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2008年03月02日
山崎正和氏の米国金融市場主義批判を笑う
2日の読売新聞「地球を読む」を読んで苦笑をせざるを得なかった。サブプライムローン問題を引き起こした米国の金融市場中心主義を、劇作家山崎正和氏がこれ以上ないほどの表現でこきおろしているのだ。
・・・この人為的災害の原因を究明し、責任を追及する声がなぜ高まらないのか。これは誰かの陰謀なのか、それとも市場経済が犯す不可避的な誤謬なのか。もし前者なら捜査と断罪が急がれるべきであろうし、後者であれば問題は更に深刻で、人類は市場経済そのものの是非を見直さなければなるまい・・・と。
大上段に構えた彼の批判は続く。
・・・どんな素人目にも、今回の事件の粗筋だけは明らかだ。強欲な金貸しが貸出先を増やそうとして、普通なら借金をしない(できない)低所得者層に目をつけた・・・これは金融工学の勝利なのか、それとも巧妙な集団詐欺なのか・・・
そして、ルービンやポールソンを財務長官に送り出した、米国金融資本主義の権化であるゴールドマン・サックス社が、ひとり40億ドルもの利益をあげていた事について、インサイダーまがいではないかとまで、次のように言うのだ、
・・・この証券会社のディーラーはなぜか弱気の立場をとり高値の段階で売り続けたという。とくに目を惹くのは、ある段階で同社が強気の顧客の買い求めに応じながら、同時に自社の資金を使って売り続けていた点である。その際彼らは逆の立場をとる顧客に対して、自社の持つ情報を与えようとしなかったという・・・ついにアメリカ連邦捜査局が動き出し金融機関など14社の捜査に入ったらしい・・・
極めつけは論評の最後のほうで述べられている次のくだりである
・・・いま、真に求められているのは、ジャーナリズムと研究者の総力をあげて、今回の災害の本質を抉り出す事である。いったい低所得者に不動産の値上がりをあてにさせてむりな借金を負わせ、庶民に居住の不安を与えてまで貸付量を増やすのは、健全な金融活動なのか。金融業者が貸し倒れの危険を独力で担う事を避け、貸金を証券にして売り飛ばすのは、商道徳にかなうのか・・・
彼の言っている事はまったく正しい。しかしその言葉が彼の口から出るところが笑ってしまうのだ。
山崎氏は60年代の安保闘争の頃から、保守・親米の自民党政府を支える御用学者として育てられた一人だ。あのイラク戦争の時も徹底して米国支持を繰り返した。小泉首相を擁護した。今では中教審会長を嬉々として受け入れるような政略の塊のような有識者の一人である。
そのような人物が、軍事力とならんで米国の世界支配の両輪である金融資本主義を、ここまで批判する事は、あまりにも不自然だ。米国が聞いたら怒るだろう。反グローバリズムの連中が聞いたら、それは俺たちのいうせりふだ、と苦笑するに違いない。
ひょっとして大損をさせられた腹いせではないかと思ったりもする。
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