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2008年03月25日
松下幸之助の新党構想とその挫折
産経新聞に北康利という作家が松下幸之助の自伝を連載している。25日の第29回目では、松下幸之助の新党構想とその挫折が記されていた。私はそれを読んで深く考えさせられた。
松下幸之助が生きていたら今の政治を何と思っていただろうと思う。そして松下幸之助のような人物が、今の日本になぜ現れてこないのだろうと思うのだ。
松下幸之助という人物が立派であったという事はよく聞かされる。本当にそうなのか。どこが彼の立派なところであるのか。私は詳しく知っているわけではない。
しかし北康利の連載を読むにつれ、松下幸之助の非凡さに気づくようになった。1974年に、「崩れゆく日本をどう救うか」という警世の書を世に出し、それが発売半年で50万部も売れた。それだけでも只者ではない。
84歳にもなった1979年に、総額100億円もの私財を投入して松下政経塾を設立し、国民に尊敬され、信頼される政治家を育てようとした事に改めて驚く。
私が25日の産経新聞の記事で特に注目したのは、松下幸之助が松下政経塾の開塾式においてぶち上げたものが「無税国家構想」であったということだ。
納税は国民の義務だとし、節税などおよそ考えた事がなかった松下幸之助が、税金が高いと国民の勤労意欲を維持できないと痛切に感じ、「税金をとるのが当たり前だと考えるのではなく、国家自体が企業のような事業体となって利益を生むような国家事業を展開し、その収益を国民に配分していこうといった発想の転換も必要ではないか」と提言したというのだ。私が漠然と考えていたものと同じだ。何でも国民から搾り取ろうとする今の政治の対極にある考えだ。
松下幸之助が不幸だったのは、財界の中で誰一人として本気で彼につくものがいなかったことだ。彼が夢見た政経塾には、それを「ステップ」にして政治家になろうとするしたたかな連中しか集まらなかったことだ。
松下幸之助は「松下政経塾では間に合わんかもしれん」と言い出して82年に保守新党を作ろうとしたという。既存政党にはもはや期待できない、人を育てるには自分の時間はない、と考えたのだ。
しかし、自民党を敵に回す事など誰も怖くて出来なかった。松下電器の中枢でさえ、ビジネスへの悪影響を恐れて新党構想の火消しに躍起になった。幸之助は断腸の思いで新党構想を断念した。88歳である。
それから二十数年たち、今の政治はもっとひどい。政治はまったく機能せず、国民はおいてけぼりだ。それにもかかわらず、この国の有力者の中で、誰一人として動き出そうとする者がいない。
松下幸之助が生きていたら聞いてみたい。あなたなら今の日本をどうしたいか。あなたの言う保守新党の保守とは何か。対米従属から日本を自立させ、憲法9条を誇る平和国家をあなたは目指そうとしていたのか、と。
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