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リベラル!! リベラリスト(自由主義者) 白川勝彦Webサイト HOME
永田町徒然草 No.763
3月29日の永田町徒然草No.754「一字一句も変えられないと・・・?」のちょっと謎めいたタイトルを付けて論じたかったことは、「租税特別措置法改正案は税法として重大な欠陥があるのではないか」ということだった。 なぜ明快にそう断じなかったのか。3月29日という時点では、一応まだ論理的に欠陥法案と断じることができなかったからである。私としてはもう少し考察しなけれならない論点もあった。また他の人の意見ももう少し聴きたかったのである。たった一人で、誰も問題にしていないことに疑問を呈するのは、ドン・キホーテでもなければそんなに簡単にできることではない(笑)。 私は衆議院法制局をはじめとする専門家の話を聴き、何人かの親しい法律家と真剣に議論した結果、「いま参議院で審議されている租税特別措置法改正案は、重大な“欠陥法案”である」という結論に達した。そのことを論じたのが、昨日の永田町徒然草No.762「これは、“夢か現か幻か”(その1)」である(白川注:タイトルは変更した)。重複は避けるが、欠陥ある租税特別措置法改正案がたとえ法律になったからといっても、欠陥がなくなる訳ではない。 租税特別措置法改正案が法律になるケースは、二つある。参議院が賛成多数で可決した場合とこの租税特別措置法改正案が衆議院の3分の2以上の賛成多数で再可決された場合である。どちらのケースで法律になった場合でも事態は同じである。前者のケースはまず考えられない。考えられるのは後者のケースだ。衆議院の3分の2以上の多数で再可決されたからといって、この欠陥が治癒される訳ではない。 こうした議論を3月31日が過ぎるまで大っぴらしなかったのは、戦術的かつ戦略的な配慮からであった。政治的議論は、できるだけ具体的にしなければならない。そうなるかもしれないという時点でいくら熱心に問題提起をしてみても、切迫感と説得力がいまひとつないのである。 道路特定財源の一般財源化の賛否について、私があまり執拗に論じないのもそのような理由からである。福田首相は“2009年度から道路特定財源を一般財源化する”と表明したが、現在の問題(争い)を解決することに役立のだろうか。道路特定財源の暫定税率が高すぎることが問題なのである。暫定税率で引き上げられた道路特定財源の税収が多すぎるから、出鱈目な使い方が行われるのである。暫定税率をどうするか具体的に触れないで、「2009年度から道路特定財源を全額一般財源化する」といわれても、国民は決して納得しないであろう。当たり前のことである。 租税特別措置法の施行日など、ふだんは誰も関心をもたないであろう。耳を傾けてもくれないであろう。しかし、“一体いつからガソリンが高くなるのか”は、いまや国民的関心事である。衆議院で再可決されたら直ぐに上がるといわれている。マスコミもそうなると当然のことのように報道している。本当にそうなのだろうか。 なぜそうなるのか。それで問題は本当にないのか。そういうことを明らかにし、問題があればそれを追及するのが、ジャーナリズムの役割である。少なくともかつてのジャーナリズムには、その気概があった。ジャーナリズムがその気概をなくしたのであれば、私たちがインターネットを使ってやればよい。国民はワールドワイドのインターネットという情報伝達手段を手にしているのである(http://www.の“www”はworld wide websiteの頭文字のだそうだ)。すでにハードはある。これをどう使うかは、“国民の政治力”である。 自公“合体”政権が再可決しようとしている租税特別措置法改正案には、重大な欠陥がある。これではガソリンや軽油の価格を引き上げるとき、必ず大きな“混乱”が生じる。混乱が生じるのは、暫定税率が課せられる始期が法律に明記されていない欠陥があるからだ。いまはその点を徹底的に追及することである。そうすると戦いはまた次のステージに移る。そうなったとき、次の問題を論じることにしよう。あまり先読みはよくない。山は1歩一歩と確かな足どりで攀(よ)じ登るものだ。政治も同じである。 それでは、また。 |
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