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http://www.amakiblog.com/archives/2008/03/04/#000745
2008年03月04日
消滅するパレスチナ国家
「選択」という月刊誌の最新号(3月号)に「パレスチナ問題の出口が見えてきた」という記事を見つけた。筆者の名前はないが、中東情勢に詳しい者の手による記事と思われる。
1948年のイスラエル国家の以来繰り返されてきた流血は、どうやらパレスチナ国家の消滅という形で終わることになりそうだ、というのである。
もっとも、筆者の言うとおり、パレスチナという国は歴史上一度も存在した事はなく、パレスチナ人という民族もどこにもいなかった。
英国の植民地であり、委任統治であった、かつてのオスマントルコ領の一部に、アラブ人とユダヤ人が混在して住んでいた。そこにいきなりユダヤ人国家が出来て、その地を追われて難民になったアラブ人が、「パレスチナ人」というアイデンティテイを求めただけなのだ。
だから、「消滅するパレスチナ国家」ではなく、「消滅するパレスチナ国家の可能性」であり、「消滅するパレスチナ建国の夢」とか「消滅するパレスチナ建国の悲願」と言ったほうが、より正確であろう。
その消滅のシナリオについて筆者はつぎのように予想する。
反米、反イスラエル強硬派ハマスの地となったガザは、イスラエルの弾圧と封鎖によって監獄と化し、もはやガザの150万人はエジプトへ流入するしか生き残れない事がわかった。封鎖壁が破壊されガザの住民が怒涛のように流れ込んだ事件がそれを証明した。ハマスは壊滅され、ガザはもとどおりエジプトの一部となる。
その一方で、ヨルダンから切り離された西岸は、ユダヤ人入植で虫食いだらけになったミニ国家として見せ掛けの独立を実現し、いずれヨルダンとの連合国家を形成することになる。
見事なパレスチナ問題の終焉予想である。出口シナリオである。私もそう思う。
しかしその筆者と私の間には、一つだけ大きな違いがある。そのシナリオを進めようとすれば、多大の犠牲と流血が避けられないということだ。人間の良心がそれに耐えられるかということだ。
それよりも、なによりも、そのような政策を強硬に進めようとする米国とイスラエルに、未来があるのか、である。
私は、そのシナリオが、米国とイスラエルの描くシナリオであることは認めても、そのシナリオが最終的なシナリオになるとは決して思わない。最後は公正で永続的な平和を目指すシナリオに行き着くほかはない、米国もイスラエルのその事に気づかざるを得ない時が来る、と確信している。
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