★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK48 > 319.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2008/03/11/#000760
2008年03月11日
拉致問題はどうなったのか
年金問題をはじめとして、どの問題も何の解決もなされないまま、次々と新しい問題が生じて、古い問題はメディアから忘れ去られていく。これが今の日本の政治の現状だ。国民生活がよくなるはずはない。
外交問題についての最大の懸案の一つが北朝鮮問題である。北朝鮮問題の核心は拉致問題である。あれほど連日メディアを騒がした拉致問題は、すっかり忘れ去られてしまった感があった。
それを再び思い出させてくれたのが11日の朝日新聞一面のスクープであった。拉致を指示した北朝鮮工作機関の幹部が、金正日総書記の側近であることが日本の警察当局の調べでわかったというのだ。
それが事実であるとすれば、6年前の小泉訪朝における合意が根底から覆る事になる。さもなければ、小泉、金総書記の間で拉致問題にフタをした密約があった事になる。
あの時、メディアは、金正日総書記が初めて拉致を認めたと喧伝した。それが小泉訪朝の最大の成果であると言い立てた。それを根拠に日朝国交正常化を急ごうとした。それが日朝平壌宣言であった。
本当に金正日総書記は小泉首相に謝罪したのか。その時メディアが書きたてたのは、「特殊機関の一部の妄動主義者による犯行」であり、「彼らを処罰した」、という事であった。
そもそも金正日独裁体制の下で、拉致が一部の妄動者の犯罪であった、などという事がありうるはずはないのに、それが謝罪だと強弁して国交正常化を急いだのが、小泉元首相と外務官僚であった。それを書きたてたのがメディアであった。
ところが、今回の警察当局の調査が正しければ、その「一部の妄動者の犯行」そのものが嘘であったという事になる。金正日は、謝罪したどころか、嘘をついたのだ。小泉元首相はまんまと騙されたのだ。さもなければ、金正日と裏取引をしたのだ。
本来ならば、この朝日のスクープを契機に、再び拉致問題は大きく動き出さなければならない。もちろん金正日の北朝鮮は、「拉致問題は解決済み」と言い続けるであろう。しかし少なくとも日本においては、あの時の小泉訪朝の真相を、あらためて今究明する事はできる。そしてそれは是非とも国民の見える形で国会で追及されなければならない。
しかし、残念ながら、拉致問題は動かないであろう。金正日の北朝鮮を動かす前に、日本政府が動かないのだ。与野党の政治家が自らの不明を隠し続けようとしているからだ。
スクープをした朝日新聞の緒方健二編集委員がその事を記事の中で認めている。「・・・逮捕状をとっても北朝鮮にいる人物の身柄を確保できる可能性は低い。政治的な思惑も絡み、ただでさえ容易ではない捜査を、さらに困難にする要因は少なくない」と。
スクープをした朝日新聞がかくも悲観的なのである。何のためのスクープなのか。
平壌宣言にはこう書いてある。
「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決」すると。
平壌宣言とは一体何であったのか。小泉訪朝とは何だったのか。拉致被害者家族の苦痛だけが取り残されている。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK48掲示板
フォローアップ: