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日本国民にとって、毒にはなっても薬にはならない環境税の新設
http://www.asyura2.com/08/senkyo48/msg/145.html
投稿者 スパイラルドラゴン 日時 2008 年 3 月 05 日 09:17:05: 0zaYIWuUC0gac
 

http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/6893806.html より全文転載。

 「らくちんランプ」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2008年3月5日です。今朝のNHKニュースで、野党三党が今年の7月までに「環境税新設法案」を提出する調整協議を行っているとの報道がありました。

(以下転載)

 野党3党 環境税提案で調整 3月5日 5時30分 NHK
 http://www3.nhk.or.jp/news/2008/03/05/d20080305000008.html

 民主党、社民党、国民新党の野党3党は、「世界全体の温室効果ガスの排出量を2050年までに半減させる」とする政府の長期目標では不十分だとして、7月の北海道洞爺湖サミットに向けて、地球温暖化対策を強化すべきだとしています。
 そして3日、3党の幹事長が協議した結果、二酸化炭素の排出量に応じて企業などに課税し、環境対策などに優先的に使う環境税を創設するための法案を共同で取りまとめることで一致しました。

 ただ、環境税について、3党の間では、民主党と社民党が、ガソリン税などに本来より高い税率がかけられている暫定税率を廃止し、環境税を新設する構想を描いているのに対し、国民新党は、道路特定財源の問題とは切り離して検討すべきだとしているほか、目的税とするかどうかでも、意見の違いがあります。

 3党では今後、政策責任者らで協議し、できるだけ早く合意を得たいとしていますが、法案の取りまとめに向けた調整は難航することも予想されます。

(転載終わり)

 野党3党の政策責任者が誰なのかは知りませんが、国会議員の間で環境税新設の議論を始める前に、国民からの意見を聞く「環境税タウンミーティング」場を設るべきだと思います。
 当然その会議の開催が、以前政府が行っていた「やらせタウンミーティング」の二の舞にならないように、環境税新設に賛成と反対の立場の学識経験者をパネリストに招き、会議の開催を事前に広く告知するのは、言うまでもありませんが。

 1年前から私は、社民党の保坂展人衆院議員を支持していますが、もしも保坂展人さんが国民からの意見を聞く場を設けずに、環境税新設に賛成を表明したならば、保坂展人さんの支持も支援活動も完全に止めます。当然、環境税新設に賛成する地元選挙区の国会議員には、絶対投票しません。

 ちなみに私は、「日本国民にとって、毒にはなっても薬にはならない環境税の新設」には絶対反対であり、私が推薦する「環境税タウンミーティング」に招待する、環境税新設に反対する側の学識経験者は、中部大学の武田邦彦教授です。

 その中部大学の武田邦彦教授が、御自身のHPに掲載されている「CO2を減らすと何がおこるの?」の記述は、国会議員が環境税新設を議論する前に、必ず読んでおくべき文章だと思いますので、以下その全文を転載します。

(以下転載)

 コーヒータイム CO2を減らすと何がおこるの?
 http://takedanet.com/2008/02/co2_6dcf.html

 CO2を減らしたら何が起こるのだろうか?

 日本では「ひとり一人ができること」と呼びかけ、CO2を減らそうとしている。でも、今から10年前、政府やNHKはどう言っていただろうか?

 当時、彼らが言っていたこと・・・

 「皆さん、地球温暖化を防ぐのはひとり一人の努力ではだめで、世界の国が一致団結しなければ成し遂げられません。だからこそ京都会議が大切なのです」

 でも、京都議定書は失敗し、現在、世界で実質的にCO2の削減をしているのは日本だけだ。もともと京都議定書で「実質削減義務」を負ったのはアメリカ、カナダ、日本だが、アメリカとカナダが離脱しているので、今は155ヵ国のなかで日本だけがやっている。

 仮に、日本人が「ひとり一人」努力して、CO2の排出量を6%減らしても、温暖化はまったく変わらない。それは10年前に政府やNHKが言っていたことと合致している。つまり「温暖化は世界中の人が一致団結しないとダメ」というものだからだ。

 世界から見ると日本は奇妙な国だ。世界一の省エネルギー国、世界でたった一ヵ国だけCO2の削減をやっている。中国とインドが80%も増加させているなかで、数%を減少させても意味はなく、アメリカもEUも削減を止めている。

  思い出すのは、太平洋戦争の末期のことだ。

 陸軍は南方からの要請を受けて、徴兵した兵士を輸送船に乗せてフィリピンにおくる。でも、すでに制海権はアメリカの手にあり、輸送船は次々と撃沈され、すし詰めにされた兵士は銃を持ったまま沈んだ。

 兵士、ひとり一人に人生があった。兵士の人生は彼を送った「偉い人」と同じ価値をもつ人生だった。

 でも、軍隊もお役人も自分が命じられたことだけをした。輸送船が撃沈されるのが判っているのに、兵士を送った。陸軍の幹部の任務は「送ること」であり、「撃沈される」のは護衛する海軍の責任だからだ。

 政府や軍の上層部の多くの人が、任務の重さに耐えかねて「日本が勝利するために何をするか」は考えられなかった。自分の保身だけで精一杯で、とにかく兵士を輸送船に乗せることだけだった。

 幹部に厳しい見方だが、彼らは自分だけが人間だと思っていた。兵士が死ぬことと自分が死ぬことは同じではなかった。

 現在の温暖化に対する政府やNHKの態度もほとんど似ている。

 日本人が必死になってCO2を減らしても、温暖化が止められないことは判っている。それは十分、承知しているが、日本の偉い人は「温暖化」というあまりの大きなテーマにとまどい、それを「CO2を削減させる」ことにしてしまった。

 でもCO2を減らしても何も変わらないが、それで良いのだ。戦時中、輸送船が撃沈されるのが判っていても、ただ漫然と船を出していた軍部と同じなのだ。

 繰り返すが、CO2を削減するのに国民がどんなに苦労しようと、その効果がまったく無い。でも、どうして良いか判らないのだ。これまであれほど、「減らせ、減らせ」と言い続けてきたのだから、今更、自分のメンツを考えると引き返せない。

 首相も弾みのついたCO2削減運動を止めるほどに意志は固くないようだ。

 「温暖化を防ぐために、あなたには何ができますか?」という問いかけは欺瞞に満ちている言葉で「日本人の誠」から大きく離れる。だから、この言葉は、決して純真な子供に教えてはいけない。

 かつてフィリッピン沖で無念の最後を遂げた兵士とその母のためにも。

(平成20年2月22日 執筆) 武田邦彦

(転載終わり)

スパイラルドラゴン拝

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