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[暴政]調教失敗のリヴァイアサル(サン?/福田&石原)二匹にケッケと嘲り笑われるウブな日本国民
[副 題]2006年、夏のフランドル(オランダ・ベルギー)旅行の印象/プロローグ
<注記1>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080327
聖バーフ大聖堂(Sint Baafskathedraal)
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カール五世(1500〜1558)が洗礼を受けたというゲント最古の教会、聖バーフ大聖堂(Sint Baafskathedraal)の起源は13世紀まで遡り(ベルギー人の一派ワロン人の寺院として建立の記録が残る/参照、下記・参考URL★)、現在の建築はゴシックの内陣とロマネスクの塔が合体したものとなっています。ゲントは『青い鳥』の作者メーテルリンクの故郷であり、16世紀初めには神聖ローマ皇帝カール5世が、この地で生誕し洗礼を受けています。彼の庇護の下に黄金時代を迎えたこの町は、ブリュージュと並ぶ北方ルネサンス発祥の地です。
★1254. Listed goods in the Walloon region: the gotich choir, the Romanic tower, the presbytery (2nd half of the 18th century), the terrace gardens and the surroundings.(http://www.opt.be/informations/wallonia_attraction/EN/A/V/43683.html)
同聖堂内・祭壇画『神秘の子羊』(ファン・アイク兄弟)
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この教会の聖堂内には15世紀フランドル絵画の最高傑作と絶賛される、ファン・アイク兄弟(Hubert van Eyck/ca1370-1426、Jan van Eyck/ca1390-1441)の祭壇画『神秘の子羊』(The Ghent Altarpiece (wings open) 1432 Oil on wood, 350 x 461 cm Cathedral of St Bavo, Ghent)があります。
欧州(EU)委員会ビル(正面、左横)
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ブリュッセルにある欧州(EU)委員会のビル。この周辺は「EU District」と呼ばれており、この他に欧州議会などEU関連の建物や新鉄道駅などが集中的に建設中でした。たまたま、この地区に隣接するホテル・ルネッサンスに宿泊しました。
街全体が美術館のように美しい古都、ブリュージュの早朝の風景
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ベネルクス三国などと一括りで考えがちですが、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクは国の成り立ちと個性はまったく違います。オランダは現在のアメリカのルーツ(自由主義思想の発祥地という意味・・・、それにニュー・ヨークの前身はニュー・アムステルダム)のような国ですが、大航海時代の約250年に及ぶ日蘭交流史の事実があり、日本は近代化の過程で計り知れぬほどの恩恵をオランダから受けています。
ライデン大学には文献学(日本語の原資料で日本の歴史・文化・社会を研究する手法)を伝統とする「日本学センター」があります。また、オランダを代表する芸術家といえばレンブラントとフェルメールを忘れるわけには行きません。
ベルギーはオランダと対照的にカトリックの伝統が根付いていますが、欧州諸国の中で最も遅れて産業革命と植民地主義の時代を経験した国(1960年にベルギー領コンゴがコンゴ民主共和国として独立)です。また、ベルギーを代表する芸術家といえばルーベンスを忘れるわけには行きません。
ベルギーの歴史・文化的な価値は、オランダ市民社会の誕生〜最盛期(16〜17世紀)に先行する14〜15世紀頃にあります。いわゆるベルギー・フランドル地方には、当時繁栄したブリュージュ、ゲントなどの古都が中世そのままの姿で残されていることが最大の魅力です。なお、ごく大雑把にいうと、ベルギーの北部(フランドル地方)はオランダ文化圏、南部(ワロン地方)はフランス文化圏です。
これら二つの国、オランダとベルギーの特徴を一言で言えば、アメリカ型のグローバリズムの波に洗われながらも、ひたすら溺れるままにならず、貴重な歴史経験から得た知恵を生かして国の経営が行われていることです。無論、地政学的な利点もあるでしょうが・・・。
例えば、CNNなどが報じるところによると、2007年6月10日の総選挙後における北部(フランドル/オランダ語圏)と南部(フランス語圏)の対立で新内閣が発足出来なくなり異例の政治空白が続いていたベルギーでは、キリスト教民主フランドル党(第1党/北部フランドルの中道右派)ら5党が、漸く連立政権の樹立ということで合意したようです(参照、http://www.cnn.co.jp/world/CNN200803180033.html)。
困難な言語問題を抱えながらも、統一国家体制をぎりぎりのところで維持してきたベルギー国民の自国の「強欲な権力の牙」に対する警戒心は相当のものです。そのためにこそベルギーでは法整備の充実が執拗に図られてきた経緯があり、拡大EUの根本にもそのような精神が生かされているようです。
そこには、『国際法の根本として押さえるべき“自然法”と“自然権”の問題』、および『EU(欧州連合)における“権限権限問題”』などの知恵が生きているようです(→ この問題については別記事で詳しく考えます)。
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ともかくも、このような民主主義国家としての姿は、『特定道路財源問題にかかわる連立与党の横暴ぶり』あるいは『新銀行東京問題における石原都政の都民を小ばかにした傲慢ぶり』(下記記事◆参照)に苦しむ日本とは根本的に異質な感じがします。言い換えれば、我が日本は、“リヴァイアサン(必要悪としての国家権力・政治権力)の根本についての誤解”を放置したまま、自業自得の如く混迷の度合いを深めつつあるようです。
◆“世論など気にして政治できぬ(ケッケッケーッ!?)”、可決で一転し石原節が炸裂! ← コレには仏サルコジ(猿居士)もビックリ?
、http://www.asahi.com/politics/update/0327/TKY200803260426.html
<注記>仏サルコジの“Casse toi Pauvre Con !”については、下記■を参照乞う。
■2008-03-02付toxandoriaの日記/今、そこにある危機、日仏・亡国のエクスタシー/恍惚の塩爺・フク爺&サルコジー、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080302
今ではヨーロッパの小国(人口規模、オランダ:約1,500万 ベルギー:約1,000万、国土面積、オランダ:九州の約1.5倍、ベルギー:ほぼ四国程度)に過ぎない両国民の意識の底にはヨーロッパ市民(EU市民/ベルギーの首都ブルッセルはEUの中心地で“EU District”を建設中)としての意識が定着しつつある一方で、彼らはそれぞれの個性的な歴史についても強い愛着を持ち、それを大切にしているように見えます。
恐らく、その深層にあるのは“狂ったリヴァイアサンにド肝を抜かれた、見かけだけ格好が良く美しい神憑りの愛国心”のような<カルト感情>ではなく、“自国の歴史を十分に学習した上での強く奥行きがある郷土愛・家族愛”のようなものではないかと思われます。
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