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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008032190071043.html
2008年3月21日 07時12分
神奈川県横須賀市汐入町で十九日夜、タクシー運転手高橋正昭さん（６１）＝東京都品川区東品川＝が刺殺されていた事件で、在日米海軍横須賀基地所属の米兵が事件に関与していた疑いが二十日、浮上した。米軍関係者が日本側に明らかにした。同県警も同様の情報を入手、慎重に捜査を進めるとともに、米軍側に協力を要請している。
米海軍関係者によると、タクシー車内から同基地所属の兵士のものとみられる所持品が見つかったという。
この所持品の持ち主の米兵は、所属する米海軍の船が出港した際、基地に帰らず、そのまま所在は不明という。米軍側は所在確認を急ぐとともに、こうした情報を日本側に伝えた。
これまでの調べでは、十九日午後九時二十分ごろ、同市汐入町二の路上に停車してあったタクシーの運転席で、血を流して倒れている高橋さんが発見された。首の付け根部分に文化包丁（刃渡り二十センチ）が刺さったままで、解剖の結果、死因は胸部大動脈を損傷したことによる失血死と分かった。売上金とみられる六万数千円や、背広などに入れてあった現金はそのまま残されていた。
県警は、現場の状況などから、都内から乗った最後の客が刺殺した可能性が高いとみている。
日米地位協定により、日本国内で事件を起こした米兵の身柄が米国側にある場合、起訴されるまで米国側が拘束を続けることになっているが、九五年に運用が改善され、凶悪犯罪の場合は、日本側に身柄を引き渡すよう米国側が配慮することで日米が合意している。
米海軍横須賀基地をめぐっては、二〇〇六年一月、同基地所属の一等航空兵が、同市のパート社員の女性＝当時（５６）＝を殺害、現金を奪ったとして強盗殺人容疑で逮捕された。この時は、日米地位協定の運用改善以降、殺人容疑では初めて、米政府が起訴前の身柄引き渡しに応じている。
今年八月には、原子力空母「ジョージ・ワシントン」が同基地に配備され、初の母港化が予定されているが、今回の事件で米兵が関与していた場合、同問題にも大きな影響を与えそうだ。
（東京新聞）
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