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http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20080407k0000m070118000c.html
発信箱:作戦完了=坂東賢治(北米総局)
「ミッション・アカンプリッシュト(作戦完了)」。5年前の5月1日、米空母「エーブラハム・リンカーン」の艦上でイラクでの「大規模戦闘終了」を宣言したブッシュ米大統領の後方に横断幕が翻っていた。
以来、この言葉は見通しの悪さを示す意味を持ち、ブッシュ政権批判に使われてきた。ブッシュ氏自身が発言したわけではないが、明らかにテレビ映りを狙った演出だったから、自業自得だろう。
最近ではイラクと離れた文脈でも使われる。オバマ上院議員は昨年来、「作戦完了というのは早すぎる」と本命視されていたクリントン上院議員をけん制し、言葉どおりに形勢を逆転させた。
イラク開戦5年に合わせ、「作戦完了」を題にしたパロディー本も出版された。副題は「我々はなぜイラクの戦争に勝ったか」。今となっては噴飯ものの政府高官や専門家の発言を並べ、見事な政治批評になっている。
結局は存在しなかったイラクの大量破壊兵器保有をめぐる政権首脳のウソの数々。戦争期間、戦費の過小評価。愛国主義の押し付け。政権転覆後の原油価格下落を主張していたホワイトハウスの経済顧問もいた。
多少の言葉の粉飾や見通しの誤りはどの政府にもあるだろう。しかし、まとめて読まされると、ブッシュ氏の支持率がトルーマン、ニクソンに次ぐ戦後ワースト3に低迷する理由がわかる気がする。
「後の世代は評価してくれる」。最近のブッシュ氏の口癖だが、米国民の過半数は否定的だ。これも将来、冗談のタネになるかもしれない。
毎日新聞 2008年4月7日 0時08分(最終更新 4月7日 0時14分)
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