★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK48 > 510.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008031802096275.html
【社説】
日銀総裁人事 迷走の場合ではない
2008年3月18日
日銀総裁人事が迷走を続けている。政府は福井俊彦総裁と武藤敏郎副総裁の続投案を打診したが、民主党は拒否した。円高と株安は一段と進み、金融市場は大荒れだ。浪費している時間はない。
なぜ、こんな提案になるのか。福井現総裁の任期が切れる十九日が迫り、総裁空席リスクが高まる中、政府側の再提案が注目されたが、出した名前は「福井総裁と武藤副総裁」の続投だった。意外というより、拍子抜けする。
これでは一体、なんのための総裁論議なのか、国民はさっぱり分からない。民主党が直ちに拒否したのも、まあ理解できる。何も変える気がないのなら、最初からそう言えばいい。福田康夫内閣の見識を疑いたくなるような展開である。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は十六日のテレビ番組で、ともに財務官経験者である黒田東彦アジア開発銀行総裁や渡辺博史国際金融情報センター顧問について「国際金融に詳しいことは間違いない」と述べ、反対しない意向を示唆していた。
この発言を受けて、政府が黒田氏か渡辺氏のどちらかを総裁候補に提示すれば決着か、という観測が強まっていた。そこへ水を差すかのような再提案だ。これで議論は、また振り出しに戻ってしまった。
黒田、渡辺両氏は財務省のナンバー2だったとはいえ、予算編成を担う主計局の中心人物だった武藤氏とは異なり、国際金融の専門家である。内外に広い人脈をもち、対外交渉経験も豊富だ。鳩山幹事長も認めるように、総裁候補の資格を満たす人物であるのは間違いない。
福井氏らの続投案は総裁空席を防ぐ一時の「つなぎ」なのか、それとも次の五年間を任せたいのか。それすら政府の意図ははっきりしない。国民も内外の金融市場も大きな関心をもって見守る中、政府の説明は十分でなく不透明とさえいえる。
福田さん、あなたは一体、日銀総裁をどうするつもりなのか。
円相場は一時、一ドル=九五円台をつけ、円高が加速した。東京証券取引所の平均株価も大幅続落し、約二年七カ月ぶりに一万二〇〇〇円の大台を割り込んだ。
米国の住宅ローン問題が背景にあるとはいえ、政府の無策が拍車をかけている面は否めない。日銀総裁も決まらないのでは「政府・日銀が市場介入や大胆な金融政策を打ち出すわけもない」とみて、市場で投機的な動きが強まるのは当然だ。
野党も、政府の提案には何でも反対の態度をとってほしくない。まだ残された時間はある。与野党が歩み寄って、早期決着を望む。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK48掲示板
フォローアップ: