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http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200803230115.html
社説
'08/3/23
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何とも、もどかしさが募る。神奈川県横須賀市で十九日夜、運転手高橋正昭さん(61)が何者かにタクシー内で刺殺された事件。そこで浮かび上がってきた米海軍側の対応である。
タクシーの車内には、米海軍横須賀基地所属の兵士(22)が所有するクレジットカードが残されていた。在日米海軍当局がきのう、基地から脱走したまま、行方不明になっていたこの兵士を東京都品川区内で発見。身柄を拘束し、基地に移送したという。
兵士は事件へのかかわりを否定していると伝えられるが、高橋さん殺害について何らかの事情を知っている可能性が高い。本来なら、神奈川県警が直接詳しい事情を聴くのが捜査の常道のはずだ。
ところが、兵士が基地内で取り調べを受けている現状では、事情聴取も米軍に頼らざるを得ない。事件への関与が裏付けられ、逮捕状を取った場合も、起訴前に身柄の引き渡しを受けるには、日米地位協定の運用改善合意に基づき、外務省を通じた手順を踏む必要がある。
今のところ、米海軍当局も「日本の捜査当局に全面協力する」と公式発表している。ただ気になるのは、重大な軍紀違反である脱走罪での訴追を先行する可能性があることだ。まず刺殺事件への関与の有無を、最優先で解明すべきだろう。日本側の事情聴取に最大限応じるとともに、積極的な情報提供を求めたい。
いまひとつの疑問は、米側が兵士の脱走を把握した段階で、日本の警察当局などに情報を伝えていたのか、という点である。
この米兵は今月一日から基地に戻らず、米海軍犯罪捜査局が脱走兵として行方を追っていたとされる。「脱走兵が事件に関与している疑いがある」と防衛省や横須賀市に連絡してきたのは、事件翌日の二十日だった。いち早く情報がもたらされていれば、ターミナルなどでの警戒態勢を強化することもできたかもしれない。
それにしても、米兵による凶悪事件が後を絶たない。二月に沖縄県で米海兵隊員が女子中学生に暴行する事件が発生。酒酔い運転や住居侵入の疑いで逮捕される不祥事も相次ぐ。基地内からの外出を原則禁止とする「反省の期間」を設けるなど、在日米軍を挙げて反省したはずではなかったのか。
政府として地位協定の見直しも視野に、規律の徹底を米軍に求めていくことも忘れてはなるまい。
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