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2008年03月20日
5年前に決められていた武藤日銀総裁人事
20日の朝日新聞に極めて興味深い記事が出ていた。武藤敏郎元財務次官の日銀総裁人事は、5年前に小泉元首相の手で決められていたという。それを手伝ったのが福田官房長官(当時)だったのだという。福田首相が武藤総裁にこだわったはずだ。
その記事を一言で言えば、接待疑惑などで責任をとって辞めざるをえなかった松下日銀総裁以来、日銀総裁は速水、福井と二代続いて大蔵事務次官がはずされた。これは大蔵省にとっては耐え難い事で、大蔵官僚のお友達であった小泉元首相が、それを正常に戻す仕掛けを作った。つまり、当時財務次官であった武藤に、副総裁になるよう説得し、福井総裁―武藤副総裁という官僚の常識ではありえない逆転人事を耐え忍ぶことにより、5年後に武藤総裁を実現する事を約束したという。
場所は小泉元首相のお気に入りである赤坂プリンスホテル内フランス料理店「トリアノン」。時は02年12月26日。03年度予算編成後の慰労会の場だという。大蔵省のエース武藤を使って、二代続いて失った日銀総裁のポストを5年後に取り戻す密約が決まった瞬間である。
その予定調和が崩れるということは大変なことなのである。だからここまで大騒ぎになったのだ。
予定調和が狂った最大の理由は参院選での与党敗北による国会のねじれ現象である。しかしもうひとつの大きな理由がある。大連立騒動の結果、小沢一郎が一転して福田政権に強硬にならざるを得なくなったという政治のハプニングだ。
福田首相は19日夜の内輪の会談で、民主党のある方が、武藤さんで結構だ。責任を持って民主党内を説得すると言ってくれた、というようなことを口走ったという。この事を会談に出席していた自民党幹部が記者に漏らした。その事が記者に伝わって20日の報道で一部流れた。つまり民主党内の小沢、反小沢の攻防が、武藤人事に待ったをかけたのだ。
今度の日銀武藤人事の混迷が示してくれたことは、官僚支配の予定調和が、思わぬところからほころび始めたということだ。それをメディアはとっくに知っているのに、正面から書かないのだ。しかしそれでもどこかで書かざるを得ないほど重要な内幕である。だからこのように断片的に漏れてくる。
我々はそれを見抜かなければならない。政治家もメディアも味方につけたこの国の官僚支配体制が、果たして音を立てて崩れていくのか、それともうわべだけの混乱を経て、再びもとの予定調和に戻るのか。
その帰趨に、国民生活がさらに苦しくなっていくのか、蘇生できるかがかかっている。日銀人事総裁の問題は、メディアが書いているような日本経済の将来や日本経済の信用の問題では決してない。国民が知らないところで動いているこの国の支配構造の内輪もめの話なのだ。
そしてその支配構造の内輪もめが、はたしてどこに落ち着くか。それは支配者たちも、それと密着しているメディア関係者も分からなくなってきている、それほど今の日本は崩れ始めているということである。我々国民はしっかりしなければいけない。
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