく信用はしていません。

 私などは東京で発行している新聞を読むのはやめたらどうかと言うのですけどね。地方の人々は、東京のニュースを知りたいのです。だから新聞を購読している人がいて新聞社が成り立っています。購読をやめると新聞が崩れます。また、大新聞と大テレビが政府の用心棒なので、新聞とテレビがなくなると政府は崩れます。

 新聞社は基本的に販売店に依存しています。新聞販売店の努力により維持されています。この新聞は気に入らないからといって断っても、販売店が引き下がりません。もし新聞が駅売りであったら、大量の部数が残ると思います。販売店というシステムは公正取引委員会からすれば問題のある制度でしょうが、結局、新聞社の政治力で乗り切ってしまうわけです。自分たちは文化の守り手だなどと言っていますが、今の大新聞やテレビは文化の守り手などではありません。権力になってしまっています。

質問: 福田内閣は日銀総裁人事案が参議院で否決されるのが分かっているにもかかわらず、現在の総裁の任期切れ直前で提出しました。以前の自民党はこのようなことはしなかったという森田さんの意見ですが、現在の自民党が以前と最も異なる点はどこですか?

森田: 野党の状況を把握できていないということです。これは相当深刻な事態です。福田さんのような指導性のない、ある意味、力のない、だらしのない総理大臣は今までいたことはいましたが、そういう時は参謀がしっかりしていました。総理大臣自身が何もできない象徴型であれば、官房長官や幹事長が補っていました。ですが、現在は彼らも象徴型です。間違った体制を組んでしまったということです。ほんとうの指導者がいなくなって、それを補うべき参謀総長もいなくなったということです。私は先日テレビで、「平清盛亡き後の平家のごとし」と言いました。平清盛がいなくなってしまったら、平家をまとめる人間がいなくなり、がたがたになり、水鳥の音におびえて暮らすような時代になってしまうわけです。指導者なき、柱なき家になってしまいました。ちょっと揺れたらつぶれてしまうようなだらしのない組織になったということですね。いよいよ最期の時が来たということですね。

質問: 以前からおっしゃっている政権交代が必要だということですか? 

森田: 政権交代には衆議院総選挙が必要ですが、今の自民党は選挙をしたくありません。ですから、しばらくの間だらだらといくのではないでしょうか。それは最悪な事態です。国民が希望を失いますからね。ですから、政治家が国民を忘れてしまったというのが今起こっている事態なのです。

質問: 武藤氏に続き、元大蔵事務次官の田波耕治・国際協力銀行総裁を新しい日銀総裁に起用する案も参議院で否決されました。支持率が落ち続ける福田政権にとっては、大きな失敗だと見られていますが、どうでしょうか。

森田: 福田政権は人事で二度もつまづくという醜態をさらしてしまいました。自民党内では一気に福田おろしが始まるでしょう。

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