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(回答先: 【岩国基地 厚木機能移転問題】特集:深層を追う―岩国・厚木基地関連の主な事故(中国新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 28 日 17:29:18)
http://www.chugoku-np.co.jp/iwakuni/Special/Is08021801.html
基地拡張の検証必要 軍事評論家・前田哲男氏に聞く '08/2/18
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▽「愛宕山」で国へ弱み
岩国基地の沖合移設事業の意味を、どうとらえればいいのか。在日米軍基地問題に詳しく、一九九〇年代に沖合移設の実情を取材したこともある軍事評論家の前田哲男氏(69)に聞いた。
―沖合移設は本来、負担軽減が目的でした。
空母艦載機部隊の移転は、地元の思いを逆手に取った目的の逆転だ。ただ、沖合移設は国側にとって最初から基地の拡張が狙いだったかというと、その証拠はない。
そもそも六八年に九州大にファントムが墜落し、福岡市民が板付基地を返還させたのに触発されたのが沖合移設。騒音に加え、工場地帯に飛行コースがかかる滑走路を移してほしいという市民感情を官民で共有して国と交渉した。ところが交渉過程で国にイニシアチブを握られて力関係が傾き、現滑走路の返還という前提が崩れていった。
―なぜですか。
着工段階で地元はボールから目を離し、色気を出したために本質からずれてしまった。それが愛宕山開発だと考えている。バブルの幻惑があったのかもしれない。九五年の沖縄の少女暴行事件以後、基地の負担を「弱いところ」に玉突きで移すという発想が出てきていた。その弱いところが、岩国だった。国に弱みを握られた背景が愛宕山だったと思う。
―米軍再編の受け皿になったことの時代背景をどう考えますか。
クリントン政権下の世界的な米軍再配置の中で、在日米軍は中東の米国の権益を守る戦略に加え、世界の資本主義のお目付け役となる軍事的プレゼンスとして再定義された。朝鮮半島に近い第一線の戦闘機基地だった岩国基地も今以上に効率的かつ戦力集約的な基地にするのが望ましいと考えられるようになった。
さらに9・11テロ(二〇〇一年)以降はいつ、どこで何があるか分からない相手を、軍事力で制圧するのが米国の戦略となった。臨機応変に対応するため、空母と艦載機の役割も重くなる。その一方で、首都圏にあり、騒音や危険がある厚木基地は米軍にも使いづらく、日本政府も限界は自覚していた。艦載機部隊の岩国移転は、世界的な流れとこうした事情がマッチした結果だと思う。
―今後、検証していくための視点は。
戦後、横田基地(東京)が拡張した例があるが、その時は立川基地が返還されている。岩国のような大規模な基地拡張は、沖縄・普天間基地の移設先としてこれから計画される辺野古以外にはない。在日米軍基地の歴史の中で、特徴的な事例だ。地方自治の在り方にかかわる問題でもあり、どういう力学で現在に至ったのか、十分に解明していくべきだ。どこかで「沖合移設」という言い方も、変えなければならないだろう。
まえだ・てつお 1938年福岡県生まれ。長崎放送記者を経て軍事・基地問題の執筆活動に入り、95年から2006年まで東京国際大教授。著書に「戦略爆撃の思想」「在日米軍基地の収支決算」「自衛隊―変容のゆくえ」など。埼玉県在住。
【写真説明】「沖合移設という言い方は変える必要がある」と指摘する前田氏
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