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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008032002096836.html
2008年3月20日 朝刊
<解説>
福田康夫首相が十九日、自民、公明両党の政調会長に示したガソリン税(揮発油税など)の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案の修正方針は、民主党の主張との隔たりが大きく、このままでは修正で合意するのは難しい。
民主党は、与党が道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止を「丸のみ」する姿勢をはっきりさせなければ、修正協議には応じない構え。四月からのガソリン値下げ実現に向けて、ハードルを高く設定している。
しかし、首相の指示は暫定税率の見直しに言及していない。さらに、道路特定財源については、時期や額を明示せずに「一般財源化に向け見直す」としただけだ。
民主党幹部は首相指示について、「ゼロ回答ということだ」と一蹴(いっしゅう)。菅直人代表代行も記者会見で「議論を先送りにする内容が、修正の中身になるとはとても思えない」と強調。首相の指示で双方が歩み寄る可能性は、限りなくゼロに近い。
首相の指示が、民主党の主張と遠く離れた内容になったのは、自民党の道路族議員に配慮したためだ。内閣支持率が低迷し、求心力の低下が著しい今の首相に、道路族議員を押し切る力はない。実際、ある道路族議員は首相の指示の中身を聞き「おおむねいいだろう」と、満足そうな表情を浮かべた。
一方、修正に積極的な公明党の中堅議員は「あいまいすぎる。民主党が乗ってくるはずがない。アリバイ的に指示しただけではないのか」と不満を示した。
自民党の谷垣禎一政調会長は首相から指示を受けた後、記者団に「相当、気合の入った提案だ」と、修正に自信を示した。しかし、前途は険しい。
(本田英寛)
■関連記事「東京新聞」
首相『全額一般化も』 道路財源 与党に修正案作成指示
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008032002096837.html
2008年3月20日 朝刊
道路特定財源の一般財源化に関して福田首相と面会後、記者の質問に答える自民党の谷垣政調会長。左は公明党の斉藤政調会長=19日、首相官邸で
福田康夫首相は十九日夕、首相官邸に自民、公明両党の政調会長を呼び、ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案について(1)道路特定財源は税制の抜本改正時に一般財源化に向け見直す(2)道路整備中期計画は新需要予測データなどを基礎に期間を含めて見直す−を柱とする修正方針で民主党との協議を行うよう指示した。
与党は早急に修正案をまとめ、週内にも民主党に協議を呼び掛ける。ただ、民主党は暫定税率廃止と道路特定財源全体の一般財源化を主張しており、協議が行われたとしても難航は必至だ。
与党政調会長への指示後、首相は記者団に対し「(道路特定財源の)全額一般財源化も視野に入れて検討する」と述べた。暫定税率の廃止については「(税制の)抜本改革の中で考えればいいと思う」と述べた。
首相はほかに、公益法人への支出を含めた道路予算の透明化・厳格化や租税特別措置法改正案の年度内成立も要請した。
ガソリン以外は「与野党で処置」 民主・菅氏
民主党の菅直人代表代行は十九日の記者会見で、政府の租税特別措置法改正案に関し「民主党が賛成できる部分について、与野党で何らかの処置を考えるべきだ」と述べ、国民生活への影響を避けるため、ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率延長部分だけを外した民主党の対案を成立させるよう与党側に対応を求めた。
菅氏は、対案を参院で可決させれば、与党側が政府案を衆院で再可決してしまう可能性に触れ「衆院議長が公の席で『そんなことはやらない』と約束しない場合、手続きがとれない」と述べ、与党側が政府案を再可決しない保証がなければ、月内に参院で対案を可決できないとの考えも示した。
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