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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/78406.html
鈴木宗男被告 二度の実刑判決は重い(2月27日)
「道開発行政などに不当な影響を及ぼし、社会の信頼をも著しく害した」−。司法は再びこう断罪した。
開発局発注工事をめぐる受託収賄など四つの罪に問われた衆院議員鈴木宗男被告の控訴審判決で、東京高裁は一審の実刑判決を支持した。
衝撃的な逮捕から六年。この間、一貫して無罪を主張し、国策捜査批判を繰り広げた鈴木被告は「不当判決だ」としてただちに上告したが、二度にわたる審判の意味は重い。
権力の中枢近くにいながら利益誘導型の政治手法で国民の不信を招いた政治責任は免れない。このことをあらためて指摘したい。
自民党を離れた鈴木被告は二○○五年、新党大地代表として衆院選挙に立候補し、道内から四十三万票を獲得して国政に返り咲いた。
質問主意書の制度を駆使し、かつては族議員として擁護に努めた外務省の特権的な実像を暴き出す独自の国会活動は注目を集めた。
一方でテレビ出演を繰り返してきたのは、露出度を高めることで世論の批判を和らげる狙いからだろうか。これには違和感を覚える。
高裁は控訴審における被告側の主張を「信用できない」などとして全面的に退けた。
判決が確定するまでは推定無罪が原則だ。とはいえ強い倫理観が求められる国会議員の立場を自覚するなら、高裁が下した判断を厳しく受け止めねばならない。
同じ言葉はほかの国会議員にも向けられるべきだろう。
一連の事件で裁かれたのは政治とカネの問題であり、政と官の問題だ。企業から支援を受ける見返りに役所に指示して便宜供与する「口利き政治」など、不適切なあり方に焦点が当たった。ところが疑惑は後を絶たない。
国の公共事業を受注している企業から国政選挙に関して候補者や関連団体が献金を受けることは公職選挙法で禁じられている。それなのに献金を受け、「知らなかった」で済まそうとする。緊張感に欠けた例がいまも目立つのが実情だ。
鈴木被告の特異な事件だと考えているようなら、あれほど批判を浴びた政治手法を政界から一掃することなどおぼつかないだろう。
自民党の伊吹文明幹事長は二審判決にもかかわらず、次期衆院選をにらんで新党大地との選挙協力を模索する方針でいる。
昨年の参院選で協力関係にあった民主党も同様だ。
選挙に勝ちたいがために政権与党と野党第一党がともに鈴木被告にすり寄り、連携を働きかける。その定見のなさを有権者がどう見るか。両党の責任者は思いをめぐらせるべきだ。
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