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田中龍作2008/03/04
海上自衛隊のイージス艦「あたご」の漁船との衝突事故で、あまりにも証言が二転三転する防衛省背広組のトップ、増田好平事務次官の懲戒・解任を石破防衛相に求める公開質問状が出された。事故当日、防衛省が「あたご」航海長を呼び出して行った事情聴取についての同次官の説明が「虚偽か無能」を理由としている。
海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船に衝突し沈めた事故で、証言が二転三転する防衛省・海上自衛隊のなかでも、背広組(内局=事務方)トップ、増田好平事務次官の対応ぶりは目を覆うばかりだ。あまりの無能・無責任ぶりに、市民の間から次官解任を求める動きが3日、表面化した。
海上自衛隊横須賀総艦部。門扉越しにイージス艦「あたご」も見える。(いずれも筆者撮影)
「増田次官の発言は虚偽を述べているとしか思えない。もし真実を述べているのであれば、能力不足である」として護憲・平和問題に取り組んでいる弁護士やジャーナリスト有志が同次官の解任を求める公開質問状を3日、石破防衛相に郵送した。
問題とされているのは、事故発生当日の2月19日午前、「あたご」にヘリを差し向けて航海長を防衛省に呼び戻し、最高幹部が行った事情聴取をめぐる増田次官の発言だ。海上保安庁の捜査が入ることが明らかなのに、同庁の了承も得ずに聴取したとされる一件である。航海長は衝突直前の当直士官として、刑事的な責任問われる可能性が最も高い責任者だ。口裏合わせ」「捜査妨害」と受け取られても仕方ないケースだ。
2月27日の防衛省での記者会見で、記者団から「どういう認識でヒアリング(聴取)に参加したのか?」と問われ、増田次官は「記録が残ってない」「記憶にないと言った方が正しいと思います」などと答えた。しかも、その翌日には「(事務方の)1人がメモを取っていた」など右往左往に明け暮れている。これらは逐一報道され、ただでさえ衝突事故で国民から買っている不信感を増幅させている。
増田事務次官の解任を求める公開質問状を出した弁護士たち(参院議員会館で)
市民100人の署名を添えて出された今回の石破防衛相への質問状は「貴殿(石破防衛相)を交えて行った聴取の内容について、増田次官が記憶にない、というのは事実ですか? もし事実であるとすれば、増田次官は記憶する能力が一般の人より劣っているのですか?」など3項目から成っている。「重大な事故の聴取に立ち会っていながら記憶がないなどとするのは虚偽である。もし本当に記憶がないのなら、防衛事務次官という要職に置いてはいけない」という論理だ。
弁護士たちは10日までに石破防衛相から納得のいく回答が得られなければ、自衛隊法と施行規則に基づく懲戒申し立てを行うことにしている。さらに、懲戒申し立てを行ったにもかかわらず石破防衛相が増田次官を処分しなかった場合は、行政訴訟を起こして解任まで持ち込む構えだ。
自衛隊法第58条は「隊員は常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない」と定めている。公開質問状を出した弁護士たちは、増田次官の発言が虚偽だとすれば、この規律に違反していることになる、としている。
自衛隊員の規律違反については「何人も隊員に規律違反の疑いがあると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる」とする「自衛隊法施行規則第68条」がある。一般の人でも自衛隊員の懲戒を防衛相に対して申し立てることができる規則だ。増田次官のような背広組にも自衛隊法が適用される。
日隅一雄弁護士は「増田次官が真実を述べていないことは明らか。国民の前でウソをついて済むと思っていること自体がおかしい。一般市民でも懲戒請求ができるということを今回示した」と話す。
防衛省・海上自衛隊の幹部の発言をめぐっては、ウソがポロポロと連日のように明るみに出ている。航海長の聴取についても、石破防衛相自らが「海上自衛隊横須賀総艦部から海上保安庁の横須賀海上保安部に事故当日の午前9時台に電話を入れた」と言う。
しかし、海上保安部のだれに知らせたのか明らかにできず、当の海上保安部は「全員に確かめたが、誰一人として海上自衛隊からの電話は受けていない」と完全否定。これは横浜の第3管区海上保安本部が2日の記者会見で明らかにした。前後のいきさつから、「横須賀総監部から海上保安部への電話」など実際にはなかった、と受け取る向きの方が多い。
「ウソは泥棒の始まり」という。こんな防衛省・自衛隊では、たとえ日本にミサイルが撃ちこまれる事態になっても、「記憶にない」「記録しなかった」と言い出しかねないのではないか。
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