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誰のための国家権力か(天木直人のブログ)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 28 日 16:47:18: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/28/#000737

2008年02月28日
誰のための国家権力か
  

  日教組に会場を貸す事を断ったグランドプリンスホテル高輪が、26日記者会見をした。開催していたら約1万人の宿泊客や約2万5000人の近隣住民に迷惑をかけた、また、付近の幹線道路でも渋滞が起きた、として、判断の正しさをあらためて強調したという(27日読売新聞)。
 
  おかしくはないか。そこには、迷惑をかけようとした右翼の行動に対する言及はまったくない。

  そう思っていたら、28日の朝日新聞の社説を読んでもっと驚いた。右翼幹部がこう言っていたというのだ。

  「日教組に会場を貸すことはけしからんと知らしめることが一つの目的。我々が迷惑だというので貸す事を断念したと(したら、それはそれで)結果が出た」、と。

  驚くべき発言だ。こんな発言を放置しておいていいのだろうか。

  朝日の社説は書いている。「ホテル側の対応は右翼団体の思うつぼだったのだ。街宣車で騒音を撒きまきちらし、威圧的に走り回れば、集会を潰せるという悪い前例を残してしまった」と。

  そこまではいい。しかしその後でホテル側につぎのように注文をつけている。

  「世の中の理不尽な行為に対しては、警察の協力を得て立ち向かう。日本を代表するホテルの一つであればこそ、右翼のそうした横暴に立ち向かって欲しい。少しばかりの勇気を出していたなら、広く社会の共感を呼び、応援する市民や組織も出てくるだろう。それは健全な市民社会に勇気を与えることにもなるはずだ」、と。

  これはおかしい。我々市民や私企業は右翼が怖い。朝日の記者さえも襲われる事件があった。ましてや一般市民は抵抗は出来ない。手が出せないばかりか、口もだせない。そんな市民、私企業に、朝日が本気で勇気を持てと言っているのだとしたら、おかしい。

  公序良俗を守るのは政府の最低限の義務だ。市民の安全を守るのは、警察、検察、司法を握っている強大な国家権力なのだ。朝日が言うべきは国家権力には何をしているのか、ということだ。

  この種の事件を見るたびにいつも思う。国家権力は本気で右翼を取り締まらないのではないか。そうだとすれば大問題だ。

  ひょっとして警察さえも右翼が怖くて手が出せないのだろうか。そうであればもっと大問題だ。


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