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鳩山由紀夫のメッセージ
みなさん、こんにちは。
日銀総裁の人事がここまで国民のみなさんの関心を呼んだことは今までなかったことでしょう。これも参議院で民主党が主導権を握って国会運営をすることが出来るようになった効果とも言えます。
12日の午前10時、参議院本会議において、日銀総裁を含む7名の人事案件が審議され、日銀総裁候補として政府が推した武藤敏郎氏は賛成106、反対129で不同意となりました。また、副総裁については、日銀出身の白川方明京大大学院教授は同意、インフレターゲット論者の伊藤隆敏東大大学院教授は不同意となりました。最初は12日に採決するならば、本会議を欠席するかもしれないと自民党は態度を硬化させていましたが、最後は折れて、国会が正常化したことは何よりでした。
考えてみれば、政府与党が提案した人事案件を処理する日程を、野党が前倒しして早く処理しましょうと提案したことに与党が反対する理由はないのです。そもそも欠席などありえない話でした。私たちは、19日に任期が切れる日銀の総裁の席が空席になることは望ましいとは思っていません。それで、政府が考えていた14日の日程を二日間前倒しして、12日に採決することを提案したのです。どうやら、与党は任期切れぎりぎりの時期に人事案件を提案して、野党が反対して不同意にしたら野党の責任で総裁が空席になったと批判するつもりでいたのでしょう。あるいは、ぎりぎりに出せば、野党は不同意にしにくいだろうと考えていたのかもしれません。卑劣な話です。
日銀総裁人事を政争の具にしてはいけません。純粋に適否を判断しなければ国民のみなさんにとって不幸です。そこで、武藤敏郎氏が果たして日銀総裁としてふさわしいか否か、真剣に検討していました。正直に申し上げて、武藤氏でも構わないのではないかとの声もありました。しかし、不同意にした最大の理由は、武藤氏が所信表明で「日銀の独立性を担保したい」と述べられたこととはうらはらに「財務省そのものの人物であり、日銀の独立性が担保できない」と言うことです。
財務省出身者は全部だめと申すつもりはありません。ただ、榊原英資早大教授によれば、「日本の財務事務次官は欧米と異なり、ドメスティックで、国際金融に詳しくない」のです。確かに、財務事務次官経験者の武藤氏は主計畑の方で、金融政策についての経験が十分ではありません。所信における答弁を伺っても、昨今の経済に対して、「非常に良くなった」と言う認識で、バブルを生んだ責任も否定し、300兆円の家計の利子所得が失われて多くのお年寄りが貧しい暮らしを強いられていることも、「副作用」程度の認識であり、基本的に官僚の無謬性(過ちを認めない)体質を感じました。財務省が日銀と財務省のたすきがけ人事の復活に躍起になっていること自体がいかがわしさを漂わせています。
こんな状況ですが、私は日銀総裁の席が空くことを望んでいません。何とか知恵を絞らねばならないと思っています。与党の方から、党首会談とか幹事長会談とかを期待する声が上がっているように仄聞しています。現状打開のために、何らかの会談が必要になるかも知れません。しかし、同じ人事案を再び図るなどというナンセンスの声が聞こえます。また、本日、自民党の伊吹幹事長が「衆議院と参議院で結論が異なったときには、行政権の付与は衆議院にあるので、衆議院の結論が優先する」かのごとき発言をしたことは「総裁は両院の同意を得て、内閣が任命する」とした日銀法を無視した参議院無用論につながる発言で、看過できません。このような認識を捨てていただかない限り、会談など無意味でしょう。
与党のみなさん、力わざで問題を解決するのではなく、正々堂々と議論して国民の負託に応えようではありませんか。
2008年第10号(通算第338号)2008/3/12
鳩山由紀夫メールマガジン 338号 [まぐまぐ!]
http://archive.mag2.com/0000074979/
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