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(回答先: ”石破氏は詭弁を弄することにかけては天下一品”(森田実の言わねばならぬ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 29 日 10:21:48)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080229k0000m070150000c.html
社説:混迷防衛省 首相官邸は事態を放置するな
もはや首相官邸が傍観していられる状況ではない。事態は日に日に深刻さの度合いを増している。
イージス艦「あたご」が漁船に気づいた時刻の修正遅れに続き、防衛省が隊員からのヒアリングに際し、海上保安庁側に事前通告していたかどうかで混乱に拍車がかかっている。事故当日にあたごの航海長をヘリコプターで本省に呼び寄せた一件だ。
海上自衛隊の海上幕僚監部は、26日未明の記者会見でいったんは海保の了承を得ていなかったとの見解を示したが、途中から「横須賀地方総監部が連絡していた」と訂正し、吉川栄治海幕長もそれを踏襲した。
ところが、捜査に当たっている海保側は通告を受けた形跡がないと反論し、石破茂防衛相は27日になって不適切な聴取だったと認めた。さらに増田好平防衛事務次官は、事前通告の情報そのものが虚偽であった可能性を否定しなかった。
修正に次ぐ修正。目を覆いたくなるような国防組織の醜態である。
海自が当事者となった重大事故に際し、防衛省が独自に隊員から事情を聴き、事故の概要を掌握することは非難されるべき行為ではない。何も調査しない方がむしろ問題だろう。
海保の捜査権に配慮し、明確に了承を得ていればすんだことである。口裏合わせではないかとの疑念に対しては、自らの行為を詳細に明らかにすることで払拭(ふっしょく)するしかあるまい。
問題は、防衛省が一連の動きについて体系的な事実の公表ができず、何日も経過してから「実は……」という報告が繰り返されていることだ。航海長からのヒアリングに直接関与していながら、その事実を明らかにしてこなかった石破防衛相自身の言動も、自衛隊不信に輪をかけている。その政治責任は重大だ。
現場と海幕、海幕と内部部局、内局と防衛相、それぞれの段階で度しがたい壁が存在しているのではないか。防衛省・自衛隊が、情報の集約、伝達態勢に構造的な欠陥を抱えているのは明らかだ。
それは組織の弱さであるばかりか、自衛隊運用の最重要原則である文民統制を危うくする病巣だ。
防衛省が当事者能力の乏しさをさらけ出し、他方で海保が防衛省に異例の「口止め要請文」を送りつけるなど、事故をめぐって政府全体が支離滅裂な印象を与えている。なのに首相官邸の動きは緩慢過ぎる。
福田康夫首相は防衛相に組織の抜本改革を進めるよう指示した。野党の更迭要求に対抗する狙いがあったようだが、現状は組織形態を論じる以前のレベルだ。
自衛隊の最高指揮監督権は首相に属する。もはや防衛相任せにせず、首相と官房長官が前面に出て自衛隊の綱紀粛正と事故情報の開示、再発防止策の作成に乗り出すべきだろう。
毎日新聞 2008年2月29日 0時06分
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