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イージス艦「あたご」が清徳丸を沈めた 許せない!漁船を踏みにじる「軍」の論理 = 週刊かけはし
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/827.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 2 月 29 日 20:33:35: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame080303a.html

米軍も自衛隊も住民を守らない 防衛省・海自の情報隠し糾弾!

すべての責任は「あたご」にある

 二月十九日午前四時七分頃、房総半島の野島岬から南南西約四十キロの海上で、海上自衛隊の最新鋭イージス艦「あたご」(7750トン)が、千葉県勝浦市のマグロはえ縄漁船「清徳丸」(7・3トン)と衝突した。清徳丸は船体が真っ二つに割れ、乗組員の吉清治夫さんと息子の哲大さんが行方不明となった。海上保安庁や地元漁協の僚船の必死の捜索にもかかわらず、二人はいまだに発見されていない。
 われわれは、さまざまな報道から判断して、今回の衝突事故の責任が全面的にイージス艦「あたご」にある、と結論する。
 @事故当日の二月十九日、防衛省と海上幕僚監部は、「あたご」が清徳丸の「緑の灯火」を発見したのは衝突の二分前の午前四時五分頃だったとしていた。しかしその翌日の二十日には、一転して漁船を視認したのは衝突十二分前の三時五十五分だった、に変わった。
 防衛省側の発表に対し漁協側は、午前四時五分に「あたご」が視認した「緑の灯火」とは清徳丸のものではなく、「あたご」に気づいて衝突回避行動を取った僚船・金平丸のものだった可能性が高いと会見で発表した。そして清徳丸と共に行動していた僚船の先頭にいた幸運丸のレーダーが「あたご」を捉えたのは、午前三時三十分だったことも幸運丸の船長の証言で明らかになった。小さな漁船よりもはるかに高性能のレーダーを備えた「最新鋭艦の「あたご」が、三十分から一時間前に漁船を把握できなかった、ということは考えられない。
 可能性としてはレーダー監視担当の「あたご」の乗員がレーダーのモニターをチェックしていなかったか、あるいは気がついていたとしてもそれを無視した、ということである。
 A当時、周辺の海域にいた漁船は七〜八隻とされているが、そのいずれも北進する「あたご」から見て右舷に位置し、海上衝突予防法による回避の義務は「あたご」側にある。しかし、防衛省の発表によると衝突十二分前に「あたご」の見張り員が漁船を視認したはずであるが、それ以後も、「あたご」は衝突一分前まで回避行動を取らず「自動操舵」による直進を続けていた。
 「あたご」のブリッジには約十人の乗組員がおり、艦の前方・後方・左右にも見張り員がいた。しかし見張り員は「緊急性」を感じなかったという理由で、三時五十五分に漁船の灯火を発見して以後も、継続して目視を続けなかったという(「朝日」2月23日夕刊)。つまり「小さな漁船のことなど気にしなかった」のだ。石破防衛相も船の航行が多い同海域で大洋航海時と同様の「自動操舵」を続けていたことについて「常識では考えられない」と国会答弁せざるをえなかった。
 さらに衝突一分前の午前四時六分に、「あたご」が全力後進をかけた時点でも「汽笛」による警告を発信していない。これも海上衝突予防法違反である(「毎日」2月22日朝刊)。その上、船舶安全法は民間船を対象にしたものであるため、自衛艦には事故直前の速度や方位などを記録する「航海情報記録装置(VDR)」が取り付けられておらず、海上保安本部の調査では「あたご」側の航跡記録が残っていないのだという。これは「機密保持」を理由に、自衛艦が法の枠外にあることを示す重大な事実である。
 防衛省、海上幕僚監部、第3管区海上保安本部の取り調べが続いているという理由で「あたご」の行動にかかわる情報を隠蔽し、「あたご」艦長の身柄を隠し、乗組員にも箝口令を強いている。われわれはこうした防衛省の態度を厳しく糾弾し、すべての情報を開示することを要求する。

「危機管理」の問題ではない

 今回の事件で思い起こされるのは、一九八八年七月に横須賀沖で、潜水艦「なだしお」が大型遊漁船「第一富士丸」と衝突して沈め、「第一富士丸」の乗客ら三十人が死亡した事件である。この時、「なだしお」側は航泊日誌、海図を改ざんするなどの違法行為を侵してまで、情報開示の要求に必死に抵抗し、責任を回避した。当時の「なだしお」艦長は「前進強速」の司令を出して航行を継続し、大幅右転などの回避行動を取らず、「第一富士丸」を沈め、多くの人命を犠牲にしたのである。
 この軍事優先、情報隠蔽、責任回避のあり方は、今回の「あたご」の行動でもはっきり見て取れる。最新イージス艦「あたご」はハワイ沖で、対空迎撃ミサイルSM2の発射訓練を行なった後に横須賀に戻る途上にあった。東京湾入り口の浦賀水道に近く、大型船の航行も頻繁で、しかも多数の漁船が漁場に向かう午前四時という時刻に、他の船舶を押し退けて進む「あたご」の行動は、まさしく「軍の論理」がもたらしたものである。「相手がよけてくれると思っていた」。これが「あたご」乗員の証言である。
 軍隊は決して「住民の安全」を守ろうとするものではない。軍にとって優先されるものはあくまで自分自身なのであり、陸上において住民は、そして海上において一般船舶は「邪魔者」にすぎないなのである。今回の「あたご」が清徳丸を沈めた事件の本質はここにある。
 報道や議会の論議では、石破防衛相に情報が伝わったのが一時間半後、福田首相に伝わったのが二時間後であるということに批判が集中している。「危機管理がなっていない」というのがその論旨だ。もちろんわれわれはそれが、防衛省・自衛隊の「自己防衛」的官僚主義の現れであると考える。
 しかし、軍の「自己防衛」本能が何よりも、住民の生命や安全に敵対するものであるというところに批判の重点を置かなければならない。渡辺行革相にいたっては「もしこれが自爆テロの小型船だったらと背筋の凍る思い」などと述べ、自衛艦が漁船を沈めた惨事を、あたかも「テロリスト」が小型船で自衛艦を攻撃したものであるかのように見なして、危機対応・戦闘能力の強化を訴えるありさまである。それは自衛艦が周辺の船舶をすべて「敵」「テロリスト」と判断して臨戦態勢を取れ、ということにつながらざるをえない。

日米軍事同盟と基地強化にNO

 千四百億円という巨費をかけて建造された最新鋭・ハイテクのイージス艦が引き起こした今回の事件は、あらためて米国の「対テロ」戦争に従属的に組み込まれ、米軍の指揮下に一部隊として実戦に参加する今日のグローバルな「日米同盟」=「米軍再編」の実態を示すものである。それはミサイル防衛=PAC3の配備がそうであるようにもっぱら先制攻撃戦略の一翼を担うための軍事力なのである。最新鋭イージス艦は、小型漁船の航行の安全などをおもんばかることはない。
 二月二十九日には、愛知県の航空自衛隊小牧基地に自衛隊初の空中給油機KC767が配備される。KC767の導入は、中継基地を経ずに中東から太平洋に至る海外派兵能力を飛躍的に強化するものとなるだろう。それは自民党のプロジェクトチームが検討を開始した「恒久派兵法」の制定の動きとも連動している。そしてこの「恒久派兵法」に関しては、新テロ特措法への「対案」として民主党が提出した「アフガニスタン復興支援法案」の中にも盛り込まれている。
 沖縄・米海兵隊員の中学生少女への性暴力、「あたご」が漁船・清徳丸を沈めた事件はいずれも軍による民衆への犯罪であるが、それが今日の「米軍再編」、防衛省・軍事産業疑獄、「戦争ができる国家」づくりと幾つもの線でつながっていることをつかみとろう。
 今回の事件が起きた海域は、多くの漁船にとって豊かな漁場であるとともに、横須賀を基地とする自衛艦や米第七艦隊の艦船が頻繁に往復する航行域にもあたっている。そして八月十九日には米原子力空母「ジョージ・ワシントン」が、この横須賀に配備されようとしている。それは漁船をはじめとする多くの一般船舶、そして周辺住民にとっても大きな脅威が今以上に増すことを意味する。
 「戦争の海」を許さない。「ジョージ・ワシントン」の横須賀母港化に反対しよう。軍事基地をなくす運動を広げよう。  (2月24日 平井純一)
 

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